アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

十三代目片岡仁左衛門 若鮎の巻

2008年03月11日 | 歌舞伎

 

下北トリウッド    3/8(土)  晴れ

以前この映画を観た、
ポレポレ東中野もバリバリのミニシアターだと思ったけど、
ここってばもっとスゴイっっ。
下北トリウッドは47席!
短編用の映画館なんだって。な~る。
初日だし、休日だからなの?…いっぱいだぁぁ。

歌舞伎役者 十三代目片岡仁左衛門
 全6部・10時間41分のドキュメンタリー

WOOOO!
のっけから十五代目の映像がっっ♪
ちょっと照れくさそうに、
「はっきり言って尊敬する父でございます」
父親への畏敬の念と、
映画を観てくれる全ての人への感謝の気持ち。
そういうハートがジンジン伝わってくる。
ええ息子やなぁ。

若鮎の巻 (102分)

仁左衛門83歳
S62(1987)年の夏。
若手グループの自主公演に一役買って出た13代目。
自宅での稽古から始まる。

「一条大蔵譚」 「傾城反魂香(吃又)」

台詞には流れがある。
節回しを駆使して、テンポが出来上がる。
声の高低にも理由がある。

2日、3日と延々続く稽古を見ていると、
そんな事が解った。フムフム。

愛之助か!Loveりんなのか?
2日目の稽古場で、仁左衛門の横にいるのは…。
ムムム。若いっっ!(当たり前)
正座して床に台本置いて、ジ~っとしてるだけ。

ねぇねぇねぇ。
歌舞伎俳優って、台本丸々頭の中に入ってんの?
それが普通やの?
それとも13代目は特別?
ほら、時刻表も諳んじるっていうやん。
暗記力が抜群ってことかなぁ。

それにしも…、
何回舞台で務めると覚えるもんやろか。
自分の持ち役だけちゃうで!
女形の台詞、動き。
音楽は、太夫&三味線。ね!
これぜ~んぶ出来てしまうわけよー。

だから、
”演出家”っての不要になるんだぁねぇ。

脳みそバ~ン!
…にはならへんのやろねぇ…。
そんな13代目を眼の前にすると、
おくちアングリー。

自宅でインタビューに答える仁左衛門。
テーブルの隅っこに、
キュートな熊のぬいぐるみが…。ステキ♪

稽古場所が浪花座別館に移ると…。
ドヒャ~~~。
音も入って、振付も入って、
我當(演出助手だね)も加わり賑やか!

だから、
緊張感でアップッ!アップ!してまっせぇ。
後何日稽古出来るんやろか…。

大蔵 「鼻の下の長城と笑わば笑え、言えば言え、
    命長城、気も長城、たゞ楽しみは狂言舞」
          √暁の明星が西にちらり東にちらり、ちらりちらりとする時は、
           トよろしくあって、本釣鐘を打ち込む。
    「アリャもう夜明け、夜明けぬうちに早ういね。」
          √住こうとも戻ろうとも何ともあなたのお計らいというては小腰に取りついて
常盤 「逢う時の嬉しさより、今の名残りが惜しまれて、」
お京 「きょうの別れが、モシ。」
          トお京かけ寄るを、大蔵さゝえて、

本番ガンバッテはった。
でも、やっぱり出来ない箇所があったなぁ。
この「若鮎の会」は8回目。
「彼らは1年に1回しか台詞のある大役が出来ない」
そう舞台挨拶する13代目。

「パーフェクトに演ることは無理。でも”形”になることが大切」
なんにでも”型”があるもんな。
「ま、こんなもんかな~」は御法度。
基本、基本、基本ありき!
バレリーナが、
毎日バーレッスンから始めるのと一緒。

「”鼻濁音”もちゃんとやってちょ~だい」
ひぇ~。
上方にそんなもん存在せーへんのよ。
だから、
それが出来たら箱根の山を越したも同然ー。

「義太夫を語れなあかん!」
13代目の声って色んな音程が出てるんヨ。
ビックリぃ。

終演後は羽田監督の挨拶。
国立劇場制作の”義太夫狂言の演技”かな(コラコラ)
それを制作するために、
十三代目に会ったのが始まりだったとか。
「歌舞伎はあまり知らなかったけれど、
仁左衛門さんの人柄に惚れました」
そうして、
ドンドン撮影している間に、ドンドン超長編にー。

上方歌舞伎の復興に命を捧げ、
歌舞伎をこよなく愛した人。
十三代目片岡仁左衛門の心が、
ビシバシ伝わってくる10時間強。

さぁ、これから28(金)まで
濃密な時間を過ごそうぜい!

