アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

ニホンアカネを見つけました!

2021-04-30 19:47:01 | 草木染め

  一昨年まで、毎年春と秋の二回、雑草料理研究家の前田純さんにお越しいただいて、わたし宅の野原で草を採取し、どんぐり工房で調理して彼のお話を聞く会を催していました。

  でも昨年は、パンデミックのために中止。今年はどうしようか迷いましたが、調理を屋外のハウスポニーで行うこととして人数を限定し、開催することにしました。

  来月の開催を前に、きょうは、前田さんにきていただいて、下見をしてもらいました。その下見の最中、彼が見つけたのがこの草。茜です。

  写真中央のとがった葉っぱ。葉の付き方が特徴的で、輪生というのだそう。この根から赤い染料がとれるのです。これまで、一、二度、地元の人から苗を頂いて植えたことはありますが、みなすぐに草に負けて絶えてしまいました。

  前田さんには、4年ほど前からこの場所には来ていただいていて、どこにどんな植物があるか、ほぼご存じ。でも、この茜は、初見。ということは、一昨年秋からこの春までの1年半の間に、どこかからやってきたらしい。

  あたりを見回すと、この日本茜はあちこちに生えていて、いくつかの群落をなしています。茎に鉤づめみたいなものがあって、その爪で、周辺の雑草を抑えて生長するのだそうです。だから、周りの草はある程度必要みたい。すっかりは刈らずに、適度に残して日が当たるようにしておきました。シカが食べるそうなので、群落の周りに竹の先っぽの枝を置いておきました。こうすれば、シカは危険を察知して近寄らないでいてくれるかも。

   ずっと以前のことですが、京都で、茜ばかりを染めている染色家にお会いしたことがあります。彼女の話では、日本茜の根っこは、西洋茜やインド茜は、およそ10分の1の太さだそう。だから、染めるときの量は10倍必要ということになる、とか。そういうこともあってなのか、いま染料店で売っている茜は西洋茜かインド茜がほとんどのはず。日本茜で染めている染色家はかなり少ないだろうと思います。

   これが日本茜の根。ほんのり茜色です。

   こちらに来た頃、地元の方に教えてもらって、家からほど近い城ケ山のふもとまで採取に行ったことがあります。掘った根を洗い、数日乾かしてから煮だしたように記憶しています。取れた染料はわずかでしたが、ちゃんと赤い色が出ました。

   いまある群落を大事にしてそだててやれば、いつか自宅で採取した茜の染めができるかもしれません。そうおもうと、わくわくします。一見、ただの草地に過ぎない場所ですが、消えた植物もあれば生まれた植物もあり、いろいろ起きているのだなということを改めて感じました。こういうの、しみじみたのしい。

   

 

 

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あした、とよしばで開かれるやさしいマルシェに出店します。

2021-04-24 23:14:52 | アンティマキの焼き菓子とパン

   あした、25日、豊田市駅前の広場・とよしばにて開催される「やさしいマルシェ」に出店します。

   10月の終わり、この場所で開かれたいなかとまちの文化祭以来、少し大きめのマルシェにでるのは、半年ぶり。

    久々なので作りました! 黒ビールケーキです。今回は、ギネスビールを使用。ドライフルーツとナッツのたっぷり入った贅沢なケーキです。写真は8年前のもの。フェイスブックのタイムラインに流れてきたので、流用しました。

   スコーンは2種類。黒砂糖とナッツ入りに、甘夏ピール入りです。

   パンは、ピンクペッパーがアクセントのパラダイス酵母のシンプルなパンと、全くこねずに作ったコーンミール入りのパンをお持ちします。

   バター卵入りのシリアルクッキーは4種類。ブルーチーズクッキーとニンジン入り雑穀バー、タマネギクラッカーも持っていきます。

   外はだいぶ暖かくなりましたが、家の中はあいかわらず肌寒くて、朝と夜はストーブをつけたくなります。あしたは平年並みの気温らしいのですが、朝はやっぱり少し冷えそう。このところ、平地に行くとき、何を着て行こうか悩みます。明日も道中、花を愛でながら走れそう。お天気もよさそうです。鬱々することの多い毎日ですが、気分転換に、ちょっと覗いてください。昨年秋のとよしばでのマルシェで一緒に出店した、設楽町の山百合荘直売所の平貝名古屋コーチンの卵を使ったプリンと生シイタケ、今回も登場します。

