亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ファンドの見切り売り

2017年06月20日 22時26分19秒 | 金市場

19日の金市場はNY連銀ダドリー総裁の楽観的見通しが、先行きの利上げ及び資産縮小(バランスシート縮小)に対する積極姿勢を表すものと解釈され、金市場では売りが広がったとされる。

NY金先物市場では、先週末発表の直近のデータ(オプション取引を除く)では、ネットの買い残が重量ベースで592㌧となり、前週より44㌧ほど減っていた。約1年前のBrexit(英EU離脱)騒動の際にはネット983㌧の過去最大の買い越しまで膨らんだ経緯がある。したがって、600㌧弱の買い越し残は、相対的にそれほどの値動きの重さを表すものではない。

ただし、直近3週間(5月16~6月6日)で、買い越し残は合計242㌧増加しており、そのうち6月13日までの1週間でネットで44㌧減少(売られ)していた。FOMCを受けた6月15日からここまで、さらに手仕舞い売りが進んだと思われる。本日20日時点で集計され現地23日の夕刻に発表される際には、100㌧以上減少しているものと思われる。足元の手仕舞い売りの中で下値がどこになるか。直近の安値が5月9日の1214.30ドルだが、月末にかけて今週は米中古住宅販売、新築住宅販売、来週は耐久財受注や個人消費支出物価指数などのデータがどうなるかにも影響されそうだ。結果的に5月9日の安値を下回らずV字型で切り返すとチャートの形にも(テクニカル上)よくなる。

以前も書いたが、NY金先物ではショート(売り建て)がグロスで300トン前後の比較的高い水準を維持していることが注目点。

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