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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

「ココロ」の経済学

2017年06月17日 | 日記
昨日、東京仏教学院の講義だからと築地へ行くと、私のコマではなく、無駄骨。でも一回、講義内容(「現代社会の病理」)を頭に入れたので、まったくの無駄骨ではありませんでした。話うと思っていたことに一つに、下記の話があります。ご紹介までに。

『「ココロ」の経済学: 行動経済学から読み解く人間のふしぎ』 (ちくま新書・依田 高典著) は、行動経済学を扱った本です。たとえば次のようにあります。これは、どこかで聴いたことのある話です。

2008年7月、イギリスの野党第一党である保守党のデーヴィッドーキャメロンとその協力者は、行動経済学を経済政策に活用することに興味を持って、セイラーに協力を求めたのです。2010年5月の総選挙で保守党が勝つと、キャメロンは首相となり、イギリスの内閣府の下に、「行動洞察チーム」(通称ナッジーチーム)を組織しました。
 例えば、税金滞納者に税金を支払うように督促するために、「イギリスの納税者のほとんど(90%以上)が税金を期限内に支払っている」「あなたはまだ納税していない少数派の一人です」というメッセージを手紙で添えるというフィールド実験を行ったところ、税金の納付率が5%以上も高まったと言います。ナッジを使えば、やり方次第では、大したコストをかけずに、大きな効果が期待できるのです。(以上)

現状維持バイアスのことが記されています。
現状維持バイアスとは「個人あるいは社会にとって、望ましい選択肢があるにもかかわらず、硯状に固執しより良い行動変容を進んでは求めないこと。長期的な視点から、ダイエットや早起きのような、望ましい生活習慣を身に付けるべきなのに、現状維持バイアスのために、人間は容易に行動を変えることができないのです。」と説明され、この現状維持バイアスを利用した政策について次のようにあります。


 臓器移植においては、死亡した者が臓器移植の賛成意思を生前に表示している場合、その臓器を摘出できる「オプトイン方式」と、死亡した名が臓器移植の反対意思を生前に表示しない場合、その臓器を摘出できる『オプトアウト方式』があります。人間が合理的ならば、臓器移植に賛同する場合、オプトイン方式で賛成急思を表明しても、オプトアウト方式で反対意思を表明しなくても、実質的には同じ内容を意味するはずです。しかし、実際には、選択肢の初期値であるデフォルトをオプトイン方式(デフォルトは賛成しない)にするか、オプトアウト方式(デフールトは賛成する)にするかで、臓器提供意思表示率で大きな差が出ることが知られています。
 例えば、ヨーロッパ諸国を例に挙げてみると、次頁の図のように、オプトイッ方式を採用しているデンマーク・ドイツ・イギリス・爿ランダの同意率は4~28%と低水準に留まっています。他方で、オプトアウト方式を採用しているスウーデン・ペルギー・ポーランド・フランス・ハンガリー・オーストリアの同意率は86~100%と高水準になっています(以上)

上記のような「ココロ」と経済学についた本です。
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