亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米国債の最大保有者は中国でなくFRB

2012年03月16日 22時22分42秒 | 金市場

米国追加緩和観測の後退で市場の関心が薄れた金市場は、次の波がやってくるまで当面レンジ模索の動きになるが、今は相変わらずNYコメックスの動きに振り回される展開。15日に明らかになった前日急落時のNYコメックスの出来高は、前日比9万枚(1枚=100オンス)以上増加し33万枚超に膨れ上がっていた。FOMCの声明文を受けてファンドの間では予想以上に金の買いポジションを手仕舞ったところが多かったという内容。取り組みも減少しており、明日公表分には反映されないが、いずれにしてもコメックスの買い越し残は、さらに減少し軽くなっていることは間違いない。

今の“旬”は、アップル株600ドル大台乗せで沸き立つ“株式市場”ということで、いずれにしても金市場はお休み状態。ファンドの中には1600ドル接近あるいは割れを待っているところもあるが、目先は1640ドルどころがサポート。現物の引き合いも入っているが、先物のレバレッジに押される展開。これからインドの需要期に入る。前年に比べ力強さに欠けるとされるが、価格水準にもよるので現時点では何とも言えないところ。

「経済は拡大の心強い兆しを示しているが、高い失業率や弱い住宅活動を含む課題に依然として直面している。アメリカ人は高いガソリン価格の影響を感じている」・・・・というのは、FOMC明けの14日のバーナンキ議長の講演での発言・・・・といっても通用しそうだが、これ財務長官ガイトナーの言葉。FRBと認識を同じくしているのは、そもそもFOMCの副議長としてバーナンキとともに金融政策を仕切っていたわけで、オバマ民主政権とFRBは連携していると当方は見ている。

もうひとつの話題は、米国債の国別保有残高で1月末も中国がトップというのがあった。中国は昨年米国債が格下げされてから、持ち高をやや減らしていたが1月は前月比で少し増やしたと。残高は1兆1595億ドル(約97兆円)。2位は日本で1兆790億ドル(約90兆円)となるが、国の枠を外せば米国債の最大保有者は、言うまでもなくFRBなのだった。ずいぶん買ったもんねぇ。1兆6600億ドル(約139兆円)になる。

LINK

 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE82F04N20120316?sp=true


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