アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

名倉の碁盤石山にのぼりました。

2019-08-30 16:03:14 | 小さな旅
   8月もあしたで終わり。ずっと暑くてしんどかったはずなのに、終わってしまうと思うと、何だかさびしい。

さて、8月の初旬に友人たちと歩いた、名倉の碁盤石山。上りも下りも、まあまあ楽なコースで、楽しく歩けました。一月近くたちましたが、報告します。

   この山は、面の木とつながっている森で、林道をしばらく走ると数台置ける駐車場があります。そこで車を降り、低い笹をかき分けながらしばらく行くと、天然のブナ林が見えてきます。

   写真、中央のブナが「おかあさん」だそう。この木がもとになって、周辺の木々が生まれたのだそうです。同行した木の専門家の友人が教えてくれました。

   こういう木があちこちにあって、そのまわりにブナ林がちらほら。母木が縦横に伸びているのは、彼女?が育った時には、周りに遮るものが何もなかったから。子供たちは兄弟が多いため勝手な生長はできなくて、日差しを求めて上に伸びるしかなかった、ということなのだそうです。

   上る途中、ところどころにある巨石が目立ちます。巨石の中から生えたように育った木。

   よく見ると、石の向こう側から生えていました。

   中腹から見た設楽新城方面。「富士見岩」というのもあったのですが、写真を撮りそびれました。もちろん、富士山は見えず。

   碁盤石山の由来となった場所(らしい)。名前の由来には諸説あるらしいのですが、一説には、天狗がだれかと(天狗同士?)碁をさしていてケンカになり、怒って碁盤をひっくり返し、そのひっくり返された碁盤が、この山だといわれているそう。で、散らばった碁石がこの山全体に散在する巨石だとか。とくに頂上に至るちょうど真ん中あたりにある公園となっている場所には、巨石が多い。

   どうやらこちらも、山伏の修行場所だったらしい。稲武の城ケ山にも山伏の行者にまつわる跡があります。全国の山々、どこも山伏の修行場所だったのかしら。多いなあ。

   蓮華つつじ。草ではなくて木だそう。毒性植物だとのことです。

   シカが皮をはいだ跡。赤くなっているのは、人間が薬でもぬって修復させたのかと思いましたが、そうではなくて自然治癒の跡だそう。かさぶたみたいなものかな。

   登山口から時折見かけた馬酔木。このあたり、馬酔木ばかりの森になっていました。馬酔木は成長が遅くてちょっとしたした木でも樹齢100年200年は経っているそうです。その木々が奇妙な形に枝を伸ばしてゆく手に続いています。葉が生い茂っているわけではないのに、暗くて何か出てきそう。童話に出てくる魔女の館に至る道みたい。ちなみに馬酔木は文字通り毒のある木なので、そう思うと一層、気味が悪くなります。でも、3月の、馬酔木の花の咲くころに来たら、ずいぶん美しいだろうなと思います。

   馬酔木の小道を抜けたところにあった大木の馬酔木。木の根元には、ベラドンナ~トリカブトが繁茂していました。毒+毒。まだ花は咲いていませんでしたが、こちらも紫色の美しい花が咲くので、いつかその時期に見てみたい。

   頂上は特に眺めがいいわけではなく、ちょっとだけ休んで同じ道を戻りました。行きに見そびれた巨石。これは碁石っぽいといえなくもありません。

   青い実のかわいい木。名前を教えてもらったのに、すっかり忘れました。

   ゆっくり歩いて休みもたっぷりとって、ほぼ往復2時間ちょっと。設楽町の作った地図には、「家族向けのらくらくハイキングコース」だったかの言葉が記されている山。ほんとに気軽に行けました。といっても、娘ほどの年齢差のある友人たちの脚についていくのは、結構大変でしたが。

   標高700m近くの名倉でもかなり暑い日でしたが、山の中は長袖を着ていても暑すぎることなく、さわやかな風を感じることができました。でも、下山して、昼食のため立ち寄った稲武のヒトトキの駐車場に降り立った途端、蒸し暑さにげんなり。

   久々のヒトトキのご飯は、ゴマ味噌の冷や汁がメインの献立でした。安心して食べられるお店が、こんな山里にあることがありがたい。食後のデザートにはコーヒーフロートを選びました。添えられたストローは本物の麦わら。固くてしっかりしていました。
 
   歩くことにも登山にも縁のなかった私ですが、昨年から時たま、気の合った人たちとの自然観察を兼ねた山歩きを続けていて、結構楽しみになっています。次回は松平の六所山へ。碁盤石山よりかなり行程が長いそうなので、ついていけるかいささか心配。今回同様、次回も、五本指の靴~ビブラム・ファイブフィンガーズにお世話になるつもりです。

   
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どんぐり工房きさくに草木染めの会、8月の会が終わりました。

