名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

増え続ける核のごみ

2014-07-18 10:54:01 | Weblog
2014.7.18(金)
 原子力規制委員会は16日の定例会合で、九州電力川内原発1、2号機について再稼動の合格を前提とした審査書案を了承したとメディアが報じている。再稼動の第一号が動き出した。引き続き関電の高浜原発3、4号機が審査を待っている。こうして原発の再稼動は進んでいくのであろう。
 多数の国民の意思に反して、政府も産業界も原発の再稼動に必死である。3年前の東日本大震災は東電の原発を含めて大災害をもたらしたが、こんなことは何百年に一回のことですぐに同じ震災が来るとは思えない。折角つくった多くの原発を無駄にしておくことはできない。エネルギーの安定供給のためには原発は絶対必要だというのが政府や産業界の言い分である。多少の人の命などは考えておられないし、必要なエネルギー確保のためには止むを得ない犠牲だという論理である。
 一方で、原発は動かせば動かすほど核のごみが増加する。
 放射線量の高い使用済み核燃料は、日本では再処理した際の廃液およびそれを固化したガラス固化体をいう。
 使用済み燃料を再処理しないでそのままガラス固化し、地中のコンクリート構造物の中に保管する方法をワンススルーと呼び、再処理コストがかからないので安い処理といわれる。コスト追求から米国はこの方法をとり、他国にも再処理をしないよう主張しているという。ただし半減期は数万年に達する。
 日本は、再処理してウラン235とウラン238とプルトニウムをとった後の高レベル放射性廃棄物をガラス固化して地上管理施設で冷却・保管(30年~50年)し、その後地層処分して数万年以上にわたり隔離・保管する方法をとっている。しかしその前に、日本では使用済み核燃料が1万7千トン近く貯まっており、六ヶ所村の貯蔵施設が既に満杯状態のため、その8割以上が各原発の使用済み核燃料プールで保管されたままとなっている。
 いずれにしろその保管・処分方法は確立されていないが、ドイツでは地下の岩塩層や廃鉱跡地に埋設処理することで具体的な対策を検討中という。またフィンランドでは、オルキルオト島のオンカロ廃棄物貯蔵施設が2020年から100年間稼動予定で建設中である。この施設については小泉純一郎元首相が視察して話題になったことがある。
 次に低レベルの放射性廃棄物の処理もやっかいである。原子炉格納容器内の配管や作業員の衣服、手袋など放射性物質が付着したものは大量に発生する。これらでも100年単位の管理が必要という。2013年3月時点で全国の原発敷地内に保管されている低レベル放射性廃棄物は200㍑ドラム缶換算で、67万本に達する。各原発の保管容量に対してその割合は平均73%を占めるという。さらに1万本もある使用済み制御棒などの線量の高い廃棄物は未だ受け入れ先が決まっていない。
 原発は安全だといって再稼動を進め、それどころか世界に輸出までしているのに、廃棄物処理のことはほとんど進んでいない。人類が制御できない事象は一杯ある。放射能もその一つである。命をおろそかにしてそれを自在に扱えるかのごとく尊大に振舞うことのバカさ加減にいい加減、気がつかなければならない。

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