50種近い草が自生する場所で草を摘んで、近くにある豊田市の施設ハウスポニーの大きな石窯でナンを焼き、竈で草のたっぷり入ったカレーを作っていただきます。
その辺でよく見かける草が、意外においしくてしかも薬効があり、美容にもよくて、ときには防災食として役に立つ。面白い発見がたくさんできると思います。どっぷりと草と親しむ一日を、ご一緒に過ごしませんか?
*場所:ハウスポニー&個人宅庭
*参加費:5300円(施設料込み)
*お申し込み・お問い合わせ:email/auntie@cb.wakwak.com
この冬は雪が多くなりそうと言われていましたが、昨年12月に何度が数センチ積もった後は、年が明けてからは1,2回、雪で遠出が怖くてやめたことがあるくらい。たいした寒さにはならずに、春を迎えることになりそうです。水仙は芽を出し、梅も膨らみました。
しかし、今年の冬は、これまでにないほど害獣の出没がはげしく、特に日本シカと日本カモシカは、私の家の敷地内をかなり自由に歩き回っていて、食糧庫にしているらしいことが判明。
お茶です。今年は寒茶を作ろうと楽しみにしていましたが、ほとんどのお茶の木は食い荒らされているので、断念しました。
ナンテンの被害はひどい。平地だと鳥の害がひどくて実はほとんど食べられると聞きますが、うちは、実はもちろんのこと、葉も茎もこんなありさまです。
左端は全部ナンテンの木。葉っぱ一枚ありません。この細い坂を「南天街道」と呼んでいましたが、今は何の木かわからないほど。
アジサイも。わずかに葉芽や花芽がついているようですが、ほとんどの先端は食われています。誰かが切ったみたいに見えるほど。
手前は山茶花です。固い常緑樹はとくに好物のようです。彼らの届くところはすべてなにもなし。大きく育っているところは無事。
キンモクセイです。シカはキンモクセイがきらい、ときいて安心していましたが、そうはいかなかった。シカが食べなくてもカモシカが食べるらしい。
一番落胆したのがこちら。枇杷の木です。昨年夏ころ、近隣の知人からもらい、順調に育っていたのに、下の部分はすべて食われました。シカはおなかが柔らかいから枝のとがったもので囲っておくといいと聞きましたが、効果はありませんでした。これも、シカでなくて、カモシカの仕業かもしれません。
これまでも、シカやカモシカによって食われることはありましたが、今年ほどひどい年はありませんでした。この先、何を植えても途中で絶えてしまいそう。夏の、食糧が山にある間に、どんどん伸びて彼らの口の届かないところまで育つことを願うしかないようです。頑丈な囲いや網で覆わない限り。
昨年末頃、家の建物の南側の掃き出し窓から室内を覗いていたカモシカ。子供のようです。建物の東側に回り、何度も振り返りながら細い道を上り、途中から柵を越えて、多分崖下の川を越えて裏山に回ったと思われます。
2,3日後、同じく家の南側の石垣に立っていたカモシカ。たぶん同じやつだと思います。
ふさふさの毛。とぼけた顔。憎めません。
さらに数日後、家の北側のがけ下の向こう側、林の中の空き地で休んでいるカモシカを発見。大人のようです。のんびり日向ぼっこらしい。
日本シカは、敷地内では見ていませんが、いたるところに糞が落ちています。いったい何頭が我が物顔に往来しているのかわかりませんが、昨年までよりぐんと頭数が増えたか、来る回数が増えたかしていると思います。彼らの目の届かないと思われる場所を選んで、今年も、わずかでも、野菜苗を植えることはしたいと思います。草に負けず、害獣に気付かれず、無事に育つかどうか、はなはだ心もとない限りですが。
昨年春の草の会に引き続き、秋の草の会を11月の初旬に開きました。パンデミック以来まる2年のブランクがあっての再開。草の数は春よりさらに増えて、アンティンマキの草の庭の雑草は50種類近くになりました。
会に先立って、10月のおわりころ、講師の前田純さんと友人たちの手でうっそうとした草地をきれいに除草。その後、ずいぶん寒くなったので、はたして会にまにあうよう、うまく草が生い茂ってくれるか心配でした。でも、前田さんの言う通り「大丈夫!」でした。彼が枯れたように見える草地から次々に草を採取し、ならべてくれました。
20年たっても実のつかない三本のイチョウの黄葉が美しい。
春の会の折には発見されなかった大事な草、メナモミ。前からほしいと思っていた雑草です。このメナモミが、今回は3か所ほどで大きくなっているのを知りました。うちの地所の崖の上、よその土地なのですが、そこにたくさん生えているのを前田さんが見つけました。一昨年杉の木を何本も伐採したため明るくなって、上の田んぼ周辺の植物がうちの地所にまで広がってきたらしい。
