ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「恋人たち」今を生きるすべての人に

2015-12-01 18:22:18 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆

PG12です。

「ぐるりのこと。」で数々の映画賞を受賞した橋口亮輔監督作品。

題名から想像される、ラブロマンスではありません。(甘い映画好きには不向きです)

もがき苦しみながら生きる3人を描いた、生きる苦しみと生きる望みを描いた作品です。

橋口監督自身が、ゲイであり、うつであり、借金まみれな生活。そこからひねり出された生きづらい現代への叫びなのです。

初めての主演を張る主役たちは、橋口監督に見いだされ、普通の人間の魂の叫びを具現化しています。

通り魔事件で、妻を無くし、裁判のため奔走する篤。突如現れた男に心を奪われた行きどころのない主婦瞳子。愛する同性愛者から裏切られた高慢弁護士四ノ宮。

だが、脇役にベテランを配する周到さ。

篤に生きることを説得する片腕の先輩を演じる黒田大輔。瞳子に惚れられるも、薬中毒の光石研。四ノ宮のゲイ相手の山中聰。

金に困り、健康保険をなんとか、続けたい篤を、けんもほろろにあしらう役所の非道さ。

健康水の販売にうつつのカップル。

弁護士に、ピーチくぱーちくしゃべりまくる女子アナ。

出てくる人たちは、日常的にそこここにいる人たちだが、どこか狂っている。

まさに、そんな日常の積み重ねが「恋人たち」だ。

見た後に尾を引く、最近の日本映画にめずらしい作品だ。
コメント (1)
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