亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金融相場の真骨頂

2009年11月24日 23時10分58秒 | 金市場
さて1週間という未更新記録を作ってしまいましたが、市場は相変わらずの展開。特に金市場はバリバリのブルな展開。市場参加者はバリバリのブルではないだけに、息の長い相場に育ってきた。実態は新規資金の流入持続。欧米メディアでも、これまで金など見向きもしなかった投資家まで積極的な金購入者になっている・・・といった例を挙げて紹介しているほど。長らく付き合ってきた“良識ある人々”の多くが、今やGold bug(金大好き人間)になってしまっている、といった一文まであって笑ってしまった。良識派で分別のある人は金など見向きもしなかったというわけ。

それにしても11月に入りNYは16営業日経過したが、この間15勝1敗という状況。
2日新甫(しんぽ)で、その日にインドの200トン購入の話が出てそこから8連騰。1日休んで昨日まで7連騰。この間、14営業日は終値ベースで史上最高値更新という異例の展開。ザラバの高値更新もここまで9回という記録的なペース。以前からの持論だし、拙著(「金が売られた時代、買われた時代」)にも記したが、金融市場からの関心が高まると状況は変わると見てきたが、「(頭の中で組み立てるよりも)事実は奇なり」という展開。想定では最後は上げ足を速めると思って眺めているが、それはまだ先の話だろう。

先週は待っていた四半期の需給データも発表された。ここで何度か指摘した当方の注目点、「スクラップ」の動向。今回から「リサイクル」という実情に即した呼称に変更なっていた。1-3月期にあれだけポールソンはじめ有力ファンドがETFをはじめ大きな買いポジション(ロング)を作ったにもかかわらず、それを跳ね返した一般大衆の換金売りの動向だが、やはり価格が上がればドンドン出てくるということにはなっていなかった。「売り惜しみ」「高値慣れ」が起きている。ポイントは、宝飾品の買いに高値慣れが起きるのはかなり時間が掛るが、換金売りは容易に見方を変え様子見に回るという点。1000ドル超でも減ると見てきた。

結果は、1-3月期(平均価格908ドル)569トン、4-6月期(同922ドル)314トン、7-9月期(同960ドル)283トン。宝飾品需要の回復が見られなくとも、リサイクルの減少が需給の均衡を破り価格のサポート要因となると見てきた。現実は、そうした状況の上に、さらに想定外の新規資金の流入が見られているということになろう。金融相場による高値圏の長期持続が上昇期待を高め、様子見に回らせ需給を締める。センチメント主導という点では年始から続いている金融相場の真骨頂といえる。

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5 コメント

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金融相場の泣き所 (ささやか)
2009-11-25 10:10:24
金と同じ位にドル円が重い。おまけに日本パッシング、日本人が連休手仕舞いして休んでる時に相場上昇、これがグローバル金融市場では今年の流行?なんだか出遅れ気分がつきまとって流れに乗れない。金が上がる割に私の財布は軽くて寂しい
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本当?? (fairlane)
2009-11-25 13:39:42
インド中銀がIMFの金購入に前向きという噂話がひまわりに出てますが本当なんですかね。

本当だとしたら、この価格水準にお墨付きですから・・・・
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1200ドル目前・・・・ (金之輔)
2009-11-26 09:41:22
次のターゲットは1300ドル。。。羅針盤が壊れたと感じるのは2000ドル超えから?
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ゴールドは果報者 (ささやか)
2009-11-26 13:42:12
次々買い手が現れるのネ。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12638520091126?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29
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良識は確かにないかも (ナニユエ)
2009-11-26 22:42:37
今の私はコレクション待ちっす
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