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稲武地区の押山登山と子持ち桂見学

2021-04-16 22:21:00 | 小さな旅

  2か月ぶりの山歩き。今回は、地元の稲武地区選びました。まず家から数分の距離にある、押山にのぼりました。

   山歩きは、春になって初めて。このひとつきほど、あたりは花が一時に満開になったのですが、山も同じ。とくにスミレがあちこちで可憐な姿を見せていました。

   押山を選んだのは、山頂にある大きなヤマザクラが多分今満開だろうと思ったから。でも、違いました。このところの寒さで縮こまってしまったのか、だいぶ開花が遅れています。

    でも、ミツバアケビは満開。

   あたりの山々の桜や新緑も見られました。前に訪れたときは冬だったので、景色が全然違う。すがすがしい。

   戦国時代砦の合った山頂はさほど広くはないのですが、大正のころまで神社があり、祭事の折は屋台が出てにぎわっていたとか。

   クロモジの苗を見つけました。こんな小さいのに葉っぱがいっぱい。昨年もらって移植したうちクロモジは育ってはいますが、葉っぱは全くでいません。大丈夫かしら。

   こちらもスミレ。細い葉が特徴だそうです。

   はやばやとマムシグサの花?が咲いていました。

   モミジイチゴの花もきれい。

   わらびも早い。押山に至る道は私道。だから、勝手にとってはいけないので、横目で眺めただけでした。

   よく見かける雑草だとおもうのですが、うちにはない。

   群落になると、かわいい。グランドカバーに、こういう雑草ふさわしいとおもう。

   黄色い小さな花も。

    こちらはよくあるスミレ?

    押山をおりたあと、フェアトレードカフェ風の庭に。いろりに火を熾してくれていました。

   お菓子に添えられた花は八重桜。風の庭を出て、子持ち桂のある場所へ。大野瀬町のまいにちブルーベリーのすぐそばが駐車場です。   

    スミレの群落。この日は、たくさん見ました。

    初めてみたカヤラン。木の枝などに寄生しているように見えて、実は寄生ではなく下の足のような根っこ?で絡まって生きている植物だそう。

   写真がぼけていますが、こうやって生きています。おもしろい。

   小さな薄青い花が、ヤマルリソウ。いかにもふさわしい名前です。

    子持ち桂の新緑。細かい葉っぱが美しい。

  何本もある木の中央は、枯れているものが数本。どんどん外に新しい木が生まれているようなので、いまよりさらに外径は広くなるのでしょう。

   今日見た二つ目の黄色い花。

   かんざしのように枝から垂れているのは花?

  子持ち桂のある場所から上に上がると舗装された林道があり、道なりに下がっていくと駐車場に出るのですが、途中から、道と崖の間に板が敷かれているのを発見。細い溝のふたになっているのかしら。こんなのはじめてみました。

    一重のヤマブキ。こちらに移住してから初めて一重のヤマブキを見ました。こちらが野生種で、八重は栽培種。太田道灌の歌は八重ヤマブキをうたったものなので、あの時代から栽培種があったということなのでしょうか。

    道端で見つけたのは、アケビとミツバアケビ。いまが花のさかりです。ミツバアケビの花は濃い紫色です。初めてみたかも。白いのと少し色がついているアケビも。うちにあるのとはまた少し色が違うようです。アジサイ同様、土によって色が違うのかもしれません。

    駐車場近くには、二リンソウの群生があり、昨年訪れたときは満開でした。きのうは半分くらい咲きかけたところ。

    このところ、膝がときどき痛くなり、階段を上がるたびにちょっと違和感を覚えていたのですが、昨夜から、気が付いたらそれがなくなりました。やはりわたしは決定的に運動不足。歩いて楽しめる場所がすぐちかくにあるのだから、もっともっと頻繁に歩くことにしたいと、改めて思った一日でした。

