アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

マンガ「あしたも着物日和」

2024-02-14 00:13:17 | 映画とドラマと本と絵画

  一昨年末ころから、友人に着付けを習い始めました。と言っても、習うのは月一回。普段の練習は皆無なので、全く上達しないまま一年たちました。でも、ごくたまに着物を着て出かけたり、それをSNSに投稿するようになったりするうちに、だんだん恥ずかしさは消え始め、下手でも着物を着るのが楽しいとおもうようなりました。

  先日、お若いころから着物が大好きで、上手に着こなしていらっしゃる知人から、漫画家の近藤ようこが書いた「明日も着物日和」をもらいました。

  私よりも少し若い彼女の着物遍歴が、あれこれの知識とともに描かれていて、ごくごく初心者のわたしには、興味深いものでした。

「絽は六月末から着てもいいけど 紗や麻はだめ? 単衣の時の半襟は絽ちりめん? 大島紬を真冬に着るのはいけないの?」

「誰が決めたルールなんだろ こういうルールを守らないとどうなるんだろ 街を歩いている時に笑われるのかなー でも誰に? なんのためのルールなんだろ  伝統ってなに?」

  私の子供のころまでは、女性たちはほぼ着物でした。母が庭先で洗い張りしていたことも覚えています。当時の映画やニュース映像を見ると、女性たちの着物の襟もとはやわやわっとしていて、今のようにピシッとなどしていないし、うなじはさほど開けていない。母も祖母も、なんでもなくササっと着ていました。当時は日常着ですものね、あたりまえ。

  ある時から一気に和服が高級なイメージにかわり、着付けをちゃんと習って、それなりの和服を持っていないと、そんじょそこらの人は着られないイメージにかわっていきました。着物を着たいと思ってもなかなか踏み切れなかったのは、そのせいもありました。着付け教室の隆盛が、かえって着物の敷居を高くして着物離れを助長した気がしていました。

  作者は80年代に、ある画期的な和装に関する本を読んで、得心します。

「この本で一番感銘をうけたのが 今の着物のルールは戦後作られたものが多いとか」

「そうかー 暑ければ四月から単衣でいいんだー 暑がりのわたしには助かるー」

  最近は、タートルネックのセーターにベレー帽、ブーツで和服を楽しむといった人も増えてきて、ずいぶん和服の門戸が広がりましたが、まだまだ、「ルール」なるものは厳然としてあるようです。着物を着るようになって、「着物警察」ということばも知りました。

  先日もらった古い着物のなかに単衣がたくさんあったので、4月頃から着たいなあ、と思っていたところでした。わたしも、ルールなるものを無視して、着物生活を楽しもう、とこの本を読んで決めました。

 


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