メナモミは効能の多い植物だそうで、この会の折は、葉っぱはほ枯れ、実が落ちんばかりになっていました。春が楽しみ。
数本ずつ縛った草は、カヤツリグサ。炭水化物を含んでいる草なのだそうで、スープに入れてみることにしました。おいしくはなさそう。半分は、たわし代わりに使います。
名前を忘れましたが、立派な菜っ葉みたいな草も。
参加二回目の親子。草摘みは大人も子供も楽しい。
実生であちこちに生えているお茶。山の人達は、枝のまま採ってきて焚火にかざしてあぶり、お湯の中に入れて煮だしてお茶にする、と聞いたのでやってみることに。
10種類ほどの食べられる草が並びました。
野菊の花束。可憐です。食べられます。
ハウスポニーに移動して、石窯で草ピザ、かまどで草スープの準備に入ります。
ピザのトッピングは、チリメンジャコとレンコンが主。あとは好みで好きなだけ草を。
炙り茶はうまくいかず、結局フライパンで葉っぱを炒って煮だしました。
お昼は、焼き立てのピザとニンニクたっぷりの草スープ。
お茶ができました。うっすらですが、ちゃんとお茶の味がしますが、青臭さや渋さはありません。いけます。
災害時や野菜がないときのビタミン補給となる雑草、民間薬としてお茶やエキスにして使える雑草を知りたくて始めたこの会、もう5年ほどになります。なかなか名前を覚えられませんが、草に対する愛着と関心は増しています。農地としてではなく、また完全な放棄地でもなく、人の手がたまに入り、人がときどき集う草地として、だんだん落ち着きのある場所にかわってきました。当初、厄介に思っていたカナムグラはかなり姿を消し、葦やネコジャラシなどの禾本科植物も減ってきました。代わりに柔らかい草も顔を見せるようになり、色々見つけるのが楽しみになりました。
でも、よそには困るほどあるというスベリヒユがない! べなばなボロギクも消えました。今年は草の移植や播種も試みたいことです。そして、そろそろピザだけでなく、以前のように、雑草料理や雑草焼き菓子の講習も再開したいと思います。春の部は、5月から6月にかけて開催の予定です。お問い合わせは、アンティマキの問い合わせメールからどうぞ。
2年半ぶりに、草を採り草を食べ草の話を聞く会を開きました。場所はアンティマキの草の庭。
講師はいつもの雑草料理研究家の前田純さん。この時期、お天気が心配でしたが、上天気にめぐまれ、しかも暑くはなく、さわやかな風の吹く気持ちのいい日となりました。
先月末、前田さんが下見をした時に数えた雑草の数は、49種類。5年ほど前、この会を始めたときは20数種しかなかったのに、どんどん数が増え、2年半前、パンデミックの直前の年の秋には40種類ほどになりました。それが何と49種。
増えたのには、はっきりした理由があります。敷地内の東隅の隣地に生えていた7,8本の杉の木を皆伐したからです。突然明るくなり、日が差すようになりました。
増えた草の中には、毒草もあります。こちらは先年まではなかったカラスビシャク。三つ葉に似ているので要注意です。春先にマムシグサのミニチュアみたいな形の気味の悪い奴が生えているなと思っていましたが、それがカラスビシャクの花でした。花は、いかにも「毒ですよ~」と全身でアピールしている感じなのですが、葉っぱはのぺ~としていて、あまりに普通。気をつけよう。
こちらは前からある、ムラサキケマン。ハーブのチャービルみたいな涼し気な葉っぱで花もかわいいのですが、これも毒草。ほかに、洋酒ヤマゴボウもあったそうですが、刈ってしまいました。
昨年だったか、前田さんが見つけてくださった二ホン茜。写真中央の十字に葉が付き、蔓になって伸びている草です。どこにでも昔はあったと思うのですが、今はほぼ見つからない草。古代の衣装の赤い色はこの茜の根で染めていました。いまは、二ホン茜の10倍も根の太いインド茜や西洋茜が主流となっていて、二ホン茜だけで染色する方はごくまれだと思います。
スミレを見つけようとして果たせず、かわりに見つけたのが自然薯。当然ですが、むかごから茎が伸び葉っぱが出ている! 地上部はしばしば見かけますが、全貌は初めて。
子供たちは草遊び。
ヤエムグラです。ひっつくので、アクセサリーに。
草だらけの場所が、食べられる草や薬になる草、遊べる草を発見することで、とたんに輝いて見えてきます。セリや三つ葉、カキドオシ、ミョウガなど、山とある植物を、みなさんにお持ち帰りいただきました。数年前まで持て余していた草が前田さんに来ていただくようになってから、だいじな草の庭となりました。
採取後は、ハウスポニーに移動。草ピザの用意を始めます。こちら右はカキドオシ、左は赤ツメグサ。
下右からギシギシかしら。真ん中は、山ウド、左はセイタカアワダチソウ。上左はよく見えませんが隣は破竹、右端はヒメジオンかな。
