19日の金市場はNY連銀ダドリー総裁の楽観的見通しが、先行きの利上げ及び資産縮小(バランスシート縮小)に対する積極姿勢を表すものと解釈され、金市場では売りが広がったとされる。
NY金先物市場では、先週末発表の直近のデータ(オプション取引を除く)では、ネットの買い残が重量ベースで592㌧となり、前週より44㌧ほど減っていた。約1年前のBrexit(英EU離脱)騒動の際にはネット983㌧の過去最大の買い越しまで膨らんだ経緯がある。したがって、600㌧弱の買い越し残は、相対的にそれほどの値動きの重さを表すものではない。
ただし、直近3週間(5月16~6月6日)で、買い越し残は合計242㌧増加しており、そのうち6月13日までの1週間でネットで44㌧減少(売られ)していた。FOMCを受けた6月15日からここまで、さらに手仕舞い売りが進んだと思われる。本日20日時点で集計され現地23日の夕刻に発表される際には、100㌧以上減少しているものと思われる。足元の手仕舞い売りの中で下値がどこになるか。直近の安値が5月9日の1214.30ドルだが、月末にかけて今週は米中古住宅販売、新築住宅販売、来週は耐久財受注や個人消費支出物価指数などのデータがどうなるかにも影響されそうだ。結果的に5月9日の安値を下回らずV字型で切り返すとチャートの形にも(テクニカル上)よくなる。
以前も書いたが、NY金先物ではショート(売り建て)がグロスで300トン前後の比較的高い水準を維持していることが注目点。