映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

ゴーン・ガール

2015-04-09 | 映画 か行
昨年の話題作にして、主演女優ロザムンド・パイクがアカデミー主演女優賞ノミネート。
何だかタイミングが合わず見損ねた本作、やっとDVDで鑑賞しました。

妻の失踪というサスペンス映画が、中盤からホラー映画へと変貌!
まさかこんなストーリーだったとは!
すっかり、してやられました。
3部構成の本作、「えっ、えぇ―――!」次は?どうなるのよー?!と予想外の展開に、
2時間30分という長さは感じられませんでした。
この結末に、唯々唖然。そして脱力。
監督はデビッド・フィンチャー。
予想外のストーリー展開を悟られないように、予告編では「妻の失踪で窮地に陥る夫」という
冒頭三分の一の部分のみを使うよう頑張ったとか。
確かに、予告編で中盤以降の映像を見ていたら、面白さは半減だったでしょう。
ネタバレなしで書くのは難しい。

「セブン」「ファイト・クラブ」「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」「ソーシャル・ネットワーク
「ゾディアック」「ドラゴン・タトゥーの女」TVドラマ「ハウス・オブ・カーズ」と、フィンチャー監督は独特の
ダークな雰囲気を醸した作品が多いです。


    *******************

          ゴ ー ン ・ ガ ー ル

    *******************

 < ストーリー >
ニックとエイミーは傍目には理想のカップルと思われていた。
5周年の結婚記念日にエイミーが突然失踪し、キッチンには争った痕跡を隠ぺいする工作が
あった。警察から聴取を受け、メディアに追われるベン。妻の行方を心配する気の毒な夫という
立場が一転、彼の態度や言動、証拠物件から、次第にエイミー殺害疑惑の目を向かられ
追い詰められていくベン。実は・・・。

    
      連日、家の前にはメディアや野次馬が押し寄せる。

3部構成の第一幕。
妻失踪で窮地に陥る何とも頼りない夫を演じるのはベン・アフレック。
次から次へと不利な証言や証拠、事実の発覚に「夫が妻を殺したのでは?!」っと
同情的だった世間の空気は一変!非難の的となる。
果たして夫が殺したのか?
妻エイミーの母は「アメイジング・エイミー」という娘と同名のキャラのベストセラー本を
執筆する作家だったことでエイミーも有名人。
(「アメイジング」はスパイダーマンではなくて「素晴らしい」という意味)
マスコミも事件に注目、連日レポーターが家を取り囲み、テレビ番組では
「夫が犯人!」と決めつける女性キャスターまで登場。このあたりの過熱ぶりは流石アメリカ!
いや、そこまで言っちゃっていいんですか?と言いたくなるほど、夫は袋叩きです。
実際、この手の事件は第一発見者や通報者が疑われるケースが多いようです。



ところが・・・・!
ネタバレしてしまうので、ご覧になっていない方は、先に映画をご覧くださいませ。



第二幕は一転、失踪した妻の驚愕の計画が明らかに
いやぁ、ロザムンド・パイクの清楚な美しさにすっかり騙されました。
   笑顔の下は…般若だね。
           
ここまでやるかい?!
確かに「アメイジング」だ!
可愛さ余って憎さ100倍…いえ10000倍くらいか。
このあたりで妻にしてやられた夫の間抜けっぷりが際立ちます。
また過去にエイミーに関わった男性が人生を狂わされていたことも発覚!
恐ろしい女です。
周到な計画に圧倒されますが・・・悪事千里を走る。
つまらぬことからつまらぬ奴に計画を狂わされ、増々荒れ狂うエイミー。

第三幕は完全に狂気の域。
とばっちりで巻き込まれた人が気の毒です。
エイミーは「ソシオパス」を越えて「サイコパス」です。
(「ソシオパス」については「ビッグ・アイス」で書いた「良心をもたない人」です。)

         
         右端のふたりがエイミーの両親。ここでもエイミーのアメイジングぶりを強調する。         
エイミーをここまで狂気に駆り立てたのは?
まずエイミーの両親(特に母親)がおかしい。
自分の本の主人公と娘を重ね合わせ、「アメイジング」であれと圧力をかけ続けたことが
エイミーの人格に大きく影響を及ぼしているようです。これでおかしくならない方が怖いです。
そして、自尊心を傷つけられると狂気に走るエイミー。
凡人の夫のある行為が彼女の自尊心をズタズタにし
とんでもない結末へ。

夫は蜘蛛の巣に絡め取られた昆虫の如し。
「○○ってそんなものよ」って

エイミーの恐ろしさもさることながら、メディアや大衆の正義を振りかざした精神的暴力や
手のひらを返したような行動の怖さも際立たせています。

    
    夫をサポートする弁護士はO・J・シンプソン事件のコクラン弁護士のよう。
    マスコミ対応準備で夫を鍛えるシーンは非常にアメリカ的。
    如何に大衆を味方に付けるか?パフォーマンス学を学ばないと勝てないね。

色んな意味でエンターテインメント、見応えある作品でした。



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 ***** 見た 映画 *****

 4月5日 「ゴーン・ガール」DVD

 4月6日 「物語る私たち」DVD サラ・ポーリーの出生の秘密ドキュメンタリー

 4月7日 「リスボンに誘われて」DVD ジェレミー・アイアンズ主演

 4月8日 「記憶探偵と鍵のかかった少女」DVD マーク・ストロング主演のサイコ・スリラー

        「少女は自転車にのって」DVD サウジアラビア映画


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2 コメント

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Unknown (ふじき78さんへ(ryoko))
2015-04-13 12:23:54
完璧主義のエミリーのことだから、つまらぬ奴らにもきっちりリベンジに燃えるんじゃぁなかろうかと期待したのですが・・・。
あれで終わり~?つまらん。
まぁ、第3部に移るためにはエミリーが一文無しになる必要があったわけで、ちょっと強引感が否めません。
でも、やっぱりお嬢さん育ちのエミリーってことで、あんたの思うように事が運ばないこともあるのさってことを思い知らさせたんでしょうかね。
Unknown (ふじき78)
2015-04-12 06:38:51
> つまらぬことからつまらぬ奴に

わはははははは。正にそんな感じ。
あの人たちあれ以上、出て来なかった事からも「つまらぬ奴」なんだよね。

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