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阿久悠をめぐる対話

2017年09月24日 | TV・ラジオ・CM・映画

よこすか芸術劇場に行かれたJ友さんから、ジュリーはお元気でご機嫌でした。「自由に歩いて愛して」でマイクトラブルがあり、歌い直したいと言って2回歌ったそうです。髪もだいぶ伸びたようとご報告をいただきました。私が次に行く10月には、もっと髪も伸びているんでしょうね。

横浜に観光を兼ねて行きたいので、始まる時間が早いよこすか芸術劇場には日帰りができたら行きたかったのですが、新幹線の停まる品川、新横浜からいずれも50分もかかるので 諦めました。(品川と新横浜までの時間が同じってどういう事) 横須賀は地方からでは かなり不便


J友さんから教えていただいた、EテレのETV特集「いきものがかり水野良樹の阿久悠をめぐる対話」 今まで何度も何度も繰り返し取り上げられている、昭和の(昭和で括られるのは誇り高そうな阿久悠さんは嫌だろうけど)作詞家、巨匠・阿久悠さんですから、それほどの期待感もなく見始めました。録画して後で見るつもりが、現在我が家は録画不可能なの! というわけで私のアヤシイ記憶だけなので 間違い勘違いは多々あると思いますけど。

番組は水野良樹さんが、阿久悠さんを巡る人々との対話で進行して行き、最後に阿久さんの未発表の詞に水野さんが曲をつけ、山本彩さんが歌います。

まず、阿久さんの代表作を紹介するレコードジャケット写真が次々映し出されるも、ジュリーの作品がひとっつも写らず・・ なんやねん!どういう事?!と、まず気を悪くする単純なジュリーファン 後からちゃんと「勝手にしやがれ」のレコードジャケットが映りました。

数々の大ヒットを飛ばしたピンクレディーの「サウスポー」の書き直しエピソードなどを飯田久彦プロデューサーが語り、その話は面白かったんですけど、阿久さんが一番愛したジュリーの話はないのん?と、すぐに思う、またまた単純なジュリーファン。それは私です。(飯田久彦さんて、私の幼少時代はとても人気のあった歌手でした。おぼろげに記憶が残っています。ルイジアナママを歌っていたそうな)

今までの阿久悠特集番組とは違うのがEテレ。それまでの他の番組とは違って、多くの関係者のインタビューや日記で阿久悠さんの時代との向き合い方や、阿久さんの内面にも深く切り込んだ番組になっていました。そこはちょっと心に痛く思ったほど・・ 阿久さんは時代を書きたいと思っていた。その作品は歌い出しだけで、その世界が映像のように目に浮かんでくる。

糸井重里さんのインタビュー

『曲名を考えて下さいという依頼があって、他の人が詞を創るから 無責任に考えるのは楽しかった。ところが「TOKIO」は糸井さんが書いて下さいと言われ、劇画やフィクションのように書けばいい、漫画を描く勢いで大袈裟に書く、玄人には思いつかない。そこは申し訳が無いと思う、阿久さんには。

※曲名だけ考えるというやり方は、ピンクレディーの時にも全く同じ方法で曲名だけ阿久さんらが考えて「サウスポー」が産み出されてました。よくある手法のようです。

阿久さんは時代を書きたいと思っているが、自分は時代のニュアンスが入ってから面白い。阿久悠さんの「OH!GAL」のように、女を前に出すのはプロデューサーの仕事で、作詞家が今の世の中を解説するなんて、聞きたくない。

阿久悠さんの詞は「時代」が入ってから、面白くなくなった。』

「OH!GAL」と「TOKIO」どちらもジュリー自身の歌った作品との対比で、阿久さんの時代への感覚が80年代辺りから世間とフィットしなくなった事を語ってしまう事の皮肉さ。「TOKIO」がジュリーの唄で世に出たとき、阿久さんが糸井さんの詞に とてもショックを受けたと聴いたことがあります。