3枚つづりのお得なチケットは、
当日のみ可能…。
アチャ~。1日に3本も観れないぃ。
これだけ観て、フラフラしながら帰った。アハハ。
また今週末にトライ♪

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うらやましー (メグ)
2008-03-11 12:33:02
かしまし娘さん ご紹介有り難う。臨場感あふれるコ
メントやっぱり見たくなりました。時間があればなー
4月は21年ぶりの歌舞伎座での弁慶これは絶対見逃せないしあーーーー迷います。
返信する
♪♪♪ (かしまし娘)
2008-03-11 12:58:25
メグ様、まいど!
時間を作るのが難しいですよね。
私も全作品の制覇はちょっと難しいかも…ガックリ…。

>21年ぶりの歌舞伎座での弁慶
ええ?そうでしたっけ…。
あ、私が観たのは大阪松竹座でした!
富樫:富十郎 弁慶:仁左衛門
松竹座が安宅関に変貌するほど、大声を張り上げるでもなく、大振りするわけでもなく。
リアルな2人に感激したのを覚えてます。
その前に、団十郎×猿之助を歌舞伎座で観たから、なお印象が強いんですけど(笑)
返信する
すれ違い? (よんたん)
2008-03-12 08:48:27
かしまし娘さま、こちらでもまいど!

あ~、この日、私たちニアミスしてますね~。
実は私は「人と芸の巻 上」から見たんですよ。
こじんまりとした劇場でいいですね。
スクリーンを見ながらみんな笑ったり泣いたりしていました。(私もそうでしたが)

「若鮎の巻」は同じ日の夜の回を見ましたが、
真剣な表情につい引き込まれてしまいました。
つい自分も鼻濁音とかアクセントとか声に出しそうになったりして(笑)

私も今週末行きますよ~♪
返信する
あ!ほんとだ (かしまし娘)
2008-03-12 11:38:18
よんたん様、まいど!
3本連続でご覧になったんですよね。
よんたんさんブログを読み逃げしたのは私です!ごめんなさい…。
終わった後は観客席から拍手。それってステキなことですよね。
そうそう、鼻濁音のことを仁左衛門は半濁音と言っていた。
そういう言葉もあるのかと…。「ガギグゲゴ」は奥が深い(笑)
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頑張る。 (じゃらん)
2008-03-13 10:22:59
わたしは、無精なので一日で制覇しようと
企んでいるのですが。。。
結構キビシいかしら~
いつも歌舞伎座で寝てるぢぶんには(苦笑)
返信する
ビシバシ! (ムンパリ)
2008-03-13 12:49:10
かしまし娘さん、すっごくエエ雰囲気ですね!
ビシバシが伝わってくるレポ。ありがとうございます。
東京の人でもなかなか全部見られないんですよね。ちょっとだけでも見られる私は幸せかも。映像でしか見たことのない私でもビシバシは受け止められるでしょうか?(笑)。
ところで、当代の照れくさそうな映像はどの日でも、どの回でも流れるんでしょうかね~♪ それも楽しみだなあ。
返信する
頑張ってください! (かしまし娘)
2008-03-13 13:38:22
じゃらん様、まいど!
ヒョエェエエ。私には出来ないぃぃ。
ドアップな画面だから寝ない気もするけど…。
いかんせん、暗いですもんね…。
きっと大丈夫ですよ!ガンバッテ下さい!!
首が疲れない席を陣取って下さいね。フレ~フレ~♪


ムンパリ様、まいど!
>東京の人でもなかなか
いや、根性のある人はじゃらんさんの様に出来るんですよ。
よんたんさんも3本まとめてご覧になってるし。
私だけが、チョビチョビしみったれた観方してるから制覇出来ないのさ。
アッハッハ。

>照れくさそうな映像は
どうでしょうか??
また2本目にチャレンジする時に確認しま~す。
返信する
ビデオレターもよかった! (ぴかちゅう)
2008-03-18 01:18:00
当代仁左衛門のビデオレター、毎回上映前につくので私は2日連続で通ったので6回も観てしまいました。思わず、後ろの胡蝶蘭の贈り主の名前までチェック!中村メイコさんからのがありましたね。
なんと、初日一回目の上映は同じ場所にいたんですね。またもニアミス、残念でした。
花粉に負けていて、感想のアップはちょびちょびのペースですが、頑張りたいで~す。
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ビデオレター (かしまし娘)
2008-03-18 10:08:30
ぴかちゅう様、まいど!
ビデオレターのラスト。
当代の満面の笑みにちょっと恥かしかったりして…。
気分は”2人っきり”なもんで。場内暗いし(笑)

制覇なさったのですね。私はまたしても無理かもです。トホホ。
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