星のひとかけ

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10月になりました…:マイケル・オンダーチェ『ライオンの皮をまとって』

2019-10-06 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
10月になりました…

金曜日、、 以前 ここに(>>)読書記を書いた フォルカー・クッチャー著のゲレオン・ラート刑事シリーズのドラマ『バビロン・ベルリン』が、、 BS12トゥエルビで放送開始されるとその日の朝に知って びっくりしました。

早速、 2話ぶん見ましたが面白かったです。 1929年のベルリンの、映像のリアリティが半端なかったですね。。
こちらの↓ 映画ナタリーを見たら、 スタッフには 映画『青い棘』の監督や脚本家も名を連ねているそうで、 『青い棘』は映像も美しかったし、 サウンドトラックも、デカダンスなストーリィの雰囲気も、役者さんもどれも素晴らしかったので、 『バビロン・ベルリン』の映像もTVというより 映画並みに見事なのも頷けました。 16話にわたって放送されるそうなので 今後も楽しみです…
https://natalie.mu/eiga/news/347123

、、 でも、 小説のラートはあそこまで悪辣じゃないゾ… ジャンキーでもないし、、
リッター嬢の身の上も 小説とは違っていましたね、、。 TVのほうが 色々とよりスキャンダラスな設定になっているみたい…

 ***

、、と

来週も楽しみ、、 と書きたいところなのですが、、 ちょっと ぷち入院をしてくることになってしまいましたの。。。

せいぜい一泊二日くらいかも、、 と 思ったら、、 約一週間かな、、とドクターに言われ (ええーーーっ!) 、、 でも 心臓の手術ではないのでご心配なく、、。 奥歯を抜くのに(心臓の手術してるから)入院しないと抜けないのですって、、 それだけのことなんですけど。。
、、 できれば週末に帰って来たいものです。。 (発熱したら10日くらい留め置かれるそうで… いやん)


 ***




 「君の髪が好きだ」と彼は言った。「ありがとう… 協力してくれて。酒を飲んでくれて」
  彼女は真剣に身をのりだして彼を見つめ、今度は顔をよく見た。 言葉はもう彼女の皮膚の裏側にあって、いまにも出ようとしていた。 彼が言うのを忘れている名前を知りたかった。 「君の髪が好きだ」 彼は肩を壁にあてて、顔をあげようとしていた。 そこで目が閉じた。そうして何時間も深く眠り込んでしまった。 …



マイケル・オンダーチェの『ライオンの皮をまとって』(福間健二訳、2006年、水声社)より。
、、 オンダーチェの新作『戦下の淡き光』が8月に出たと知り、、 そういえば まだ過去のこの作品も読んでいなかったな、、 ずっと読みたいと思っていたの、、 あとまわしになって…

、、そう思い出して、 この秋はまず 『ライオンの皮をまとって』から読もうと思ったのです。 オンダーチェが 『イギリス人の患者』を書くひとつ前に書いた作品だそう、、 本の中に登場する人物にもつながりがあるのだそうで、、

先日、、 読み始めたら その詩的なイマージュに 『イギリス人の患者』を読んだ20数年前の気持ちが蘇ってきました。。 一文、一文を読みながら 頭の中に映像をむすぶ、、 その言葉が喚起するものの美しさをゆっくりとゆっくりと慈しむように読んでいきたいと思った事、、

、、 急の入院さわぎとなって ここ数日 本も途絶えたまま、、。 持っていくパジャマを探し出したり、、 家族の一週間分のアイロンがけをしたりで、、 いっそがしいこと…
、、 本は病院で読む時間がたっぷりあることを願って…


  不在のあいだに演じられる長い求愛がある。 たぶんこの求愛は、彼がどこかの塔や橋から眠りの中に落下していったときの、彼女の髪への彼の言葉か、彼女のほとんど無言の質問に、基づいている。 


、、病院のそばには金木犀の生垣があるの、、。 でも、先週はお花が見あたらなかった… これから? それとも もう先に?


病室にもし香りが漂ってきてくれたらいいのにな…

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