マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

だけ

2007年01月23日 | タ行
 1、「だけ」は「丈」が変化したものだそうです。

 2、「だけ」の使い方というか位置について考えてみます。

 (1) われわれの目はそこにだけ集中してしまう傾向がある。
 (高橋英夫『ドイツを読む愉しみ』)

 感想・そこだけに集中してしまう、もあると思います。

 (2) 特にクラスが複数の国籍の学生から成り立っている時には直接法が一番良い方法かもしれません。でも相手がマレー系のマレーシア人だけの学生の場合、マレー語と日本語のバイリンガルの教師がいて、必要な文法説明などをマレー語でしたら、どんなにかスピーディーで効果的な授業が出来るとお考えになりませんか。
 (佐々木瑞枝『留学生と見た日本語』新潮社)

 感想・「相手がマレー系のマレーシア人の学生だけの場合」か「相手がマレー系のマレーシア人だけの場合」かのどちらかにして、「だけ」は最後に持ってくる方が落ちつくのではなかろうか。

 3、「新明解国語辞典」には次のように用例が挙がっています。

 いいだけ取りなさい、やれるだけやろう、これだけは確かだ、君にだけ話す、二人だけでやろう、わざわざ行っただけのことはあった、がんばっただけあって成績が上がった、練習すればするだけ進歩する。

 感想・これらの中で「だけ」の位置をずらしてもよいものを考えると次の案が浮かびます。

   君だけに話す、
   二人でだけやろう(これはかなり無理がある)。

 無理のないものは「そこにだけ」と「そこだけに」、「君にだけ」と「君だけに」です。

 すると、「だけ」は「に」とだけは位置が交換できる、と言えるのかもしれません。