猫のキキとヒゲおじさんのあんじゃあない毎日

『あんじゃあない』って、心配ない、大丈夫っていう群馬の言葉、いい歳こいたキキとおヒゲのどうってことない前橋の暮らしです

丸三味噌店のご主人、隅谷勇さんとお別れして、おしまいはみそおでんにしました。

2015-09-06 05:12:28 | あんじゃあない毎日

2010年の9月の末に撮影した、住吉町2丁目のみその専門店『丸三』の店内です。桶に盛られた全国各地から取り寄せた味噌を量り売りしてくれる店でした。
ガラスの引き戸を開けて店に入っても、たいていいつも無人でした。
「こんちは、お願いします!」って、店の奥の暖簾に向かって声を掛けます。
「いらっしゃい…」、暖簾をかき分けてご主人の隅谷勇さんが顔を出します。
「いつものお願いします」
「麦と信州の白だいね…」

 

 こんなやり取りも、今年の初夏で終わりました。
ご主人は、がんを患ってたんです。がんと闘いながらお店してたんです。でも、「元気なうちに閉めて、、少しだけ好きなことさせてもらいます」って、店を畳んだんです。
そいで、店を畳んで間もなくのころに、山形から届いたさくらんぼをお裾分けしに寄ったら 
「入院しちゃったんです…」っておかみさんが悲しそうでした。

 

 

  今朝、しば漬けが漬けあがったんです。桶からあげて、ポリ袋に詰めて冷蔵庫に貯蔵する作業をしてて、ふと思ったんです。そうだ、丸三のご主人に届けよう、元気になってるといいな…、って。

 

 そいで、午前中、人に会ったり、朝倉さんの事務所訪ねたりして用事すませてから、丸三を訪ねたんです。
訪ねる途中の道端の生け垣で、アゲハチョウが2頭戯れていました。仲良しなんだな…

 

 丸三はシャッターが下りてます。呼び鈴を押すとしばらくして娘さんが中からシャッターを上げて顔を出しました。家の中からは、味噌の匂いでなくて、香の匂いがしました。
そうなんです、ご主人の勇さん、亡くなられてたんです。それも、前日の朝…
お住まいにあげていただきました。「お父さん、ヒゲクマさんがいらしてくれましたよ」って案内されて…
ご主人とお別れしてきました。
元気な顔見たかったのに…、残念で、悲しかったです。

 

 

 家に戻って、冷蔵庫を開けると、閉店前に分けてもらった味噌が、少しだけ残ってました。全部、鍋に出して、砂糖とみりん加えて…
そうなんです、ご主人に分けてもらった味噌もおしまいなんです。
甘味噌に煮ることにしました。
長崎のチョーコーって醸造元を教えてくれたのもご主人でした。チョーコーの麦味噌は甘口で濃厚な味です。裸麦を使ってるんだそうです。醤油も教えてもらいました。丸三さんに分けてもらえなくなって、チョーコーの蔵元から、麦味噌と減塩しょうゆを取り寄せました。ずっと使い続けます。

 

これは、2010年10月2日の朝日新聞に掲載したコラムです。読んでください。ご主人がお元気だったころのお話です。

 

 

 ふつふつと煮える味噌を混ぜてたら、ゆきひらの柄を抑えている手に涙が落ちました。
ご主人も、おかみさんも、大の猫好きでした。お店には、猫の置物がいっぱい並んでました。猫めくりも飾ってありました。お店には決して猫を出しませんでしたけど、上のお住まいには三匹の猫とご一緒だったみたいです。
だから、猫の話もしました…

 

 これって、2010年の9月の末に、丸三味噌店がブログに登場した時のキキです。5年前は、今より少しおデブでした。
ご主人は、新潟のご出身でした。生まれ故郷の塩沢のはっか糖をいただいたこともあります。
本当にいろいろお世話になりました。

 

 

  ダイコン、豆腐、コンニャクを昆布で炊きました。最後の味噌は、みそおでんでいただくことにしたんです。
甘味噌も、しっかり煮えました。仕上げに、チョーコーの醤油少しとすりごまを加えて、きれいな艶です。おいしそう…

ここまでして、私は、町内の『前橋まつり合同会議』へお出かけです。
10月9日と10日は前橋まつり、城東町4丁目は前橋まつりに協賛して『城四まつり』をやるんです。それで、いろんな団体の役員が集まって、役割を決める会議なんです。
今年は、隣の城東町3丁目がおまつりに、大人の事情で参加できなくなったんです。そしたら、子どもたちが相談して、3丁目の子どもも4丁目のおまつりに参加したいって言ってきたんだそうです。4丁目の子どもたちも一緒にしようって約束しちゃって…、それで、4丁目では3丁目の子どもたちを迎えることになりました。よかったです。
前に、お囃子の指導者してる大野さんから、「3丁目と4丁目のお囃子の作曲者は同じ人なんだ、だから、良く似てるの…」って話を聞いた覚えがあります。子どもたちも知ってたのかな…

 

 

 会議から戻って、みそおでんで酒を飲みました。
「お味噌が良い味だから、おいしいよ」、先に食べ始めてた伯母さんがほめてくれました。
「実はさ、丸三のご主人…」、伯母さんにはまだ今日の出来事を話していなかったんです。
これが、おしまいの味噌なんです。

隅谷さん、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 前橋で日本舞踊の師匠をしている直派若柳流の若柳糸駒です。
前橋のまちで、毎年4月に『美登利会』という舞踊会に参加しています。お稽古場は、城東町4丁目です。よろしくご贔屓のほどお願い申し上げます。

その、『美登利会』の様子は、こちらでご覧ください
舞踊教室などのご案内は、こちらで申しあげております
                         若 柳 糸 駒

 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おまつりの件、よかったですね。 (ノブとツナ)
2015-09-06 08:58:29
城三と城四の子供達やるなぁ!素晴らしい(^_^)/
子どもたち (ヒゲクマ)
2015-09-06 11:08:30
昨夜さ、元青年会長していたおじさんなんかと分析したんです。3丁目の子どもたちが、1丁目、2丁目、5丁目でなく、4丁目を選んだ理由を。
① 4丁目がおまつりしている時間が長い、それだけお囃子の演奏機会が多い。
② 作曲者が一緒なんで、お囃子が良く似ている。
③ 4丁目が子どもが一番たくさんいるんで賑やか。
④ 昼食やおやつなんかの振る舞いがダントツ優れてる。
⑤ 4丁目のおじさんやおばさんたちは優しい。
「今時の子どもたち、しっかりしてっからな、やっぱ④かな…」って意見が多かったかな…
いずれにしても、子どもたちは問題解決能力が高いですよ。

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