音楽という食物

ジャズ系を中心に好きな音楽について

Bill Evans / Some Other Time:The Lost Session from The Black Forest

2016-06-05 18:57:04 | ジャズ


Montreuxのトリオの別音源が発掘、というニュースは結構な衝撃でした。
状態や音質次第では結構な評判になるのではと思っていましたが、状態は予想以上に良く、実際話題になっていますね。

じゃあなぜ今になって?など、そんなこんな考えているうちに、
そういえば自分はあのDejohnette入りのトリオがそんなに好きではなかったということを思い出しました(笑)。
お城の盤で好きなのは甘美なイントロやソロだったりします。
そこはDejohnetteあんまり関係ないな、とか、他にもほしいCDあるしな、とか、もやもや考えていましたが、
まぁやっぱり買ってしまいますよね。そもそもEvansにそうそう駄盤はないのです。

そして一通り聴いて気付いたのは、Dejohnetteは一体どういうスタンスなんだろう?ということでした。
初めからガツンと入ってきているテイクは少なく、気付いたら叩いてる、気付いたら居ないという具合で、
ソロやデュオも結構多いので、聴ける音数自体が少ない。
入っていいのかな、いや、やめとくかな、なんて迷いを勝手に想像してしまいます。
未完のテイクや猫ふんじゃった風に終わるテイクもあるので、このセッション自体のテンションがよくわからない。
その結果、こちらの受け取り方もよくわからなくなってしまう訳です。


そんなこんなで一旦干されてしまったこの作品ですが、時間を置いて「You Go To My Head」や、「You’re Gonna Hear From Me」が無性に頭の中を回り始めました。
久々に聴くEvansですが、そういえばEvans本人の凄さとはなんなのか。頭に回る音について考えています。
今中毒的に音が頭を回っているのですが、この中毒性は最近の中では相当ヤバめのもので、つまりここにまずEvansの凄さを感じています。

ひとつには音の強さ。ヴォイシングを多用したテーマの中でシングルノートに切り替える方法は今までもよくありますが、そのシングルノートがもうめちゃめちゃ歌う。
気持ちがいかに乗っているかということだと思いますが、これはBud Powellなんかとも同じですが、一流のミュージシャンはここのシンプルなプレーでの強さが圧倒的ですね。

もうひとつはこの突っかかるような独特のタイム感、ニュアンスで、これだけ多くのピアニストに影響を与えてきたEvansですが、
誰一人Evans以上にEvansな人はやっぱりいなよな、というところでしょうか。
疾走しているようで逆に停滞というか、むしろバックしているんじゃないかというような、ある意味ものすごく「変」なノリは誰にも真似できないものなんでしょうか。
ものすごくメジャーな存在にして、ものすごくマイナーなノリは久々に聴くととても強烈な印象を受けます。
その人にしかないニュアンスというのは、やはりこういう世界では最大の武器になるものだと思います。


ということで、いつものEvansワールドを満喫して大満足な私ですが、Dejohnetteだから、という部分は正直見つかっておらず。
いつになったらお城の盤の真価が私にもわかるのか、と引き続き宿題を持ち帰るのでした。




Bill Evans / Some Other Time:The Lost Session from The Black Forest
●●●●● ●●●●○

Disk:1

1. You Go To My Head
2. Very Early
3. What Kind of Fool Am I?
4. I’ll Remember April
5. My Funny Valentine
6. Baubles,Bangles & Beads
7. Turn Out The Stars
8. It Cloud Happen To You
9. In A Sentimental Mood
10. These Foolish Things
11. Some Other Time


Disk:2

1. You’re Gonna Hear From Me
2. Walking Up
3. Baubles,Bangles & Beads
4. It’s All Right With Me [Incomplete]
5. What Kind Of Fool Am I?
6. How About You?
7. On Green Dolphin Street
8. Wonder Why
9. Lover Man(Oh,Where Can You Be?)
10. You’re Gonna Hear From Me [Alternate Take]


BiLL Evans-piano
Eddie Gomez-bass
Jack Dejohnette-drums


1968年作品


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Bill Charlap Trio / Notes From New York

