亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

Turbulence(乱気流)の中へ

2007年02月28日 19時26分49秒 | 金市場
またまた出張中に波乱。昨日の当欄は午前中の飛行機の中で書いて結局更新は夜になってしまった(結果的に“晋ちゃん、まんじゅう”などという話題を書いてる場合ではなかったわけ)。昨夜は夜半2時頃、金価格の急落後の戻りを追いながらドル円を中心に為替の動きを見ていたが、途中から株価に関心が。上海株の急落は、そもそもバブルが指摘されていたので行き過ぎの調整という面で不可避だった。もっともそれが、いつ起きるか、あるいは規模は?という点では誰にも予測不能ということだった。それと正直言ってここまで広範囲に国際市場に影響を与えるとも思えなかった。それだけ大きく反応したNYの方も“熟れていた”ということ。昨夜からの一連の動きで思うのは、たまたま株価が(とりわけNYダウ)新高値を更新中で過熱を警戒する声がある中で、景気の先行きに対する楽観的ムードが後退しかけたタイミングであったことが、幅広く金融市場に心理的影響を与えたと思われる。日銀の利上げで、円キャリー巻き戻し観測も“熟れていた”しね。お膳立ては揃ってたことになる。米10-12月期のGDP(速報値+3.5%)が2%台へと下方修正される見通しが指摘されるなかで、1月の耐久財受注が市場予想-3%のところ-7.8%と減少幅が拡大したことでそれが現実味を増した。

これもグローバル化の新しい形ということだが、上海株の暴落といってもその実態は心理的なものだと思う。それぞれの市場に急落に結びつく個別の材料が潜在していて、「上海株暴落⇒中国の成長イメージ剥落」を引き金に「共鳴現象」が起きたという捉え方ができそうだ。「共鳴」が進んで「うなり」になったわけ。これ高校時代に物理の授業かなんかでやったような気がする。足元のマーケットはそんなようなもんでしょ。早晩、落ち着くものと思われる。

ただし、この金余り相場には常にこういった要素が付きまとっているということを、多くが再認識することで物色対象や投資手法また資金配分の見直しなどという行動につながりそう。中国株に詳しい人の意見も聞いてみたいが、そもそも最近の上海証取は投機大好き中国個人投資家(その実態は公金流用の可能性も少なからずあったりしてね)“鉄火場”であって、値動きが激しいといわれても都市部の富裕層が弄(いじ)ってただけではないか? つまり普通の市民は株式など保有していない。それを日本や欧米の市場と同じ目線でみると誤るのではないかな?つまり日本で起きたバブルの崩壊や、米国のITバブルの崩壊ほど個人消費や金融機関、企業などへの影響はないのではないかと思う。楽観に過ぎるだろうか?そこまで投資インフラは整備されていない国ゆえ、心理的な影響にこちら側のマーケットが“唸って”しまったように見える。

ドサクサで金価格はバンジージャンプ状態。飛び降りた位置が位置だけによく突っ込んだし、自律的な反発も急。金にはインフレ懸念(ドル安)以外にも信用リスク(ドル安)の高まりという材料もある。金は通貨とコモディティ、二束のワラジを履いた商品につき全方位型の反応をしてしまうわけ。
まぁ、後講釈はナンボでも書けるけど、先日からシートベルト着用サインは出ているとしてきたし、G7では円安へのお墨付きをもらったようだけど油断召されるなとも書いたし、あまり慌てる必要はないのではないだろうか。そのうち危機に瀕したヘッジファンドの話など出てきて、余震は続きそうだけど。

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1 コメント

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水浸しだよー (yuga)
2007-03-01 03:29:42
最後の大波がついに岩に砕け散ったって感じかな、、先生の忠告で非難したのは最高の出来でした、でも砕け散った後の水浸し状態これ嬉しいやら困ったらで、今は早くその水が乾かないかともう戦闘態勢、一服2服休憩してからなんて思ってはいたのですが現金なもんでもう早く次の一手を打ちたがってます(笑)世界市場では一時的な事ととらえてるようですが根が深いと時間がかかるし短気な私は買いところを間違えそうで(笑)それにしても大波にさらわれなくて良かった39です、、先生はかなり忙しそうですね、そんな中こうしてブログを書くのは大変だと察しますが今後とも沢山のニュースと金の状態やその時々のリズムを教えて下さい、、

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