１月 文楽 新口村

国立文楽劇場　　　１／５（土）　　  

去年の１０月に歌舞伎座で観たばっかだし…。
そんなにこの段が好きなわけじゃなし…。
あんまり気合入らないなぁ…。

傾城恋飛脚（けいせいこいびきゃく）

新口村の段

忠兵衛が封印切って、只今梅川と逃亡中ー。

ウキャ～♪
清之助が、シュッとした顔やから、
忠兵衛の頭（源太）とのツーショットにドキドキ♪
エエ感じやん。

忠兵衛が「家来も同然」という百姓の家。
歌舞伎だと、家の裏手っちゅうか横手って感じだけど、
文楽は、玄関と奥の間を見せてるのね。

とっかえひっかえ色んなヤツが、
この家の様子を窺っているぞ…。

女房が出て来て、
当の本人達とは気がつかず、
村中が噂してるスキャンダルをベラベ～ラ。

とにかく、忠三郎を呼びに行ってもらおう。
「飯炊きの途中だから、後宜しくね」
梅川を女中さんと呼んで、女房は出てったよ。

え、梅川はちゃ～んと見てあげるんかなぁ。
それにしても、オモロイよ、こんな台詞があるとは。
ククク。

２人は正々堂々と家へ上がりこむー。

忠兵衛の父に会うために、
ここ、大和の新口村まで来たんだけど、
梅川だって、自分の両親に会いたかった。
ポロ…と洩らすその言葉が、心にチクリ。

√涙の霰はらはらと、袖に余りて窓を打つ
「ハア雪が降るさうな」

おもわず外を見ると、
寺へ法話を聞きに行く村人が、
１人、２人、３人ー。

あれは誰々で、ああいう人。
そっちは～。こっちは～。
そう梅川に話している忠兵衛の目の前に…
父・孫右衛門の姿が！！

梅川に「良く似た親子だ」と言われて、
「それ程似ている親と子が言葉さえ交わせないとは…」
手を合わせる忠兵衛。
梅川も「未来で親孝行致します」
夫婦諸共手を合わせ…涙、涙。

√鼻緒は切れて横さまに、どうと転べば
『南無三』と、忠兵衛もがけど出られぬ身

スッ転ぶ孫右衛門っっ！
とっさに出てきて、上がり口で介抱する梅川。

村では見かけない娘。お手てスベスベ。
もしや、
息子が事件を起した原因の女では…。
疑いだす孫右衛門。
そうか、近くに息子がいるのだ…。

一昨日、養い親が捕まった。
だから、自分が息子を見つけたら、
縄をかけねば義理がたたないー。

√サゝ覚悟を極めて名乗つて出い。
覚悟極めて名乗つて出い。

ダダダダっと走り出た忠兵衛を、
グイグイっと部屋の奥へ押し返す孫右衛門。

√今ぢやない今ぢやない今の事ではないはい。

スッゲェスッゲェスッゲェ～！！
人形だからハイスピード！
ほんの一瞬の事なんだけど、
だからこそ心がギュ～ッと詰ってるんだヨ。
ああ、ハートが痛いよぉぉぉ。
笑ってくれるなお客さん。泣いておくれよ…。

√したがそれもどうぞ親の目に
かゝらぬ処で縄かゝつてくれよ。

目隠しをした孫右衛門、息子と対面ー。
手と手を取ってただじっと…。
ハラリ…。
梅川が目隠しを外してあげて…。

たぶん、そうしたよね（コラコラコラコラ！）
２００８年も初っ端から、
住大夫の語りで気持ちよ～く
♪飛んで飛んで飛んで回って回って回る～♪
円広志の世界へテイクオフ。

ドヤドヤー！人の気配がっ。
やっぱりや！
ここまで追いかけて来たのか、八右衛門。
相変わらず根性悪いやっちゃなぁ。
逃げろっっ。

この次の場面がねー。
忠兵衛と梅川が逃げてゆく姿とか、
遠くを歩く様子をみせる”遠見”（歌舞伎では子役が演じる）
それを孫右衛門が見て、手をあわせ…
幕
っちゅ～んじゃないのんじゃ！！

姿が見えなくなった２人を案じながら
そうして、
ゆっくりと傘を差して出掛けて行くんじゃー。
孫右衛門が…。

きっとお寺に行くんでしょ。
平常心を作るんでしょ。
何もなかった様に振舞うなんて…。
涙をグっっと堪えるなんて…。

嗚呼、思っただけでも辛い…。
胸にギュンギュンくるー。
イマジネーションの翼が羽ばたいちゃうぞ～。

こんなエエ幕切れ、誰が考えたんやー。
ＶＩＶＡ！文楽

その他の”新口村”は
　歌舞伎（２００７／１０　歌舞伎座）
　バウ・ミュージカル「心中・恋の大和路」　（２００７／４ 東京芸術劇場）

その他のレポは
初春文楽公演　１／３～２４
　第１部　七福神宝の入舩　
　　　　　　祇園祭礼信仰記／金閣寺の段　爪先鼠の段 
　　　　　　傾城恋飛脚／新口村の段 

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