入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

        ’24年「春」(62)

2024年05月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 
 海にも譬えたくなるような、溢れんばかりの緑の中を来た。朝霧が立つまさしく「目の覚めるような」景色、その中には一昨夜の雨で散ってしまうと案じた山桜も、健気にも清楚な姿をそこかしこに残していた。
 もしも若葉の色が緑でなくても、人は感動することができたかも知れないが、それでもこの色であったからこそ良かったと、しみじみ思う。飽きることのない感動。
 
 昨日、伊那で市の主催する集まりがあり里に下り、今朝は4時半に起きて、朝風呂にも入らずそのまま上に来た。一休みしたら、重いチェーンソーを持ってテイ沢へ行く。依然として迷いはあるが、昨年の豪雨で流れた二か所の橋を架け替えることに決めた。

 〽暮れ行くは白馬(しろうま)か、穂高は茜ど・・・。

 一説によれば、この歌は外地にあって、ある高原、ということにしておく、を訪れた時に目にした記憶を歌にしたものだと聞いたことがある。本当かどうかは取り敢えず措くが、しかし今、彼の地を訪れて果たしてこういう歌が生まれるだろうか。
 観光地はどこも変わってしまった。まるで遊園地のような所もある。人を招くよりかも、そうした土地を本来の姿に戻し、守ることの方が関心がある。
 愚かにも以前は、自然は人のためにあると思っていた。自然を守るために、人の立ち入りを禁止するようなことは愚策だとさえ考えていた。
 もちろん今はそんなことは夢にも思わない。それを教えてくれたのが入笠牧場であり、テイ沢である。
 
 橋を直し、誰でもが訪れることのできる渓にするか、はたまた渓を守るためにある程度の障害・困難さを残しておいた方が良いのか、ずっと結論を出せないできた。それに、もしも子供や年配者が事故でも起こせば、自分のしたことを後悔することになる。
 場所によっては靴を脱ぎ、足を濡らしてでもあの沢を歩きたいと思う人だけに入渓してもらうのがいいと思いながら、朽ちかけた丸太橋を見かねて架け替えた。今の橋は二代目になる。
 きょうは弁当を持っていき、昼もここには戻らないつもりだ。
 
 人は洞穴の暮らしから、便利で快適のために今日のような文明を築いた。とりあえずはそれに倣うことにした。場合によっては橋を落とすことも考えている。
 
 本日はこの辺で。
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