我が家では30年以上も宅配の牛乳をとっていた。
家族全員牛乳が好きというわけではない。たまには料理に使う事もあるが、牛乳が好きな私がひたすら飲む。
牛乳はカルシウムが豊かであるがそんなことに期待しているわけではない。子供の頃からの習慣で牛乳いつも身近にあったことが理由で、牛乳がないと寂しいからである。
この数年間で私が把握しているだけでも宅配小売店が3軒廃業した。
ここ3年ほどは秋田市では唯一となった牧場で生産されている「鈴木牛乳」900ml瓶入りを週3回病院まで配達してもらっている。
(週に3本私が飲んでいる瓶入り牛乳)
秋田近郊ではかつては20ヶ所も在った牧場は、今や鈴木牧場のみとなった。秋田市太平山の麓で家族3人で頑張っている、とのことである。
酪農家の廃業が続いているとのニュースに関して私は無関心ではいられない。
農水省によると、2022年2月時点の乳用牛の国内飼育戸数は1万3300戸と、前年から3.6%減った。
ロシアのウクライナ侵攻に端を発した飼料価格の高騰で採算が悪化し、酪農家戸数は約14年前の水準にまで減少した。最後の砦として酪農家の収入を支えてきた子牛の価格急落が重くのしかかる。2020年時は平均10万円以上であった子牛が千円程度のこともある、という。
我が国の食料危機はこの30年ほど前から懸案事項で、私は心配してきたが、識者や政治家が正当な対策を怠ってきたためにその状況はむしろ悪化傾向にある。この人口減、高齢化の中でもう不可逆的状態に至ったと思っている。よほどドラスティックな対策をしないと改善しないだろう。
牛乳の宅配店は約9千軒。 ピークの2016年から50%も減った。
宅配店が直面しているのは「需要減」「価格競争」「後継者難」「ガソリン代の高騰」 の四重苦。
少子化で学校給食や家庭の牛乳消費が減る一方、若い女性には「太る」イメージで嫌われた。
宅配店にはコスト増を吸収する余力は乏しく、個人経営が多い宅配店には、高齢化の波がじわりと押し寄せている。
今後はさらに牛乳の販売はコンビニやスーパーが中心になるかも知れない。牛乳の消費量は一層不安定になると思われる。