亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

四半期末です

2012年09月28日 21時20分01秒 | 金市場
スペインを震源とするユーロ圏で高まったノイズは、同国が緊縮予算案を発表したことで急速に落ち着いた。しかし、また波はやってくる。それでいちいちオタオタしない方がいいだろう。ECBが“手を挙げて救済の合意が得られるのであれば私ら無制限に買い支えます”と言っているわけで、完全にボールは各国とEUに投げられている状態にある。

ただし財政は一国の主権の問題が絡むゆえに、手を挙げる(救済申請)ことはそのまま主権の制限という国家の体面上の問題と、自らコントロールできないという事態に至ることがどこまでも躊躇させるのだろう。ギリシャみたいに、いろいろ指示はされなくないわけだ。しかし、通貨統合とは本来そこまで含むものであって、捉え方に各国ごとに温度差があることが一連の騒動で浮上したということか。

昨日の夕刻、引け味がよかったと書いたが、その後のNY市場では、そのこと自体・・・つまりザラバの安値から引けに復活したこと・・が市場の強さの表れという捉え方の相場展開が続いた。このあたりは、少なくとも3度にわたる下攻めに1520~1530ドルを維持した後のセンチメントに通じるところがある。ほんに情緒的な投資対象であることよ・・・。この辺りの微妙なニュアンスが、株にも為替にもない、一線を画する部分がある。27日のNYは終わってみれば、何のことはないフロアの引け値ベースでこのところの高値を更新することになった。しかし、一気に行けないほどの売り物が控える。四半期明けの来週は、動きが出るのではないか。

話しは変わるが、昨日、そこまでやるかというニュースがあった。尖閣諸島を巡り日中間の争いはご存じのとおり。知られているようにフィリピンとの間でも中国はもめている。スプラトリー諸島(南沙諸島)の領有権問題だが、この争いに対抗して中国当局がフィリピン産のバナナの通関を意図的に遅らせ港でバナナが腐るというニュースを見て、何だかなぁ、国の品位の問題だよな・・・と思っていた。昨日のニュースは、中国がフィリピンに実行済みでプロジェクトも着手されている5億ドルのODA(政府開発援助)を「返せ」と迫り、フィリピンも直ぐには無理だが2年かけて「返す」と応じたというもの。こうやって、後からルールを変えるというのは、日本にはない感覚だが、ODAなら日本も中国に随分やったはず。

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3 コメント

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ODA (今井)
2012-09-29 07:00:44
そんなことするなら、日本も中国にODA返せというぞ、と脅しだけでもかけて、フィリピンを側面援護すればいいと思うんですけどねぇ。
きっと感謝してもらえますよ、フィリピンに。仲間作っておくのは悪い事じゃない…
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道理で (ささやか)
2012-09-29 09:31:51
最近スーパーマーケットでバナナが急に安くなったんですね!(結局モノの値段は需給バランス)

ひょうたん島の船長さんは淡水魚のドジョウ、海図なき航海渡りきれる?少し心配でした。

最近は「人口ボーナス」を論ずる経済論が流行してます。
でも、人口膨張による経済効果は諸刃の刃(戦前の日本や文化大革命を思い起こすとそう思う)。
「平和の配当」による経済効果の方が、ずっとずっと大きく確実性が高いと思います。
日中韓3カ国とも争う事なき世で安心して暮らしたい、と思う国民が大多数のはず。それを各国の為政者は忘れないで貰いたいです。戦争を知らない世代のひとりとして、心底そう思います。
またまた金に関係ないコメントでごめんなさい。
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fairlane (Unknown)
2012-09-29 13:36:53
かの国の留学生と多少のご縁があるのですが、かの国の政府とか、選挙とか、人権とかの問題は聞けないですね。なんでも彼らの集まるところにはスパイがいて、下手なことを報告されると帰国した際に連行されるとか。。。。

かの国の政府は言論の自由すら認めてないので、それは各国の力でこじ開けないと駄目ですね。
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