草は陰性が強いものが多いので、ピザの具には、ゴボウのささがきとチリメンジャコを加えました。
草一杯のピザの出来上がり。
下の写真のピザは、相当たくさんの草を入れたそうですが、十分おいしく食べられたそう。
いつものようにかまどでスープを作りました。
いつもと違うのは、草も出しにしていること。この日は、赤ツメグサを入れました。マメ科の植物はいい出しが出るのだそうです。
草入りピザは、パクパク食べる子、草だけよける子、草だけ食べる子などなど反応はいろいろ。スープは全員召し上がってもらえました。
先月の石窯の会の時よりさらに緑が濃くなっています。
こちらは、前田さんが持ってこられた葛の芯で作ったわらじ。稲のわらじより白くてすべすべしています。葛布を織るために繊維をとったそのあとの芯だけで作るのだそうです。葛なんていまは、その辺にわんさか生えている邪魔者なのに、昔は大事な植物だったということがひしひし伝わる工芸品です。芯まで使っていたとは知りませんでした。
カラムシの乾燥した茎。自然に繊維がとれそうです。でも長くないから紡ぐのは大変そう。
今ではカラムシの布は貴重品ですが、木綿が一般化するまでは庶民の衣類の材料として活用されていました。うちにも、結構生えています。一見、エゴマと似ているなと思っていたら、韓国では食べるそう。
この日のために用意した草クッキー2種。こtらは、桑の葉とセイタカアワダチソウ入りのバタークッキーです。
もう1種類は、塩気を強めにしたクラッカー。赤ツメグサやハルジオン、セリ、ミツバなど数種の草を入れました。2種の草入り焼き菓子は、お土産としてお渡ししました。
久しぶりに開いた草の会。今回は若いおかあさんたちと小さな子供たちの参加が多く、にぎやかな会となりました。近い将来、気候変動による食糧危機が必ずやってくるといわれています。身近な雑草が食べ物にも栄養補助食品にも薬にもなることを知るのは、とても大事なことと思います。楽しくて有意義な草の会、この秋も開きます。
昨年に比べたら、今年は春が来るのが遅いのですが、それでも、梅はもう満開。こちらに引っ越した18年前に比べたら、まだ早いほう。
さて、私の草だらけの庭は、ただいまこんな様子です。
だいぶほほけてきました。今年は、隣地との境の崖で、いくつかフキノトウを発見。近くの道の駅で購入したものとあわせて、何度か食しました。毎春、一度は食べたくなる食材です。
うちで最初に咲く水仙。この八重の水仙ばかり増えています。
やせ地でも数年頑張って生き延び、この2,3年前からやっと花が咲くようになりました。今年は花の数が多い。ドライフラワーができるというので、ただいま干しています。
春先、寒冷地の山里の住人なら誰しも、無事、庭や畑の植物が冬を越してくれたかどうかとても気になることとおもいます。ほぼほったらかしの状態にしている私は、なおのこと、心配です。写真はたぶん、ハナズオウ。寒さだけでなく獣害に会いつつも生き延びた植物のひとつ。まだ小さいけれど、地に下ろして2年は経っているので、もう安心してもいいのかしら。
こちらは昨年もらったビヨウヤナギ。何とか生きているようですが、草に負けそう。少しは手を入れてやらねば。
シカに食べられたワサビ。半月ほど前は、右の小さい株だけ食われていたのに、今日見たら大きい株の葉も食い荒らされていました。以前は大事にして竹の枝で囲ったりしていましたが、特に荒らされることはなかったので、シカはワサビ嫌いなんだろうと高をくくってこの頃は何にも防備していませんでした。そうしたらこの始末。
すぐそばにあるこちらの株は健在。
やられるのは時間の問題みたいなので、周りに竹の枝をおきました。シカは腹が柔らかいので、傷つくことを恐れ、細い枝や棘のある枝を越えてまで食べようとはしない、と聞いたので気が付いたときに、こうして防備しています。
すっかり食べられているナンテン。実だけでなく葉っぱも若芽もありません。
稲武の野原はまだまだ冬景色。ほんのちょっとずつ緑の色が添えられてはじめたばかりです。今のうちに、蔓草や禾本科の枯草、野茨の新しい枝など刈っておくと後が楽なのですが、さあ、できるかしら。
今朝は久しぶりに雪が積もりました。今月半ばに初雪は降りうっすら積もりはしましたが、積雪というほどではありませんでした。ここ数年、雪があまり積もらなくなっていたので、一面真っ白の雪景色は、2,3年ぶりかもしれません。
雪の朝の楽しみは、獣の足跡を見てまわること。上の写真は自宅前の道です。数匹ともに左側(右側?)通行しています。
行ったり来たり。
右上の青いのは、ポストの下。左からやってきてポストまで行ってから右へ。ヤギさん郵便?
