仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

宗教ビジネス

2009年08月11日 | 新宗教に思う
“大川隆法は相当な俗物だ”と書いたら、「もともと宗教ビジネスを行ってきた人…元々俗物」というコメントがあった。
僧侶でも浄土真宗ではみな俗物(凡夫)だし、俗物が悪ではない。ところが聖者ぶっている俗物は食えない。しかもその事実の無自覚となったら救われようがない。ここに大川隆法の問題点がある。

宗教ビジネスが悪いとは思わない。むしろビジネスとして成立できる活動、民衆の欲求に対応できる宗教活動を宗教団体はすべきだというのが持論でもある。宗教書でも売れてこそ、影響力があるというものだ。
昨年だったか島田裕巳氏の『新宗教ビジネス (講談社BIZ) 』を読んだ。

ネットの書評(アマゾン)には
≪創価学会、真如苑、阿含宗、大本、天理教など、巨大教団のヴェールに包まれた「ビジネス・モデル」の正体!宗教学者の超斬新なアプローチが初めて明かした「宗教とカネ」≫

もともと宗教団体の本殿などは荘厳な巨大建築物が多く見られます。天理教の教会本部、立正佼成会の大聖堂、霊友会の釈迦殿(総工費162億円)、崇教真光の主座黄金神殿、世界真光文明教団の主座世界総本山御本殿など、中には3000畳敷の広さを持つものもあります。また国宝級美術品の収集で名を馳せる教団も多く、世界救世教のMOA美術館、神慈秀明会の「MIHO MUSEUM」、また阿含宗もガンダーラ美術の収集で知られています。では、これほど巨額のカネを集める裏には、どんなテクニックが隠されているのか。(以上)
とある。

氏はこの本で、宗教ビジネスモデルを4つ分類している。
1. ブック・クラブ型 - 出版物(新聞や雑誌、書籍など)で収入を得る仕組み
2. 献金型 - 「お布施」に代表される信者からの献金で収入を得る仕組み
3. スーパー・コンビニ型 - いくつものサービスを用意し、それぞれを販売することで収入を得る仕組み
4. 家元制度型 - 徒弟制度のように弟子が指導に対して師匠に授業料を払うことで団体に収入があがる仕組み

この中で献金型は従来の宗教にも用いられているモデルであるが、時代遅れになってきていると述べている。現在の寺院が、献金型と財施とはいうがお経の訪問販売といった態である。これはメンバーへの対応だからできることで、未信(信者以外)の人に対しては、献金型以外の伝道モデルの構築が不可欠だ。

たとえば老健施設に主として、その中に道場(教会)があって、そこから浄土真宗を発信していく。これは老健であっても、他の施設でも、地方の実情にあわせた機能でよいと思う。これが本来の宗教の未開地への基本的な進出方法だ。

無論、人びとに安心を与えることが最優先であって、ビジネスの手段が宗教であってはならない。幸福の科学の宗教ビジネスはビジネス最優先という印象を与える。
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