2019-08-11 15:16:54 | 草木染め
    昨日8月10日、どんぐり工房の定例の染め講習会が開かれました。

    7月と8月は、ほぼ毎年インド藍の染めの会を実施。でも、今年の7月は台風接近のため、中止となり、8月だけの会となりました。

    本藍とちがって、マメ科の植物から採るインド藍から生まれる色は、ブルー。夏の空のようなきれいな青です。

     液に入れる時間や順番を意識して染めかえた麻糸いろいろ。

     普段の草木染めより何倍も濃淡が明瞭に出るので、模様をつける甲斐があります。

      簡単そうに見えて実は難しいまだら染め。今回はうまく行きました。     

      こちらはのれん。グラデーションの効いた涼し気なものができました。右の内側に小さな蛍のような水玉がポイントです。

     インド藍の染め液の他に、常連の参加者が持ってきてくださったキハダの皮も煮だして液を作りました。その黄色い液につけた布や糸を藍に入れると緑色に。写真中央の右側二つのエコバッグはキハダ染め+インド藍。

      こちらは、今回が四回目の参加となる手芸好きの女性が、ご自身で染めたり、こちらで染めたりした糸で編んだモチーフと、折ったスカーフ。いずれもすべてリネンやラミー。色合いが優しくて、うっとりします。

      さて、アンティマキのインド藍染めの会は、来来週火曜日20日にも開きます。場所はヘルシーメイト岡崎店のキッチン内で。まだ空席がありますので、今年最後の藍染めを楽しみに、ぜひいらしてください。お手持ちのブラウスやTシャツの持ち込みもどうぞ。

      どんぐり工房の草木染め、秋は下記の通り少し変則的な日程となります。
       9月29日(日曜日)・・ノウゼンカズラまたは葛・たかきび
       10月19日(土曜日)・・秋のヨモギとなにか
       11月23日(土曜日・祝日)・・アベマキのカクトでウール染め

     染め材料は変更の可能性もあります。くわしくは、アンティマキまたはどんぐり工房にお問い合わせください。
   
    
     
    


    

     
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Canadeの個展、足助マンリン書店蔵の中ギャラリーにて開催中

2019-08-11 11:58:28 | 稲武のモノ・コト・ヒト・バ
   
  豊田市足助地区にあるマンリン書店の蔵の中ギャラリーで、今月25日まで、稲武在住の鍛金職人、奥田邦宏さんの作る銅製品の個展が開かれています。先日、久々に足助の古い街並みを歩いて、ギャラリーを訪れました。

  奥田さんは、稲武の石窯で遊ぶ会をわたしと一緒に開いている清美さんのご夫君。清美さんがつくる灰汁を凝固剤にしたこんにゃくは、毎冬楽しみにしている食材の一つなのですが、そのこんにゃく作りの際に使う銅鍋の色のすばらしさに、前から惹かれていました。

   この大鍋で、清美さんはたけのこをゆで、あんこを作り、てんぷらも揚げるそう。彼女の一家にとって、なくてはならない道具のようです。

   ギャラリーに入ってまず目に飛びこむのは、二つのやかん。輝いています。工房のショップカードによると、この輝きはいずれ「時間とともに風合いを増し、経年変化」するのですが、「磨けば新品のような輝きを取り戻す」こともできるそうです。 

     鍋類はミルクパンを始め、いろいろの形と大きさがあります。

    奥田さんは古くから伝えられている「鍛造・絞り(当て金という鉄の道具に胴を当て金槌で打ち鍛えていく)という技法で整形」。
 
     一つ一つ道具を見ていると、職人の手の動きの細やかさや大胆さが迫ってくるように感じます。工房名はkanade。「金手」の意味だそうですが、「奏で」にも通じると、清美さんから聞いた気がしますが、納得できる命名です。

     髪飾りやボタン、スプーンもいい。

     kanadeのコンセプトは、「できるだけシンプルで丈夫な、用と美を兼ね備えたモノづくり」。「暮らしに馴染んでいく日々の道具でありたい」と願っているそうです。

     こちらは卵焼き器。「熱伝導が良く、鍋の熱ムラが少なく調理できる」銅製品は、とりわけ、卵焼き器とジャムやあんこづくりに最適と言われています。
 
      経年変化して複雑な色あいになった深鉢。この鉢にアンティマキの焼き菓子を山盛りにしたい。焼き菓子のグレードがぐんと上がりそうです。

      この銅りんご、好きです。無農薬無肥料で育てた「奇跡のリンゴ」といわれる木村秋則さんのリンゴは、腐らずに枯れたようになるだけ、ときいています。この銅リンゴの色は、もしかしたらそのときのリンゴの色と同じかな。

      イベントに出店すると結構人気だという椅子2脚。古くてしっかりした棚においたら、似合いそう。

      ヨーロッパの昔の農家の台所の映像や写真には、必ずと言っていいほど暖炉やストーブの隣に、きれいに磨かれた銅鍋がいくつもぶら下がっています。ターシャ・チューダーの台所の写真でも見つけました。あこがれの台所の立役者がこの鍋。ぼんやりといいなあと思っていた欲望が、めざめてしまった展示会でした。

      http://kanade-note.com インスタグラムkanade_copper
      マンリン書店 8/10~15 たんころりんの夕涼み期間中の営業時間:10時~正午/16         時~21時  定休日:木曜 不定休:水曜 ※夏季休業:8/16, 17, 18

     江戸時代からそのまま使われている石畳みの小道をたどって、ひんやりした蔵の中ギャラリーにぜひお出かけください。
    

      
         
  
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