そして輝かしいA面曲にも関わらず、ジュリーがかつて「OH!GAL」を「大嫌いな曲!」と切って捨てた事を思い出しました。実は私もそんなに好きではないですが、歌っていたジュリー自身がそこまで言い切っていいの?と、ちょっと驚いたもんです。あれだけ艶やかに化粧して、世間に大きなインパクト、賛否両論された曲なのにね。この辺から本格的なメークをするようになった、エポックメイキングな曲ではあるのですが・・ 私はジュリーの濃い化粧は嫌でした。

「女は誰でもスーパースター🎵」と断定したところ、女の時代を自ら語ろう、ジュリーに語らせようとしたところが、ジュリーの感覚とは合わなかったのかな??と、あくまで想像ですけど、糸井さんのインタビューで思いました。この後のインタビューでは糸井さんは深く阿久さんの詞を尊敬されていました。

音楽評論家の小西良太郎さんが、歌い手は阿久さんの表現の為の道具である。作詞家は10年もやれば瑞々しさが失われる、79年に阿久さんに休んだらどうかと言ったと話していました。 安井かずみさんも、作詞家生活の10年ほどの後は加藤和彦さんの作品しか書かなくなったな・・と思い出したりして。ジュリーにとって安井さんの後が阿久さんの詞だった。 表現者、とくに作詞家は時代に寄り添い続けながら、鮮度を失わないことが事が、阿久さんでさえも難しいんだなと思いました。しかし80年代以降も、印象的な記憶に残る作品を生み出し続けていた阿久さんです。

でこの後のインタビューが、阿久さんの持つ枚数を記録で抜いた秋元康さんですが。。。 

出てきた秋元氏のビジュアルばかりに目を奪われてしまいまして、(首がすっかり、狭い肩に埋没して無くなってた、服が小さいのか 変に躰に合ってなかった、唇がヤケにジト~っと ラメ入りリップでも塗ったようにヌラヌラだった💦何だかキショイ 個人の感想です)お陰で何を語っていたのか、全く頭に入りませんでした~!そういえば、阿久さんの作品では「時の過ぎ行くままに」が好きと言っていたなぁ。

晩年は病気で入院していても、訪ねれば椅子に座り 居住まいを正していたという阿久さん。その死期が近づいても「求められている、責任が有る」と綴った日記帳に、強い確固たる意志を感じました。日記は読まれることを意識して書いていたようです。

やせ我慢、媚びず、おもねらず・・という阿久さんの生き方に、まさに70年代の美しいカッコイイジュリーこそが、阿久さんの語りたい世界を伝える、最上の表現者だったのだろうと改めて思いました。

番組進行は、「いきものがかり」の水野良樹さん。思慮深く真面目な進行ぶりには好感を持ちました。最後はAKBの山本彩さんが阿久さんの未発表作の詞を歌う。「愛せよ」という命令口調の曲名が硬い・・ まだ若い この方の歌声を聴いたことが無いので、正直に言って「愛せよ」はアイドルには どうなん?と思いました。

                 愛せよ 愛せよ 愛せよ・・・ 

             

阿久さんの生原稿に黒々と濃く書き連ねた文字、「愛せよ」

「愛せよ」の文字がひとつひとつが際立ち、強く主張している。見ただけで充分に重たい、実際に詞もズ~ンと重たい。水野さんは こんなに重たい固い詞にどんな曲をつけるんだ? しかも歌唱力に定評のあるベテランを選ばず、歌うのは経験の無さそうな若いAKBの女の子じゃないか、と思いましたが、山本さんを起用したわけがよくわかりました。

山本さんの声はこの重たい説教的な詞に対して、羽根のように軽く 吹く風のように爽やかな優しさがありました。重たい詞を見事に自分の物にしていました。こんなに歌えるなんて知らなんだ、懐疑的ですいませんm(__)m 「愛せよ」と呼びかける歌詞が風に乗って飛び去るようで、とても良かったです! 

山本さんを調べてみたら→ 朝の連続テレビ小説「あさが来た」の主題歌である自身のセンター曲「365日の紙飛行機」を弾き語りして話題になりました。 へ~~ 毎日見てたのに気がつかなんだ・・といっても、どんな曲だったかすぐに思い出せなくて、もはやボケ老人 後でやっと、歌い出しをちょっとだけ思い出したわ。

再放送は9月28日木曜日です。

 

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