2016-05-25 14:13:09 | ジャズ



安定のCharlapなのですが、逆にマンネリはマンネリなのかもしれませんが、
最近はこればっかり聴いているのです。

そう、新しいとかそういうことではなく。
良い音楽ということ。
よく忘れてしまうのですが、一番大事なこと。

1のオーソドックスなテーマ(だけどちょっとだけ高揚感のある)表現かと思えば、終始ぎりぎりのアウト気味に歌うソロとか、
2の一切のスピードの誘惑に乗らないどっしりとした大人な展開とか、
3のA-A-B-AのAの部分が8小節+1小節なのですが、その1小節の部分で出来るいろいろな表現がさりげなく粋だったり。

いちいち味わい深くてたまらないのです。

4なんかも癖になる色気があります。
5や9を聴くと、実は個性も十分だということも気付きます。
9なんてこんなスローにやる人いないでしょう。

8のブルースも、ジャズはこれだよねという気分になってしまいますしね。
シンプルで楽しい。

結構キメキメでアレンジされている部分も多いのですが、とてもナチュラルに響きます。
何よりこれだけぶれずに良作が続いているので、この人のストレートな表現なのでしょう。



個人的には彼の歴代のトリオ作の中で一番好きです。




The Bill Charlap Trio / Notes From New York

●●●●● ●●●●○


1.I'll Remember April
2.Make Me Rainbows
3.Not A Care In The World
4.There Is No Music
5.A Sleepin' Bee
6.Little Rascal On A Rock
7.Too Late Now
8.Tiny's Tempo
9.On The Sunny Side Of The Street


Bill Charlap-piano
Peter Washington-bass
Kenny Washington-drums

2015年録音
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Fred Hersch / Solo

2015-09-08 02:55:09 | ジャズ


ほぼ毎日Herschを聴いている身としては、新譜を聴くということはある種イベントのようなものです。
聴きながら思うのは、これはソロでも最高の出来なんではないかということ。
きっとイベントなんで勝手に盛り上がっちゃって毎回思うのかもしれないですが、冷静に考えてもそう思う。

一音であっちの世界に連れて行くOlha Maria、それに続くいつものO Grande Amor。
また違ったアプローチでさらに繊細に演奏されていていくPastorale。
心配してしまうスピードで始まるも、近年にはなかった驚きの技術力で難なくこなしてくWhirl。
Herbieも超名演を残した、それにも劣らないBoth Sides Nowなど。

間違いなく今後の自分の一部になっていく名演が続きます。
本当、自分の体を作っていく毎日の食事と同じだと思ってしまう瞬間なのです。


とんでもない超名盤。今年はもうこれでいいです。



Fred Hersch / Solo
●●●●● ●●●●●

1.Olha Maria / O Grande Amor
2.Caravan
3.Pastorale
4.Whirl
5.The Song Is You
6.In Walked Bud
7.Both Sides Now


Fred Hersch-solo


2015年作品
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Jason Mraz / Tonight, Not Again: Jason Mraz Live at the Eagles Ballroom

2015-08-16 02:43:54 | 洋楽



ここ2年くらいで洋楽では一番聴いている人です。

新しい感じのする音楽では無いですが、音楽の力が強くジャンルとか新旧とか関係なくなる領域にある人だと感じます。

本人の意思から音に至るまでがとにかくクリーン。
音楽性も聴きやすくて声質も含めてこれもクリーン。

ただならぬリズム感を感じさせるスキャット的なものをサラッとやってのけますが、
そういうものがナチュラルに発揮されると音楽は素晴らしいものになると、
ジャズを聴いていていつも思うことがここでも感じられます。

この盤はライブで、熱狂する観客が個人単位で結構バッチリ入ってしまってますが、一緒に聴いていると、
「しょうがないよね」
と思ってしまう。


そうなんです。なぜJason Mrazを聴くのかといえば、
すごく楽しくて、すごくカッコいいから。





Jason Mraz / Tonight, Not Again: Jason Mraz Live at the Eagles Ballroom
●●●●● ●●●●○

