アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

どんぐり工房7月の定例染め講習会はインド藍染めでした。

2021-07-30 14:01:53 | 草木染め

    毎年、夏の染め講習会は、インド藍染めを行っています。今年は、7月と8月の二回にわたり、インド藍の染めを行うこととしました。

    1回目の7月末の講習会は、久しぶりに定員一杯の方にお集まりいただきました。

   ソーダ灰を溶かした水にインド藍の粉を溶かしいれ、そこに少しずつ還元剤のハイドロサルフェイトを投入。マメ科の植物から取った粉を使いますが、青を引き出すためには、化学的な方法を使います。

    思い思いの模様を施した布。他の草木染めに比べると、もっとも模様の作り甲斐のあるのが藍染めです。

    こちらは、どんぐり工房でもらった使用済みの五平もちの串で、さらし布に板締めしたもの。さらしの幅と五平餅の串の長さがぴったり合い、素敵な柄になりました。

    これは綿ローンのバンダナ。三角に折ってから、割りばしにくるくる巻き付けて、両端からギャザーを寄せて最後はひもで括ったもの。わたしも試してみましたが、ギャザーの寄せ方が雑だったため、このような鱗雲のような模様にはなりませんでした。

   上記バンダナの模様を作った方のエプロン。手製です。糸で絞りをしてお持ちになりました。

   こちらは古い正絹の着物の生地。藍液にさっと浸けただけで、きれいな水色になりました。

   やはり、夏は青色がいい。どれもきれいに染まりました。

   インド藍染めの講習会は、来月、8月28日も開きます。お申し込み、お問い合わせはどんぐり工房(0565-83-3838)までお願いいたします。

 

 

 

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足助のミヤコイチに納品しました。

2021-07-30 14:01:53 | アンティマキの焼き菓子とパン

   5か月ぶりに、足助のミヤコイチに納品に行ってきました。

    お持ちしたのは、黒糖とクルミのクッキー、米粉と塩麴のクッキー、そば粉のクッキー、アニスシードのクッキー、タマネギのクラッカーの5種類。

    大きな呉服問屋だったという立派な古民家の土間に、種々の品と一緒に並べていただきました。

   昔の薬瓶。厚さが均一でないのか、微妙な味わいを感じる小瓶です。

    足助の鍛冶屋さん作のペーパーナイフ。五寸釘の先のほうを打って、ナイフ状に仕立てたもの。ユニークでかっこいい。

    こちらでは地元の良質の野菜をいつも置いているのですが、今日は、いのはな農園と徳八農園さんの野菜がありました。徳八さんの親指大のミニキュウリが気になりました。

    ときどき店番をしていらっしゃるひろみさんの、着物のリフォーム作品や刺しゅうを施したバッグ、魅力的な柄のエプロンなどなどもたくさん。毎週土曜日の午後1時から4時には、手仕事教室を開催しておられます。編み物も刺繍も手縫いも、なんでもおもちになれば、適度なアドバイスを受けながら、楽しくチクチクして過ごせます。参加費は3時間で800円。たぶん、早退も遅刻もOKだとおもいます。

    稲武からあすけに下りると、さすがに暑い。保冷ボックスを持たずに行ったのですが、溶けるのを承知で、クボタのアイスクリームとキャンディをいくつもいただいて帰りました。今日の夕方、仕事の後のおやつにします。

 

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あした、寺部の守綱寺のまちかど朝市に出店します。

2021-07-26 19:49:24 | アンティマキの焼き菓子とパン

   パンデミックが始まってから、イベントの出店がぐんと減りました。講習会も、会場の事情そのほかもろもろで中止を余儀なくされたり、開催するにためらいが生じたりと、なかなか思うに任せない日々が続いています。

   そんななか、寺部の守綱寺で毎月二回開かれるごくごくささやかなまちかど朝市は、わたしにとっては、今の情勢であってもこころおきなく出店できる数少ないイベントです。

   第二、第四火曜日は、15年続く、絵本読み聞かせの会の日。就園前の小さなお子さんとそのお母さんたちが集います。こちらでは、絵本の読み聞かせだけでなく、手遊びをしながらわらべ歌を歌ったり、おかあさんとこどもが一緒に体を動かしたりと、いろんな動きと歌を楽しみます。母子がより一層近しい存在になりそうな会です。

