アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

ウール染め

2011-02-08 10:04:38 | 草木染め
 まだまだらに雪は残っていますが、よく晴れた青空の見える日、色のあせたセーターとカーデガン、ユニクロで安売りしていたセーターを草木染めしました。

たいていの草木のもつ色の成分は、タンパク質と結びつきやすいので、動物性の素材である絹やウールは、前処理なしで楽に染まります。

  ただし、ウールは、いきなり冷たい水の中に入れたり、反対に熱い湯の中に入れたりするとフェルトになってしまうので、徐々に温度を上げたり下げたりして染める必要があります。その手順だけ踏めば、けっこう気楽にいい染めができます。

  染め材料は、クルミの果皮とカリヤス。どちらも乾燥したものを水に入れ、あらかじめ煮出して漉しておきます。染め液の浸透性をよくするため、ウールは、ウール用洗剤を加えたぬるま湯にしばらくつけておきます。そのあと、少しだけ温めた染め液にウールを入れ、ゆっくり温めます。液の温度が80度以上にならないように気をつけながら、むらの出ないように満遍なくウールを動かします。

  適当な時間を見計らって火を止め、冷まします。そのあと、媒染。クルミは鉄液で柔らかめの茶色が出ます。カリヤスはアルミや銅液で黄色系、鉄液で草色のようなオリーブ色のようないい色が生まれます。

  媒染のあと、またもとの染液に。媒染のときももとの染液に戻すときも、どちらも液は温めておき、ウールにダメージを与えないようにします。さめたらよく洗い、酢をちょっと加えたぬるま湯につけ、脱水して完了。

  バスタオルの上に広げて乾かし、翌朝撮った写真がこちら。右が元は黄色だった色あせたセーター、カリヤスの鉄媒染にしました。真ん中は白のセーター。クルミの鉄媒染です。一番左のカーデガン、もとは薄紫色でした。カリヤスの銅媒染で、春先にふさわしいカーデガンに生まれ変わりました。どれもふんわりしあがり、さわると気持いい。見ていて飽きない色の深さです。

  ストッキングに入れて、原毛も一緒に染め直しました。手前右がカリヤスの銅媒染、向こう側が鉄媒染です。左手前の茶色は、以前クリで染めたものです。その向こうのピンクはタカキビの殻、一番奥の白っぽいのは原毛そのものです。

  これらの原毛は、ずっと前に知人が手に入れた羊の毛。彼女と二人で苦労して洗い、油気や汚れを落としました。染め直した原毛は、来週、友人たちと行うフェルト作りに使う予定です。

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2 コメント

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どれも素敵ですね (Keiko)
2011-02-08 17:19:27
クルミもカリヤスもこの間のりんごやブルーベリーの枝とはまた一味違って素敵ですね。
カリヤスってどんな植物なのか知りませんでしたが、イネ科の植物なんですね。
特にカリヤスの方の色が気に入りました。
色あせたセーターやユニクロのセーターが高級感あふれるナチュラルセーターに変身できるんですね。
その分手がかかっていますが、草木染めやっぱり奥が深くて素晴らしいなと思います。
いつかカリヤス染めしてみたいです。
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再生も楽しい (アンティマキ)
2011-02-08 20:32:47
しみになったり色あせたりしても、捨てるに惜しい純毛のセーターがあったら、ぜひ草木染してみてください。毛糸の柔らかい感触と草木染めの自然な色はとてもマッチします。カリヤスは、昔このあたりでは粽を包むのに使っていたとか。葉にくるまれた中身がほんのり黄色く染まるそうです。染料としての歴史も古いと思います。でも、稲武では群落が減ってきているそうで、貴重な植物です。ススキよりちょっとだけ株も葉も小さめ。不思議なことにこのカリヤスは、生葉では染まらなくて、乾燥させてから染めます。ほとんどの植物は採取してすぐに染めたほうがいいのですが。大量に刈り取って乾燥させた置けばいいので、なにも染めるものがないとき、重宝します。
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