1. Tonight, Not Again
2. Not So Usual
3. Dialogue
4. No Doubling Back
5. You and I Both
6. Absolutely Zero
7. 1000 Things
8. Common Pleasure
9. Curbside Prophet
10. Sleeping To Dream
11. Unfold
12. No Stopping Us
13. The Remedy (I Won't Worry)
14. After An Afternoon
15. Too Much Food

2004年作品

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Toto / TotoXIV

2015-05-19 02:32:18 | 洋楽



洋楽で3枚選ぶとすると入ってくるのがTotoの「fahrenheit」です。
中学時代にダビングで溜まった洋楽のテープは400本近くになったのですが、「fahrenheit」は2枚目に借りたものです。これはもう聴きすぎて、何回かテープを新調して最終的には唯一のMetal-Masterになったりしました。自分の音楽バカはTotoで始まったようなものです。

何が好きだったのかと思うと、曲とアレンジのかっこよさ、何よりJosephのヴォーカルが好きだったのだと思います。よってJosephが脱退した「kingdom of desire」以降はjeff porcaroが居なくなってしまった以上に自分にとってTotoはTotoでなくなってしまったのでした。

しかしJosephのソロ作が良かったかというとどうもそれだけでは何かが足りず、トータルの音の世界観とグルーブ感が伴うTotoの中でのJosephが好きなんだろうなと思ったものです。


、、、さて、今回のTotoXIVですが、正直Josephの復帰ということはあっても声質が当時もものとは変わっていたと近作で思っていたのでそれほど期待はしていなかったのですが、これが30年近く前のTotoの空気感を強く持っているのです。Josephの声がハイトーンを取り戻しているのと、ドラムがSimonからKeith Carlockに変わったこと、それからシンセワークが近作以上にTotoらしいのかもしれません。

少年時代に刷り込まれた「fahrenheit」を超えるのは何を以っても不可能と前提があるだけで、本作にはこれ以上求めるものはありません。当時ほど露骨に格好つけた曲がないのも今の自分にとってはフィット感が強く、通して聴かされるとやや重いLukather色の曲もポイントで聴くとこれもまた良いです。TotoⅣの頃のグルーブを感じる曲もあり、それでいて過去の音かというとそうではなく、今の音のなかでTotoが表現できているという印象です。


いずれにしてもトータルの「らしさ」が自分にとってある水準を超えたらしく、まさかの「Josephのいた頃のTotoのあの感じ」が2015年に新作として届けられたことがもうビックリとしか言いようがないです。そして音楽の原体験の大きさ、というものを感じずにはいられません。ひとつひとつの音に脳が大喜び、音楽は食物だと感じてしまう瞬間だったりします。



Toto / TotoXIV
●●●●● ●●●●●


01.Runnig Out Of Time
02.Burn
03.Holy War
04.21St Century Blues
05.Orphan
06.Unknown Soldier(For Jeffrey)
07.The Little Things
08.Chinatown
09.All The Tears That Shine
10.Fortune
11.Great Expectations
12.Bend


Joseph Willams-vocal,BG vocal,keybards(10)
Steve Lukather-guitar,keyboads,bass(5,6,11),BG vocal
David Paich-piano,synths,bass(9),vocal(9),BG vocal(2)
Steve Porcaro-synths,vocal(12)
Keith Carlock-drums,BG vocal(2)
Lenny Castro-percussion
CJ Vanston-synths,BG vocal(2)
Tim Lefevbre-bass(1)
Lee Sklar-bass(2)
David Hungate-bass(3,4,7)
Tal Wilkenfeld-bass(9,10)
Tom Scott-saxes(4,8)

Michael Mcdonaid-BG vocal(6,8,10)
Mabvuto Carpenter-BG vocal(5,11)
Amy Keys-BG vocal(4,6,8)
Jamie Savko-BG vocal(1,2,11)
Emma Williams-BG vocal(2)
Martin Tillman-cello(6,7)


2015年作品

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