土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

新型コロナウイルス感染防止と想像力

2020-05-08 09:55:54 | 工程表
 感染症の専門家が、新型コロナウイルス感染を防ぐのは「想像力」だと言っていた。パチンコ店に行列をなして押しかけているニュースを見て嘆息した。現実に身の回りで遭遇したのだが、言わば命を懸けて食料品を売ってくれているスーパーの定員の方々に対して、これまで通り奥様に旦那が用事もないのに付いていたり、子供を大勢連れて来ていたりするのを見ると、想像力が欠如しているのを嘆き、怒りのようなものが沸いてきた。売る方もだが、行く方も危険に身を晒しているのだから。

 国内で医療従事者の子弟が、登校をしないように言われたとか。高知県内でも新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者でもない方の児童が、登校を遠慮するように言われたという話を聞いた。これは穢れ思想からくるものだろうか。

 インドでは医療関係者が石を投げつけられるという信じられないような映像がニュースで流れていた。インドでは食に対する禁止事項と嫌悪感もあると言う。こちらも宗教的な意識なのであろうか。ただ、インドを詳しく知らないので、裏には社会的な事情が隠されているのかも知れないのだが。

 両者ともに、もし自分が感染した場合にはどうするのだろう。想像力不足であり、思いやりの欠片もない。なによりも冷静で客観的な思考が欠落している。はなはだ非科学的であり、嘆かわしい。

 一方イタリアでは夕暮れ時、医療従事者をねぎらうために、日本人バイオリニストが屋上でひとり演奏しているニースが報道されていた。医療従事者たちが窓に出て、緊張の連続した献身的な勤務のひと時のやすらぎと、連帯と共感に対する感情の交流がただよい、涙が自然とあふれてくるシーンであった。医療従事者の聞き入っている姿は、感動的でもあり言葉には表せない命の、生そのものの意味と意義を問われているような思いがした。そして、バイオリニストの衣装の赤いドレスが、コロナウイルスとの闘いを象徴しているようでもあり、また、地平のかなたに沈んでいく夕日の赤を想像し、コロナの終焉を迎えるようにとの祈りのようにも思えた。