土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

石破茂氏の選択

2020-09-04 10:14:33 | 工程表
 石破茂という人は、自民党党員には人気があるが、国会議員からはそうではない。この度の安倍晋三氏の総裁辞任に伴い3人が立候補している。石破氏は国民からも日本国首相として期待があり、ある調査によれば人気も最高点を獲得している。しかし、自民党の派閥が早々と菅氏を後継総裁として選出するように方向づけ、勝負にならない。大統領制なら恐らく石破氏が今後日本国をリードしていくことになるのだろうが、議員内閣制のもとでは今回も芽が出ることはないだろう。

 中曾根氏が田中角栄の門を叩いたことが、中曽根内閣の誕生を決めたと、渡邉恒雄氏が言っていたが、石破氏は群れることや寝技を使うのは苦手なのか、あえて信念を貫くため、裏技を選択することを避けているだろうか。

 新型コロナ禍の中、対応に期待が持てると思うのは、3人の中では石破氏が一番ではないだろうか。しかし、恐らく石破氏が手腕を発揮する場面は当分ないと思われる。石破氏ではならないほど、新型コロナ禍が切迫していないのは、国民にとっては幸いであるが、不謹慎ながら石破氏にとっては不運とも言える。

 石破氏なぜ群れようとしないのか推測してみると、もし総理になったとしても、大臣の任命を派閥順送りでなく、能力本位で人事を断行したいと考えているのではないだろうか。故に、派閥に媚びないで、孤高の雰囲気さえ漂う。しかし、人の価値は他人が決めるのである。石破氏は自分の能力に自信を持っているようであるが、悔しいことながら他人が認めてなんぼである。国民の一人として情けないが、力の誇示と利権に染まった派閥政治がまかり通る日本の現状では、石破氏がその持てる力を発揮する道はまだ遠いだろう。