JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

美薗で弾く  Whirl / Fred Hersch

2010-07-29 21:50:06 | 聞いてますCDいいと思う


記事のUPが随分出来ません。仕事のボリュームが影響しています。
乱暴に書いたような記事をそのままUPしてしまって、とても恥ずかしいものでした。
そして今でも、ビジネスは異常な状態なので、どうも上手く記事をかけません。
それでも何とかJAZZ最中を維持しようと思っていますで、ゆっくりと見てください。

そしてこれは待っていたのが、このアルバムです。
Fred herschの最新作だそうで、2010年1月の録音、とてもうれしい作品です。

なぜうれしいか、ハーシュのことをご存知の方なら理解いただけるでしょう。

私は輸入盤を買ったのですが、ショップで日本語解説を立ち読みしました。
弟子の日本のピアノストの方の文は、心がこもって、そして尚且つハーシュの音楽を捉えて、素晴らしいライナーノーツだと思いました。
私はそれを読んだ後にこれを書いているのです。

このアルバムをハーシュの人生の流れの中の一つだといってしまうことは出来ますが、ハーシュの現在の状況を思うと受ける感じは変わってきます。

ハーシュの曲がほとんどの10曲ですが、ファーストとしてはこれまでのアルバムと違う印象です。
1曲目より、これまでのアルバムにくらべタッチが柔らかく、タイム重視し、ピアノを優しく、上手く、鳴らせるように弾いている感じです。

ちょっと淡い感じ演奏が1曲目より6曲目まで続きます。
これまでのハーシュからは形のはっきりしたピアノ演奏という感じを受けていましたが、その形が溶けて淡く、その淡さの中にハーシュの存在が見えるような、それは霞の先で、そちらの世界に居るようなハーシュを感じるのです。
ハーシュは居る、でもすでにハーシュはこちらの側に居ないような、アルバムは素晴らしいと思いながら、悲しみを感じながら聴いているのです。

このアルバムは、ハーシュがピアノをどのように鳴らすか、それこそギリギリでみせていると感じるので、激しいフレーズの積み重ねは関係ありません。
ハーシュがここで表現したのは、ピアノを流れに乗って弾く、もっといえば、歌う様に弾くこと、その喜びをハーシュが残しいるように感じます。

7曲目表題曲は、その中では、従来の積み重ねられるフレーズが緊張を重ねる素晴らしい、演奏、このアルバムでは、この曲と、9曲目がシャープな切り口です。

ハーシュがこのあと、どのようなアルバムを残してくれるか解りません。
霞の中にハーシュが入ってしまったような、寂しさを感じながら聞いているアルバムですが、最後の10曲目ショーターに捧げた曲ですが“Still Here”はメッセージだと思います。

Whirl / Fred Hersch

Fred Hersch(p)
John Hebert(b)
Eric McPherson(ds)

1. You’re my everything
2. Snow is falling
3. Blue midnight
4. Skipping
5. Mandevilla
6. When your Lover has gone
7. Whirl
8. Sad Poet
9. Mrs. Parker of K.C.
10. Still Here


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 久しぶりに彼女に声かけまし... | トップ | 一つの足跡を残して RED SQU... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBさせて頂きます (中年音楽狂)
2010-08-01 15:29:29
monakaさん,こんにちは。

なかなかオンライン・ショップからはデリバリーされなかったこのアルバム,結局某ショップで現物を買ってしまいました。

Fred Herschのここでのタッチ(打鍵)にはあまり力感はありませんが,それゆえのはかない美しさのようなものを感じてしまいました。とにかく,これからも何とか頑張って欲しいものです。

ということで,TBさせて頂きます。
返信する
タッチの力に寂しさを感じます (monaka)
2010-08-01 22:37:43
中年音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
Herdchの状況をかんがえると、このようなアルバムにめぐり合えることが、それ自体ありがたいことに思えてしまいます。
このアルバムタッチが随分かわっていますが、そこも考え含めて聴いています。
タイトル曲の緊張感はさすがです。
ファンですから、とにかく応援していくのです。
返信する
こんにちは (ki-ma)
2010-11-07 12:32:50
こんにちは。これは私にとって初トリオですが、タッチがいつもと違うんですか。ソロとは違った味わいを感じていてこれはこれで非常に好きです。言われてみればソロの音とはエッジが違いますね。録音のせいかとも思いましたがいずれにしてもシトッとした感じはたまりません。弟子の日本語訳、気になります。機会があればチェックしてみます。トラバさせていただきますね。
返信する
ハーシュの現状 (monaka)
2010-11-07 21:45:28
Ki-maさん、こんにちはmonakaです。
このアルバム、タッチが特に違うという言うわけではないのです。
ご存知かどうか、Herdchは残念ながらHIVに罹患しています。
ですから、その状況で録音する新しいアルバムは、とても気になるアルバムなのです。
今度のアルバムはその意味、タッチがとても柔らかくなった録音だった感じるのです。
はっきりと表現するならば、自分の死を意識して演奏しているピアニストの音が、それを聴く私たちには、大切な一枚に思えるのです。
(Herdchを好きですから)
ゆっくりとHerdchの良さを楽しんでください。
返信する
これはイイですね (criss)
2010-12-16 23:05:10
今回のハーシュの生還はほんと、奇跡的ですね。正直なところ、こんなに弾けるようになっているなんて想像していませんでしたが、実に素晴らしい演奏です。幾分、タッチが柔らかくなったように思います。臨死体験は人格を変える、なんて言いますが、彼の音楽も微妙に変化しましたね。


ビーナスであれ、どこであれ、新作が楽しみです。
返信する
心が変わってますね (monaka)
2010-12-17 22:10:50
crissさん、こんにちは、monakaです。
自分の死がついそこにあった後に、人は自分をどのように表現するのでしょう。
このハーシュはそれを考えながら聴きました。
タッチがやわらかくなったこと、メロディも頭で構成しないで、思いをそのままに伝えているように感じます。
これまでの孤高のフレージングみたいなものはなかったですね。
いとおしむみたいに、1枚1枚付き合って生きたいと思います。
TBありがとうございました。
返信する

コメントを投稿

聞いてますCDいいと思う」カテゴリの最新記事