   さてあしたの市にお持ちするパンは、パラダイス酵母ジュースで仕込んだシンプルなパン、それと、全くこねずに作った全粒粉100%の黒パンです。この黒パン、一次発酵しかせずに焼いたもの。焼き時間が結構長いので、表面はカチカチですが、中はしっとりしています。タマネギのスライスやキュウリのサンドイッチにしたらおいしそう。バターもあいます。

  黒糖スコーンは久々の登場です。

   米粉のパンデピスも作りました。前回よりさらに生地を軟らかめにして、食べやすくしました。

   クッキー類は、穀物クッキー4種とアニスシード入りのビスケット、米粉と生姜の、グルテンフリーのクッキー、それにタマネギのクラッカーです。タマネギは、1年ぶりに、松平のうさぎ菜園の農薬不使用の自然栽培ものを使いました。

   いつもなら、夏休みに入ったばかりの7月の第4火曜日の会は、夏休みお楽しみ会。子供たちとお親御さんたちが演じる寸劇やコント、合唱などが披露され、会場の本堂は満員となるのですが、去年も今年も中止。寂しいことです。

   読み聞かせの会は、8月はお休み。まちかど朝市もお休みです。

 

 

 

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梅のお仕事~その2 梅肉エキス・茶梅・梅ジャム・梅味噌

2021-07-17 22:06:04 | 手作りのたべもの

  今年は梅のなり年だそうですが、通常のなり年とは、桁が違うように思います。相当多い。そして実が大きい。

  これまで、梅干し、たくさんの梅ジュース、そのほかいつもは作らないものを、今年はいろいろ試みる機会を頂きました。すべて貰い物か、うちの梅の木から採取しました。

   一度目は失敗してちょっと焦がした梅肉エキス。工程は思ったより簡単なので、再度作りました。

   まず、種と実を分けます。そして実だけをフードプロセッサーにかけます。ほんとはおろし金で下ろすといいのだそうですが、わたしは楽なほうで。粉々にくだいたら、さらしで漉して汁と粕を分けます。この果汁だけを煮詰めます。

    最初はただの汁。それがだんだんだんトロっとしてきます。

    どれくらいの時間煮詰めたか、おぼえていませんが、気が遠くなるほど、というほどではありませんでした。

   トロッとしてきたら、目を離さないほうがいい。前はこのくらいのときタイマーをセットして火から離れたのですが、そのセットが長すぎた。それで今度はつききりでこうなるまでかき混ぜ続けました。

   2キロの青梅で、できたのはたったこれだけ。梅干し一つ分です。鍋肌やヘラについているのがもったいないので、毎朝、じかに鍋にスプーンを入れてなめています。

    こちらは梅ジャム。はじめて梅肉エキスを作ったとき、搾りかすに砂糖を入れて煮たらジャムができる、というので作ってみたら、梅の渋み?が抜けず、おいしくできませんでした。青梅で作るなら、何度かゆでこぼすとかしたほうがよかったようです。

    それで今度は、完熟梅で作ってみました。大事を取って、一度ゆでこぼしました。そのあと重量を計って、重さの半分ほどの粗糖を投入。ブルーベリーやリンゴなどいつも作るジャムには、3割ほどの粗糖しか入れないのですが、それでは酸っぱすぎたので増量しました。

    かき混ぜながら弱火で煮て、ジャムっぽくなってきたらざるで濾します。このとき、大雑把に漉した後、もう一度新しいざるに入れ、木べらでこするようにして種と実をほぐします。こうすると、わりによく種の周りの実がとれるのを発見しました。

