マキペディア(発行人・牧野紀之)

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静岡県立図書館のあり方

2019年12月14日 | サ行
   静岡県立図書館のあり方

 まず、新聞記事をひきます。

1、図書館の移転優先。東静岡駅前、「文化力の拠点」構想

 JR東静岡駅前の県有地で進められている「文化力の拠点」構想について、県は民間が提案するホテルや駐車場の整備計画を据え置き、老朽化が進む県立中央図書館などの機能移転を優先させることを決めた。12月2日の県議会12月定例会で川勝平太知事が明らかにした。
 「文化力の拠点」構想は、東静岡駅南口の2,4haの土地に、多目的施設を整備して文化や産業などの情報発信をめざす。県によると、今年3月、施設に導入する機能をまとめた整備方針を策定。事業計画案を公募し、4者から参加申し込みがあったという。

 ただ、民間施設棟と併設する図書館棟の来館者想定などをめぐり、調整がつかず、県が主体となって1期整備を進めることにした。計画では、1万6000平方㍍規模の図書室や多目的スペースのほか、レストランなどが入った施設を建設する。22年度に着工し、24年度内に完成。その後、2期整備に取りかかる方針だ。

 構想は2014年からの有識者会議や専門家会議を経て、2016年8月に基本計画案がまとまった。当初は現在の図書館を研究専門施設として残し、一部機能を拠点施設内に移す計画だった。だが、図書館の閲覧室でひび割れが発覚するなど、老朽化が深刻だったため全面移転を決めた。
 3日の定例会見で川勝知事は「(ひび割れで)図書館が使えなくなったのは緊急事態だった。なるべく早く皆さんが楽しめるようにしたい」と話した。(朝日、静岡版、2019年12月4日、増山祐史)

2、県、事業費最大270億円試算。文化力の拠点、図書館棟整備かさむ

 県がJR東静岡駅付近に計画する「文化力の拠点」の事業費を最大270億円と試算していることが6日の県議会で明らかになった。当初、民間企業が整備予定だった商業ビルや立体駐車場の建設が見送られ、まず、県が図書館棟を公費のみで建設することになり、費用が膨らんだ。

 坪内秀樹県議(自民)の代表質問に県側が答えた。県は2016年8月、東静岡駅南口の県有地(約2,ha)に整備する基本計画案を策定。今年3月、「県立図書館」「県産農産物を使った飲食店や物販」「AI(人工知能)やICT(情報通信技術)の集積」を柱とする施設整備方針を示した。

 民間企業に事業計画案を募るにあたり、県は図書館の集客見込みを年間約100万人とした。だが、県立中央図書館の来館者は一部休館した17年が約14万人、16年以前も年約22万人程度。事業計画案を出した民間企業4社からは「図書館のにぎわいが見えない」「リス
クがある」などの意見が出て調整が難航した。このため、県は図書館棟の延べ床面積を1万6000平方㍍から2万7000平方㍍に増床。三つの機能を1棟に担わせる計画に変更し、まずは県単独で整備することにした。

 川勝知事は「県立図書館の来館者は岡山が100万人、山梨が90万人。本県でも100万人は十分可能」と答弁。年度内に施設整備計画を作り、来年度予算に設計費を計上、24年の完成を目指す方針を示した。

 これに対し、坪内県議は、「大きな集客力があるか疑問。現実的な計画に変更すべきで、十分な議論や説明も必要だ」と指摘した。(朝日、静岡版、2019年12月7日、阿久沢悦子)

3、牧野の感想と意見

 ① 行政のトップと言うか、何らかのレベルの政治権力を握っている「偉い方々」というのは、どうしてこうも「大きな建物」を作りたがるのでしょうか。理解できません。

 現在の静岡県立図書館をどうするかの問題は、私見では、昨年の初夏くらいに、建物の天井のひび割れがひどくなった、と言うことから出てきたのだと思います。根本的には、これまでの図書館が古く成って、何とかしなければと言われていたのでしょうが、直接、大騒ぎになったのはあれからだったと思います。直ちに数ヶ月間の使用禁止の後に、貸し出しだけは再開されました。私も、貸し出しの請求をしました。

 この間に、私は川勝知事に私案を送りました。その案の根本は次のようなものです。即ち、この際、県立図書館と市町の図書館との役割分担について関係者で話し合って共通認識を持つこと。そして、県立図書館の任務を4つ位に分けて、それぞれの任務に相応しい建物を、県下の4ケ所に分散して、建てること。

 知事からの返事はなく、担当者からの返事がありました。内容のないものでした。そもそも知事には「静岡市一極集中を是正しよう」という問題意識すらないようです。

 ② 私はこのに上の私案をここに発表すると共に、その案を有効にするためのインフラを提案します。即ち、現在のように、県民が県立図書館や自分の住む市や町とは違った所にある図書館から本を借り出すシステム(「おうだんくん」と言います)を、自分の住む所の図書館から借り出すのと同じシステムにすること。つまり自分の地域の図書館に行って書面に必要事項を書いて提出し、到着するのを待つシステムを止揚することです。

 ③ もう一つ、現在の図書館への希望を書きます。全集物の場合、自分の欲しいのはその内の第何巻に入っているかが分かるように、例えば「フォイエルバッハ全集、第内巻」だけでなく、その巻に入っている論文の題名だけでも分かるようにすることです。そうでないと、全体で十巻あるとすると、その全部を取り寄せて見なければ分からない、ということになるからです。これは現在、そういう不親切な状態になっています。この点については、かつて図書館で投書をしたのですが、返事がありません。

 私案①に賛成の人は、SNSか何かで、これを拡散してくれませんか。

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