有り難いことでございます。わたしは護られております。わたしはよい方へよい方へ導かれております。わたしはいつもよろこびをお膳に載せて運んで来てもらっていますのでこれを頂戴して食しています。このお礼を申し上げますと、こうすることがわたくしどもの方でもよろこびでございますからと言ってあくまでも謙虚な振る舞いです。わたしだけがこうして生きてる間ずっと依怙贔屓をしていただくのはまことに申し訳がないのですが、これは万人共通のことだと教えてもらいました。そらあそうに違いありません。みな親から生まれて来たのですから、子はいつになっても愛情をかけられ通しなのでした。肉体の親、精神の親、こころの親、魂の親、命の親とたくさんたくさん親がかりをして暮らしているようです。
プランターで育てていた里芋を収穫しました。赤芋です。12月の中頃まで来るとさすがにさすが子芋が鈴なりでした。赤芋は親芋も捨てずに食べられるそうです。外の洗い場で芋に付着していた土をごしごし洗い落としました。日が暮れるまで続けました。寒い風が吹いていましたが体を動かしていると寒さも感じられませんでした。台所に運んで来てそのうちの1個を明日の味噌汁の具にすべく、皮を剥き包丁で細く切りました。
「健康体の朱欒(ざぼん)」
朱欒を真っ二つに断ち割った
完熟して
烈火のような火の色をしている
じっくり一年かかって集めた力が
ここへきて豊満に漲っている
瑞々しい分子苞を八方へ飛ばしている
これを朝の光の中へ置く
するとどうだ
朱欒を漲らせた力という力が
さくさくと朱欒へ向かって来て
褒め讃えておめでとうの声を掛けている
するとどうだ
朱欒は己の内に漲った健康を
なおさら漲ってみせる
漲らせた力の存在を
体現し証明したのは
このおれさまだと言わんばかりに
明るく明るく朗らかに朗らかに
そしてあどけなくあどけなく