入笠牧場その日その時

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       ’16年「夏」 (2)

2016年05月07日 | 入笠牧場からの星空

Photo by かんと氏
 無数の夜空の星々を眺めていると、洞穴の住人たちが宇宙に抱いたと変わらぬ思いが、万年を越えてわれわれの心をくすぐるような気がする。それはまるで、長い時間を旅してようやくわれわれの目に届く遠い星々の光のように懐かしく、愛おしいとも言える。
 広大無辺の宇宙、もちろんこれまでに科学が明かした事実は偉大だろうが、その深淵に想像力を働かせることができたとしても、遠い昔のご先祖と比べてはたしてどれほど遠くまで行けるというのだろうか。
 カッチンで、光は地球を7回り半の距離まで進む。すぐ近くに見えている月までの距離と同じである。ところが、それほど遠い存在とは思えない太陽までは、8分以上もかかる。
 人類が作り、宇宙に送り出した最速の探査機ボイジャーは、38年以上経った今も、時速6万キロ(カッチンではおよそ1万7千キロ)の速さで宇宙を飛行している。その到達距離は今日現在で200億キロを超え、深宇宙をその名の通り航海者となって旅している。しかしこの距離は、光なら1日そこらで到達してしまう程度のものでしかない。
 その光が、最も近い恒星・ケンタウルス座のプロキシマまで到達するには、4年以上もの年月をかけなければならない。ところがボイジャーなら、ナント8万年だというのだ。このあたりから、普通の人の想像力が過熱過剰になり、今日の写真のさそり座のアンタレスときたらもういけない。光でも550年もかかり、その大きさは太陽の数百倍!
 ところが宇宙は、われわれを誕生させるまでに138億年をかけ、太陽は46億年をかけた。しかしこう言ってみてもこれらは最早、単なる数字であってあまりにも非現実的でしかない。想像力の埒外の話になる。まるでこれは、洞穴の住人が星空を眺めて感じたときと同じような気分ではないだろうか。
 
 さて今日の写真、中心よりやや右上、みっつの星が逆三角形の形を構成している。底辺の右が火星、左が土星、逆三角形の頭がさそり座のアンタレスです。左手にわれわれの銀河、天の川も見えてます。かんと氏の実力、入笠牧場の実力です。カテゴリー別の「入笠牧場からの星空」へも是非、お出かけください。

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