亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

減税案成立見通しで株は上がれどドルは下落。金は下げず、むしろ続伸

2017年12月19日 23時05分02秒 | 金市場

税制性改革法案の可決の見込みが高まったことで、週明けのマーケットの反応を見ものとしたが、ダウが寄り付きからジャンプスタートとなりそのまま140ドル高の続伸で終了。今年に入り70回目の史上最高値の更新はこれまでの記録更新となったとのこと(年間69回がこれまでの最高)。他の2つの主要指数、S&P500種、ナスダックともに高値を更新。スダックは一時初の7000ポイント乗せがあった。これでもか、これでもか、という株式市場の攻勢が続いている。

この中で、長期金利は上昇したものの2.392%と2.4%には達せず。税制改革法案成立への期待を映した派手な動きは、株式市場に偏っている印象。

こうした中で金市場は、前日比8.00ドル高の1265.50ドルで終了となった。約2週間ぶりの水準となる。ただし中身は、直近の下げ相場(調整局面)の中で積み増されたショート(売り建て)の買戻し、つまりショートカバーによるものとみられる。こ4日続伸となったものの、ETF(SPDRゴールド・シェア)の残高が7トン程減ったのが目に付いた。現物由来の資金が、税制法案の成立を機会に留まるのか抜けるのか、金の先行きを見る上で大事な様相となる。

下馬評では法案は本日、下院で可決される見込みとされる。可決された場合は、やはり動きが変わると思うが、材料出尽くしということがあるか否か。まずは、好感し株は続伸となるが、維持できるかどうか。

先週末は今回のFOMCにて反対票を投じた一人エバンズ・シカゴ連銀総裁が、声明文を発表したが、週明けにはもう一人カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が反対理由を表明。今年に入り3月に利上げを始め6月にも追加利上げを実施したが、景気が微妙な段階に差し掛かっているタイミングでの利上げが、賃金の伸びを抑えたり、経済活動の縮小リスクを高めた可能性があるとしている。利上げせずに2%の達成を待って、その後検討すべきという意見。もともとハト派で知られるが、カシュカリ総裁に近い考え方がどの程度いるか、年初に発表される議事録要旨の発表待ち。

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1 コメント

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プラチナ (読者)
2017-12-20 16:23:52
金の1230-1330見立て、見事でした。
アナリストの酷評ばかりの、最近のプラチナの強さを、どう分析されますか
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