引きずったような足跡。なぜかUターンしています。
反対側からみると、こう。
色の変わっているところは道。一緒にやってきてうちの敷地に入ってから二手に分かれた?
前方は桶など道具類がおいてるところ。そこからやってきた小さな足跡は、たぶんネズミです。ネズミと交差しているのは、ネコかタヌキか。
くっきり。なぜか左の薪の入っている物置が気になったらしい。
下の森に至る道から来た動物。物色したのち、自分の足跡の上を辿って行ったのかしら。
こちらも、下の森のほうからやってきて、薪のそばにちょっと寄っていきました。
5センチ以上は積もったようですが、今は快晴。気温は低めなので、しばらく溶けそうもありません。
私宅敷地内でこれまで見た動物は、ハクビシン、タヌキ、サル、日本カモシカ、野ネズミ、野ウサギ、キツネ、テン(らしい)。姿を見たことはないのですが、運動の痕や食痕、糞を見たことがあるのは、日本ジカ、イノシシ。他に飼い猫も出入りしています。これらの動物のだれかが、毎夜家まわりを徘徊しているのかと思うと、困ったことだと思う反面、ほほえましい気持ちにもなる、雪の朝でした。
敷地内には、大きな栗の木が3,4本あります。そのうち1本は、川岸に生えた実生の木。実は川に落ち、ほとんど拾えません。残り3本のうち1本は、あまり元気がなく、実はめったにならないみたい。あとの2本が、うちの食糧となるはずの栗なのですが、動物との競争にいつも負けていて、落ちた栗全部をものにすることはずっと前からあきらめています。
昨年は、これまではじめてのことなのですが、栗の実自体がほとんどなりませんでした。空っぽのイガすら見かけないほど。栗の木が衰えたとしても、3本同時に衰えるのはおかしい。気候のせいかどうかわからないけれど、異常な事態となったなとおもっていました。
だから、今年は、樹上に無数の実がなっているのを8月ころから見かけるようになり、ほっとしていました。
でも、この月の終わりころ、まだ未熟の栗がどんどん落ちはじめました。樹上にたわわに実っていた栗が、雨や風で未熟のまま落ちているのを見るのは悲しい。
それで、なんとなく今年は栗拾いはできないと思い込んでしまって、まめに様子を見に行くことをやめていました。
1週間ほど前、それでもと思って見に行くと、未熟の栗に交じって、中身が空のイガが落ちているので、いちおう熟した栗もあるんだなとわかりました。でも、猪の食べ散らかした様子はありません。彼らはイガから栗の実を取り出した上に、器用に鬼皮までむいて食べるのです。だから、彼らがやってきたかどうかは一目瞭然。鬼皮が散乱しているのです。それが今年はない。
だからなのかどうかわかりませんが、イガのすぐそばに実が結構落ちていて、人間の分も十分拾えます。食べたのは、猪以外の猿かうさぎかリスが野ネズミ。鹿も食べるのかしら。
今年は、山に栗やどんぐりが少ないので、早くもクマが里に下りてきていると聞いています。稲武では、今週月曜日に設楽に近い集落の中当町で、水曜日に稲武町で目撃されました。
いつ、うちの敷地内に現れないとも限らないので、食べるためというだけでなく彼らの餌としての栗を放置しておくのは怖いことです。
それで、先週以来、ほぼ毎日拾うことにしました。
敷地内ではありませんが、裏山に1本山栗の木があり、いつもうちの敷地の隣(公道)にけっこうな量の実が落ちます。でも、わたしたちが見るのはいつもイガだけ。中身はたぶん小さな動物がいち早く持っていってしまうようなのです。
ところが今年は誰かが持っていってはいるようですが、食べられる実もたくさん落ちています。こんなに山栗がひろえたのははじめてです。写真の上が山栗。小さめで食べるのが面倒ですが、味はとてもいい。
私たちと隣家の住人がたまに使うくらいの道なのに、一昨年だったかなぜか舗装され、きれいになったせいで、近づきがたくなったのかもしれません。でも、草地に落ちている実もそのまま。動物の間で、何か異変が起きたのかもしれません。
ともあれ、自分の家の栗なのに、動物に横取りされるのが当たり前のような気になっていましたが、今年は、あえて競わなくても、十分な栗が手に入る嬉しい秋となりました。