    このジャムで、先日はジャムサンドスコーンを、きのうはジャム入りパウンドケーキを作りました。甘酸っぱさが、この蒸し暑い陽気に心地よい。

    こちらは茶梅。友人に教わった、台湾の梅のお菓子。梅の4分の1ほどの塩を用意してまぶしつけ、数時間放置。そのあと、水でよく洗い流してから水けをしっかりふき取り、甜菜糖の氷砂糖と一緒に漬けました。1,2か月したら、ウーロン茶や紅茶、緑茶などの茶葉を入れ、またしばらくつけておくのだそうです。お茶の味が梅シロップにしっかり馴染んだら、食べ時らしい。たぶん、ジュースもおいしいのでしょう。

    今年は梅味噌も作りました。以前作ったときは、火を入れていない味噌に砂糖を混ぜ、そこに梅を埋め込んで作りました。おいしかったのですが、存在を忘れてしまって、放置していたら、梅のえぐみが出てきて、食べづらいものになってしまいました。そこで今年は煮込み味噌にしました。梅と砂糖と味噌を一緒にしてしばらくおき、水気が出てきたら、火にかけて弱火で混ぜ続けます。梅の実の皮が破れ始めたら、木べらで突っつくようにしてさらにほぐします。砂糖の量は検索して見つけたレシピのほぼ半分近くにしました。

    家には、梅干し用の甕は一つしかありません。その一つは、4キロ漬けたので使用中。ガラス瓶をつかおうか、ジップロックを使ってみようかと迷いましたが、はたと思い出したのは、この甕。昔どこかでもらって、ずっと家の中に放置してあったのですが、まず使うことはなかろうと思って数年前、庭先におきました。雨水をためて天水桶にしていたのですが、この甕なら、相当の量の梅干しが漬けられそうです。ずいぶん重いものなのですが、頑張ってきれいに洗い、消毒して梅漬けを。

   こんなに大きい甕なのです。何とか追熟させた梅を4キロ入れたら、全体の5分の1くらいにしかなりませんでした。この上に、追熟できた梅からどんどん塩と一緒に入れていくことにしようと思います。

   昨日も知人宅で大量にいただきました。完熟させた梅のジャムも、また作ろうと思います。青いのもけっこうあるから、また梅肉エキスも作りたい。茶梅ももう一瓶仕込もうかな。急に蒸し暑くなったので、なんだか体が弱ってきた気がするのですが、こんなうれしい年は、もう二度と来ないかもしれないと思うと、俄然やる気が出てきます。

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ドラマ「Little birds」~アナイス・ニン原作のドラマ

2021-07-16 22:53:38 | 映画とドラマと本と絵画

   1930~1960年代、官能的な小説を書く女流作家として活躍したアナイス・ニン原作のドラマが始まりました。BS12チャンネル。6話を3回シリーズで放映します。昨日が第一回でした。

   アナイス・ニンは、ヘンリー・ミラーの妻だったことがあり、11歳から書き始めた日記で一躍有名になりました。とりわけ、ヘンリーミラーとの2年にわたる生活を記録?した日記は大きな反響を生みました。

    「little Birds」は、「ヘンリー・ミラーなど当時無名の作家や詩人がパンのために1ページ1ドルで競って書いたと言われる「幻のエロチカ」・‥当代一流の美貌の閨秀作家アナイス・ニンのエロチカ」13篇をまとめた短編集。それぞれ、主人公も登場人物も舞台も違うようなのですが、ドラマは、原作とはだいぶかけ離れたお話になっています。

    ドラマの舞台は1950年代半ばのモロッコのタンジール。フランスからの独立を図る勢力と、フランス政府や軍との対立が激化しています。アメリカの武器商人の娘ルーシーは婚約者に会って結婚するため、単身、モロッコへ。そこで目にする異国の風物やヨーロッパ人の退廃的な姿が、彼女の本来持っているエロチックな欲求に拍車をかけます。夫は、同性愛者であることを黙って彼女と結婚。ルーシーは、夫の恋人とは知らず、彼の洗練された挙措に魅力を感じ始めます。そして彼女自身もモロッコ人娼婦に底知れぬ魅惑を見出します。

    政治的な背景や武器商人の暗躍が描かれていますが、アナイス・ニン自身は政治的な話題は取り上げていないはずなので、だいぶ改作されていると思います。でも、筋はともかく、映像の色合い、撮り方が独特で、目が釘付け。ちらっと見て、面白そうなら、いつか借りようと思って見始めましたが、最後まで見てしまいました。次の放映は、7月30日です。

