亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

値固めへ移行

2005年12月24日 23時48分12秒 | 金市場
年内に結論を出すと見られていた独連銀の金売却についての判断は、どうやら年明けに持ち越しとなりそうだ。第2次ワシントン協定にて600トンの売却枠を持ちながら(単純計算で年間120トン×5年)、初年度に8トンの売却に終わり、新政権発足にともない、その方針変更が注目を集めていることは、最近も取り上げた。連銀サイドでは、売却反対の機運が強いとされているので年内にもその意思表明が成されると見られたが、見送りになったようだ。年次レポートとの関連のようなので、意見がまとまらなかったという話ではないとみられる。04年9月28日以降に第2次協定に入ったワシントン協定も、5年で2500トンという売却枠については、いまだ売却予定は埋まっておらず、このまま未達になることも既に相場に織り込みつつある。中銀の売却といえども急速に材料性を失いつつあるのは、この間の市場環境の急速な変化を物語るものと言えるだろう。いまや中銀の売りがあるからこそ安く調達できるわけだ。

最近にわかに案件が浮上し、難航するかに見えたカナダの大手鉱山バリック・ゴールドによる同じくカナダの大手プレーサー・ドームの買収提案は、買収価格の引上げで決着がつくことになった。これで生産規模にして年産260トン規模の世界最大の金鉱山会社が生まれる。これまでの米ニューモント・マイニングは2位に、南ア、アングロ・ゴールドは3位ということに。5、6年前から近い将来大手鉱山は5~6グループに集約されるのではないか、とか話してきたが、着実にその方向に進みつつある。そういえば、あまり注目されていないが、金価格が東京発の調整入りで乱高下している一方で、金鉱株指数は比較的安定しており、22日木曜日には高値更新となっている。要注目だね。結局東京発で安値に振れたところは拾われたのかな。値固めに移行かな。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 織り込まれつつある(?)G... | トップ | 果たして“薄商い”なのか?? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事