昨日予定通り、カタクリ峠に行く。ただし、ムラカミ君は残念なことに腰痛を再発して断念した。
途中、山際の畑でたくさんの人が菜の花を摘む姿を目にし、TDS君から今朝わが家に届けてくれた菜の花も、この畑で採ったものだと教えてもらう。春らしい風情のあるいい景色だった。
最後の集落を過ぎ狭い谷を抜けると、その先は広くすり鉢状に開けて、流れ下る澄み切った水も、岩にぶつかり白濁した水も、最早、冬の冷たさを感じさせることはなかった。ここでも広大な周囲の山腹は落葉松の芽吹きが始まったばかりで、山はようやく冬の眠りから覚めたばかりだった。
高度を上げるに従い空は拡がり、花曇りの空から柔らかな日が降り注いでくる。気を良くしてさらに行くと、峠の数百㍍手前で、今年は残雪ではなく、案じていた倒木に阻まれ、仕方なく車を捨てる。
クマの出没を気にするTDS君とフキノトウを探しながら登ると、予想通りたくさんの春の苦みを含んだ野草が目に付く。帰路に頂戴することにして先を急いだ。
1年ぶりの峠は何も変わっていなかった。いつものように一段高い灌木帯の中に、今年も片葉のカタクリが幾つも枯れ葉の中に顔を覗かせている。今年は来るのが遅かったせいだろうか、花を開きかけた株をこの場所で初めて目にする。
しかし、一般に山野草は根が深く、その長く細い繊細な部分を傷めずに掘り出すことは容易ではない。加えて、こうした花は石の多い荒れ地を選ぶ。写真を撮るだけにする。
花は恐らくそれ以後は人の目に触れることなく、やがて時が来ればその残痕を一切残さずに消えてしまう。それがこの野草の魅力であるとムラカミ君が言っていた。分かる。
帰路は予定通り、山道の脇の早春の象徴でもあるフキノトウをいただく。最初は何でもよかったが、そのうち春の苦みをたっぷりと含んだ開花前のものを選別し、いただくことする。
普段、スーパーへ行くたびに、ご婦人連が何でもかんでも手で触れて選ばなければ気が済まないような姿を目にし、いかがなものかと感ずるのだが、似たようなことをしているのかと気にする。いや、それとは違うと天の声を聞き、思い直した。
帰り、ムラカミ君の家に立ち寄り春の野の花を見せてもらい、その上2種の野草をTDS君とともどもに頂き、喜んで帰宅した。今朝それらを見て、元気な様子に安心している。
あっ、帰宅前に福与城址にも立ち寄り、花見をして来た。本日の写真は逆光ながらその時のもの。
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本日はこの辺で、