   ところで、アナイス・ニンの小説は何冊か持っていますが、通読したのは、「ガラスの瞳の下で」だけ。こちらは、英語の勉強のつもりで、人と一緒に英語版を読みました。

   なかなか暇を見つけられないのですが、そんなことを言っていると絶対に読める日はこない。最近は、とみにそう思うようになりました。いい機会なので、原作の「Little Birds」から読もうかな。

 

 

 

 

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あした、守綱寺のまちかど朝市に出店します。

2021-07-12 22:39:17 | アンティマキの焼き菓子とパン

  あしたは、寺部町の守綱寺で毎月2回開かれる絵本読み聞かせの会です。会の後、本堂の縁側あたりでまちかど朝市が開催されます。アンティマキ、明日も出店します。

  お持ちするのは、穀物クッキー4種のほか、いとカフェの辛味スパイスを使った砂糖不使用のクラッカーと、マフィンにスコーン、パンです。

  マフィンには、一月前にもらってきたヤマモモで作ったペーストをいれました。今回は、有機栽培の山ブドウも加えました。

  スコーンは、今年大豊作の梅で作ったジャムをはさみました。

 

    こちらも甘酸っぱい。

   さらにもう一つ、甘酸っぱいパンをお持ちします。

   近頃たまに聞く、夏のシュトレンなるものを焼いてみました。甘夏をシロップ漬けにしたものをたっぷり入れた、さわやかなシュトレンです。甘さはかなりひかえめ。ワインにも合います。クルミやレーズンは入れずに、カボチャの種とひまわりの種を入れました。

   読み聞かせの会は、10時半から。朝市は11時からです。旭のいのはな農園さんの新鮮な野菜もやってきます。明日は布草履の販売もあるそう。

   車は、境内にも止められます。なお、道路が工事中なので、注意してお越しください。「菅沼医院→」とあるところからどうぞ。

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吉屋信子の少女小説「わすれなぐさ」と「花物語上」

2021-07-09 16:01:19 | 映画とドラマと本と絵画

 

  10数年前買った文庫本。その少し前に、昭和の少女小説ブームというのがあったそうで、そのころ、大正から戦中戦後にかけての少女小説作家としてもっとも有名な吉屋信子が再評価されていたらしい。

  名前だけ知ってはいましたが、ハーレクインロマンよりちょっとましなおセンチな小説だと思い込んでいたので、読もうとしたことがなかったのですが、とりあえず買っておいたものを見つけたので、まず「わすれぐさ」を数ページ読み始めました。

  予想以上に、文体がしっかりしていて、人物の書き分けも上手。嫌なところがないのに、まず感心しました。ついつい引き込まれ、読了。思春期の3人の少女たちの境遇の違いからくる人物造形がはっきりしていて、表面的と言えばそうなのですが、飽きさせない。きっと当時のファンたちは、3人の少女それぞれに自己投影してよんだのではないかしら。

  男尊女卑の考えが当たり前だった当時、その考えを覆すような強い意志を持った少女も登場。文学少女たちのあこがれの作家だったことがうなづけます。

    続いて読んだのは、「花物語」。鈴蘭、野菊、白萩、山茶花、水仙、勿忘草・・・、上巻だけで33種の花にまつわる短編小説です。どれもちゃんとお話になっていて、起承転結があります。落ちがある。地味でしっとりしたお話もあれば、波乱に富む人生の一幕を垣間見せるお話もあります。描き分け方が達者です。この「花物語」、吉屋信子が19歳の時の作品だそう。すごい才能です。

    どちらの小説にも、男性はほとんど登場しません。せいぜい父親か兄、あるいは主人公に災いをもたらす悪い人。そのかわり、女学校で、美しい上級生たちにあこがれる下級生たちがしばしば登場します。異性愛をおおやけにするのがはばかられる時代の彼女たちのロマンスは、同性に限られていたのかな。このまますべて少女漫画にしたら、受けると思います。感覚が今とずいぶん違いますが、それもレトロで面白がられるのではないのでしょうか?

