ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「さまよう刃」、強姦して殺された娘の復讐にかける父親の情念

2014-09-27 19:14:46 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

韓国犯罪映画好き ☆☆☆☆

ワタシ的には、復讐に萌える父親像に感情移入して、最後までくぎ付けでした。(娘を持つ父親でこそわかる父娘の感情)

東野圭吾原作で、日本でも寺尾聡主演ですでに映画化されている。

ただ、韓国では、国状も違い、かなり大胆な改変をしているので、リメイクではなく、再映画化だ。

織物工場で、上司に叱られながら黙々と働く実直な父親。酔っ払って帰って、娘にちゃんとした応対をしてやれなかったその翌日、娘は挨拶もなく、怒ったふりで学校へ出かけた。

その夜は雨、残業で迎えに行ってもやれず帰ってきたが、娘はいない。(これが、最後まで娘にきちんとしたことをしてやれなかった苦悩の原点がある)

翌日、職場に刑事が訪ねてきて、娘の死を告げられる。ぼうぜんと事実を受け止められない父親。

これらの事件を追っている刑事は、少年法ゆえに早く出所した青年の態度に、罪の意識が乏しいのを気に病んでいる。それゆえ、父親の怒りの気持ちに同情的だ。

そして匿名のメールで訪れた先の家で、娘が薬を飲まされ、強姦され、殺された様がDVDに撮られていたことを知る。そこで、こらえきれず、帰ってきた少年をバットで殴り殺す。

もうひとりの少年を追って、雪深き街へ。

そこには、少女売春の宿があり、更には、スキー場へ。この雪山での格闘はやや冗長。だが、父親は凍死寸前までいって、夢で娘に出会う。そこでやっと人を殺す罪の深さと、愛するものを失った喪失感がわき上がってくる。(ラストにつながる)

韓流らしい強引さも秘めながら、主演のチョン・ジェヨンの好演(むしろ彼のキャラだからこそ光るのだが)と監督イ・ジョンホの粘り強い演出が、映画に迫力を与えている。

警察の動きもかなり丁寧に描かれ、警察ものとしても見られる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする