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映画ドラえもん/のび太の新・大魔境/ペコと5人の探検隊

2015年03月07日 12時13分31秒 | 邦画>★★
2014年/邦アニメ/八鍬新之介監督/水田わさび 大原めぐみ 木村昴 関智一 かかずゆみ 小林ゆう 坂本千夏 飯塚昭三 広瀬正志 小栗旬 宮澤正 夏目三久
2015年3月6日 テレ朝ドラえもんクレヨンしんちゃん春だ!映画だ!3時間アニメ祭り

【あらすじ】
夏休み。ジャイアン(木村)は秘境探検をしようと厳命を下した。ドラえもん(水田)の助力を得て探訪地検索をしていたのび太(大原)は、薄汚れた野良犬と出会う。なんだかんだで飼うことが許されたその犬は<ペコ(小林)>と名付けられ、秘境発見に一役買った。
さて中央アフリカはヘビースモーカーズフォレストに見出された<バウワンコ遺跡>。探検するんだからといって目的地の100キロ手前から行軍を始めた、ジャイアン、スネ夫(関)、しずか(かかず)、のび太とドラえもん。どうしたこうしたで地下洞窟までやってくると、なんとペコが直立し日本語をしゃべりました。
バウワンコとは、地殻変動により絶壁で隔離された地域に花開いた、進化した犬による文明であった。ペコはそこの王子で、父王暗殺の濡れ衣を着せられ追放されたのだった。国王に代わって実権を握った大臣ダブランダー(飯塚)は、王家によって封印されていた古代の超文明を復活利用しようと企んでいた。
ペコはドラえもんたちの力を借り、幽閉されていた国王の親衛隊長ブルスス(広瀬)を救出。王家に伝わる預言を頼りに、巨神像へと向かう。預言では<10人の外国人が奇蹟を起こす>ということらしいが、果たしてドラえもんたちに援軍は現れるのか…!?


藤子Fのシナリオは良くできたものが多いが、これはなんかどうかな…。旧作版の映画でF先生は監督に「わかってない」とダメ出ししたらしいが、天国からご覧になって今作はご満足いただけだだろうか。先生はどうだか知らないが、私がご満足いただけなかったことだけは確かだ。
まず<冒険>が最大の目的だったはずのご一行なのに、冒険らしい装備をなんらしていない、キャンプ以前の遠足、いや弁当の用意もしてないから<お散歩>気分であることがいただけない。心構えはともかく、冒険っぽいカタチくらいは整えたがるのが、冒険ごっこの第一歩ではないだろうか。カタチを整えたことによる過剰な自信をもって、ドラえもんの道具を封印するという流れにならなければならない。だから普段着ののび太たちが、ひどくいびつに見えたのだ。
そして道具を封印したジャイアンが、真の危難に直面して鬱症状を発症する。傲慢で自信過剰、責任転嫁がキャラクターポジションであるジャイアンが別人のように責任感に苛まれる。封印した道具はごく一部であって、ポケットを封印したわけではない。通常のジャイアンであれば「なんとかしろよ、ドラえもん!」のはずだから、これもまた「ドラえもん」としていびつなのである。
犬の国がどうしたこうしたという話はもう本当にどうでもよく、閉ざされた狭域の土地でどのような人口統制をすれば国は安定するのか、とか、受け取りを拒否した財宝が果たして犬の国でどれほどの価値を持つもので国家再建に用を為すのか、とかそんなことを考えてました。ヒトが改良した犬種の進化系みたいなのが登場してるのは、まあ漫画だから不問。

のび太は言った。「大人になっても大冒険できるかな」
大人にもならず、毎年大冒険してるがな。

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