 

 

 

 

 

    

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今年の醤油を仕込みました。

2021-04-14 10:41:46 | 手作りのたべもの

  4月の初め、今年の醤油を仕込みました。

  2015年から始めた自家製醬油。今年で6回目になります。二年前から、醤油麹の仕入れ先がかわり、岐阜県美濃加茂市の浅野やさんへ直接取りに行きます。年に一度の小旅行を兼ねて、醤油作りメンバーと一緒に今年も浅野やさんに行ってきました。

   昼食は、可児市の大豊軒白雲へ。中華風のオーガニック料理が売りのお店です。酵母も重曹もつかわずに膨らませた老麵の添えられたメインディッシュにスープがつき、デザートは別に注文。このデザートがおいしかった。グラスに入っているのは、枇杷の仁で作った杏仁豆腐風。お皿の上のケーキ?は、ヌガーのような独特の食感を持つ甘いお菓子。中国風のお菓子なのでしょう。料理もデザートも、どれも量はけっこう少なめです。

   店内は中国や日本の古道具があちこちに配され、清朝を舞台にした中国ドラマで見た岡持ちみたいなのもありました。

   陶枕も初めてみました。

   この店から20分ほどで美濃加茂市の浅野やさんに到着。注文していた醤油麹30キロ強を受け取り、帰路につきました。

   帰宅後すぐに、分量の塩と麹を混ぜ合わせます。しっかり麹をほぐし、塩をまんべんなく麹にまとわりつかせます。塩は、生活クラブで購入した真塩。数年使っていたオーストラリアの湖の塩は塩化ナトリウムの含有量が多くて、塩気が強いので、今年は変えてみました。

    手がだんだんすべすべになってきます。

    よく混ざったところで、醤油の室に移動。醤油樽に塩と麹を入れては、水を注ぎ、少しずつ混ぜていきます。水は、大井平公園近くの氷瀑のある場所の山の水を使いました。

    いつもは、樽を2か月ほど納屋の中に入れておき、梅雨明け前後に外の室に移動するのですが、納屋に置いている間にカビが発生することがたびたび。通気性が悪いせいだとおもわれるので、今年は、最初から室におき、日光の当たらないよう、室まわりを黒い防草シートで囲むことにしました。

   ひとまず作った木枠にシートを貼り、樽にかぶせました。やってみてわかったのは、これでは通気性が確保できなさそう。

   ということで、数日後、三方の室の壁と天井部分にシートを張り直しました。

   初のこの試み、うまくいくかしら。

   ともあれ、今年の醤油作りも、無事出発できました。

 

 

 

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暮らしの学校で染め講座を開きました。

2021-04-08 21:22:31 | 草木染め

   しばらくぶりの、暮らしの学校での染め講座。

   染め材料は、先月末どんぐり工房で使ったのと同じ、ビワの乾燥葉を選びました。

    カリカリに乾いた葉っぱを煮だします。鍋には、ソーダ灰も投入。アルカリ水にして煮だすと、赤い色が簡単に引き出されるのです。

    煮だして漉した後は空気に触れさせて酸化。高いところからひしゃくで液を落としてやると、次第に泡がピンクに変化します。「桜の花のソフトクリーム」とでも名付けたくなるおいしそうなやわらかい色。

   模様付けをして水に泳がせた後、この液に一斉に入れます。

   媒染はアルミ溶液で。元の色が一番美しく保たれる媒染液です。

    できあがりました。今回は木綿と麻など植物素材ばかり染めました。それでも、織り方や布の厚さによって、みんな色が違います。

    きょうも美しい色が生まれて、満足。

    暮らしの学校の次回の染め講座は、7月19日。インド藍で夏らしい青を染めます。

    なお、暮らしの学校の不定期の染め講座では、これまで下処理を済ませた布しか染められませんでしたが、今後は、下処理もこの講座で行えるよう、調整することにしました。お手持ちの気に入りのシャツやスカーフなどをお持ちいただいて染めることが可能になるので、楽しみにお待ちください。

 

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