亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金価格見通しの上方修正

2009年01月23日 20時39分06秒 | 金市場
これで4日目となるが、ロンドン時間に入るとまとまった買いが入り、そのままNY時間に受け継がれ上昇はするが最終的に売り物に押され東京などアジアの時間帯に帰るというパターンが続いている。本日も約2時間ほど前から攻勢が始まり節目となっていた866ドルを軽く突破してしまった。先週後半のECBの利下げ以降、欧米の金融市場は金融不安の再燃に怯えている。

バンカメ(Bank of America)、RBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)、ステイト・ストリートと続いた決算時の市場予想を上回る損失の表面化は、2つの点で市場の驚異となった。まず以前から予想されている水面下に隠れるオフバランスの手持ち証券の処理が進んでいいなかったこと。そして、いよいよその損失を隠せなくなってきていること。2つ目は、急速な景気悪化から不良資産の値下がりがさらに進み、過去の引当金では足りなくなっていること。しかもそればかりか新たな不良資産の発生が続いていること。

以上の2点となる。すでに政府管理下にあるシティなどは、不良資産の切り離しを含め財務省主導のもとで分割に向かったと見られる。

RBSの決算見通しと慌てた英国政府の泥縄的な追加金融対策の発表が、為替市場では英国ポンドの総投げとして表れた。この騒動のなかで、金ETFが買われている。ロンドン上場の金ETFは確かに増えているが、今週つまりRBS問題発覚後2トン余りの増加である。一方、NYアーカ主力上場のSPDRは年始から22日迄で38.88トンの増加となっている。この増加が最近の金融危機の再燃に由来するものか、事前の配分に従った機械的な(年金の)買いであるのかは不明。しかし、今週に入ってからの増加ペースを見ると足もとの金融環境に刺激されたものが含まれているのは間違いなかろう。

こうした環境の変化を受けて、金価格の見通しを上方修正する欧米の銀行、証券が続出している。

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