    大正末年生まれの母は、実母から「女が本なんか読むんじゃない」と言われて、しばしば読みふけっていた本を取り上げられたと言っていました。本のタイトルを聞いておけばよかった。吉屋信子は、彼女たちには大人気の小説だったのではないのかしら。

    高校時代、若い国語教師から、「花」をテーマの随筆を宿題に出されたことがあります。私はたしか「夏水仙」を選んだ記憶があります。あの教師、もしかしたら、吉屋信子のひそかなファンだったのかもしれません。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E5%B1%8B%E4%BF%A1%E5%AD%90

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「ビアードさんのパンの本」を参考に、全くこねないで黒パンを作りました!

2021-07-02 18:02:17 | アンティマキの焼き菓子とパン

  1998年に第一冊が出たパンの本「ビアードさんのパンの本」。たぶん刊行されたころに購入したと思うのですが、自分では全くパンを作っていない頃のことでした。

   ときどき眺めては、世界のいろいろなパンの紹介と、彼のユーモラスな解説が楽しくて読み物として面白がっていました。例えばその解説、どこかで、彼はこんなことを言っています。

「パン作りなんて簡単なことだ。粉が多すぎたら水を足し、水分が多すぎたら粉を足せばいいんだ」

  それではまるで、落語の「そばの殿様」。でも、おおらかな姿勢がパン作りの敷居をグンと低くしてくれました。その後、ちょっとこねるだけでできるパンや、まったくこねなくてもできるパンを知り、作って売ったり、人様に教えたり、という仕事を始めるに至りました。その原点には、この本の存在があると私は思っているのですが、実はまだこの本を参考に、一度も作ったことがありません。バターや卵を入れるパンが多いから、何となく敬遠していたのです。

   でも、先日パラパラめくっていたら、バターどころか油も使わない全粒粉100%のパンのレシピに目が留まりました。

   「マートル・アレンおばさんのブラウンブレッド」

   ビアードさんが初めて彼女のこのパンを食べたのは、アイルランドにある、彼女の経営する旅館でのこと。それから繰り返し作っている、と書いてあります。

   材料は、全粒粉、湯、ドライイースト、モラセス、塩。イーストをホシノ酵母に変え、モラセスを粗糖にして作ってみました。

   このパンは、材料がシンプルなだけでなく、作り方が極めてシンプルなのが特徴。なにせ、一回しか発酵させないのです。

    粉に酵母と塩と粗糖を混ぜ、酵母の元種をくわえてから、40度くらいの熱めのお湯を注ぎます。「水分の多い、べたべたした生地」とあるので、ヘラでまぜるだけ。それを食パン型、パウンド型に入れて発酵開始。わたしは30度~35度で4時間ほど発酵させました。

    ほぼ3割くらい膨らむ程度で焼きに入るとあるのですが、私はついうっかりして2倍にしてしまいました。あわてて、220度に熱したオーブンに投入。ビアードさんの本では230度で50分とあるのですが、わたしのオーブンではあまりに高すぎて焦げ付くこと必至なので、徐々に温度を下げてほぼ50分焼成しました。そのあと、型からだして、さらにオーブンの予熱であたため、表面の皮をかたくします。

    できました。当然ふわっとしたパンではありませんが、見た目はいい。プンパニッケル風です。薄く切って食べてみました。香りがいい。一回しか発酵していないせいか、複雑な味には欠けるように思いますが、さらっとしていて、全粒粉100%なのに重くない。

    「上質の無塩バターをたっぷりつけて」とありましたが、パンに入れる塩をレシピより減らしたせいか、有塩バターのほうがよりおいしく感じるなとおもいました。ともあれ、手間はいらず、時間はかからず、ちょっと本格的な食パンができました!

     明日食べると、どんな食感にかわっているのかいささか心配ですが、もう少し発酵温度や時間を調節したら、まずまずのパンになりそう。

    このビアードさん、1985年に亡くなっていますが、「幅広い活動で、アメリカの食生活に大きな影響を与え、アメリカ料理界の権威と言われた」人だそうです。他の著書も調べてみよう。

 

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