興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

新鮮な目で

2011-03-29 | 時には芸術気分

銀座の永井画廊に、「藤原新也の写真と書展 『死ぬな生きろ』 」 を見に行ってきました。

実はわたしは、日頃から写真家藤原新也氏の著書やブログのファン(愛読者)なのです。
社会や政治、人間に対する独自の鋭い視点が大変示唆に富むからです。

今回の展覧会では、四国を巡って撮影した88枚の写真と、それに添えた藤原氏自身の墨文字の言葉が展示されています。

「目の前にある世界を十分に感じ取り、この世に生を授かっていることの喜びを感じてほしい」
と氏自身がブログで語っているように、ただ漫然と過ごすのでなく、自分の周囲の事象を、些細なことでも新鮮な目で見ること (それが生きるということ) の大切さを教えてくれているように思いました。


氏はこのたびの東北大地震、大津波により被災した地域にも足を運び、その救援のための活動も始めています。
http://www.fujiwarashinya.com/talk/index.php


■藤原新也の写真と書展「死ぬな生きろ」
会場:永井画廊(東京都中央区銀座4-10-6)
期間:31日(木)まで
時間:11時30分~19時


♪ いま春が来て・・・

2011-03-19 | 季節の移ろい

わが家の庭に、花たちがやってきはじめました。

これは アネモネ

「太陽さん、おはよう」
早朝には花弁をすぼめていたのに、陽の光があたってくると開いて、微笑みます。

 







忘れな草

葉の広がりのわりには、可憐な花をつけます。


 






スイセン

春の花の定番ですね。









ムスカリ

まだ花が小さく、今年は生長が少し遅いようです。








チューリップ も着々とエネルギーを蓄えています。

いま春が来て、花たちはどんどんキレイになっていきます。


不安

2011-03-18 | チラッと世相観察

「予測不能な大規模停電の恐れあり」
という政府筋からの緊急情報が、昨日(17日)夕方流れたため、6時過ぎ都心の事務所から、途中で電車の運行が停止されるかもしれない、という不安を抱えながら帰ってきました。

池袋までの地下鉄有楽町線とそこからの私鉄も、その情報に駆られた人たちで、朝のラッシュ時以上にギュウ詰めでした。

乗換えの有楽町線池袋駅では入場制限をしていて、自動改札機の前は入場を待つ不安顔の人たちであふれていました。
(有楽町線内でのアナウンスによると、銀座線と日比谷線では人々が殺到して、運行がストップしているとのことでした)

ともあれ、わたしはいつもより30分以上時間がかかったものの、なんとか8時過ぎに無事帰宅できた次第です。

結局、昨日 、「大規模停電」 はありませんでした。 緊急情報はいったい何だったのか。 人々の不安を煽っただけではないのか。 後日責任者の釈明をぜひ聞きたいものです。


ところで、このたびの大地震と大津波、そして原発事故。その被害の大きさに、言葉もありません。

被災し苦難に直面されている大勢の方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、救援と危機回避に直接、現場で困難な中あたっておられる方々にも、敬意を表し、声援を送りたいと思います。


また、原発事故については、放射性物質拡散の実態と危険の程度がよくわからず、不安です。
今日、「米政府は福島原発を中心とした半径80キロ圏内に住む米国人に避難勧告を出した」 との情報が伝わってきました。
日本政府は2、3日前、半径20キロ圏内からの退避、20~30キロの屋内退避を指示したままですが、はたしてそれで大丈夫なのでしょうか。

現状は本当のところどうなっているのか、そしてわたしたちは今何をすればよいのか、正確な情報の開示が、いまこそ求められます。

ご参考までに、民主党元代表小沢一郎氏も、自身のブログで、
「発電所における火災や、爆発による放射性物質拡散などの事態については、政府、東京電力に対し、正しい情報を迅速に公表することを、強く求めるものです」
という緊急メッセージを発しています。
http://www.ozawa-ichiro.jp./


『わたしの渡世日記』

2011-03-08 | 時には芸術気分

今年元日に流れた女優高峰秀子さんの訃報を、わたしは一つの驚きを持って受けとめた。
なぜなら、ちょうどその時高峰さんの本を読んでいたからだ。 『わたしの渡世日記』 である。

昭和の始め、5歳で子役として映画界にデビューして以来、戦前戦後を通じ第一線の役者として活躍した自身の波乱万丈の半生を、率直かつ歯切れのいい文章でつづったものである。

実は今から二十数年前、一時期わたしは高峰さんの夫君松山善三氏と仕事の関わりがあり、一度、こちらからの連絡の電話口で高峰さんの声を直接聞いたことがある。
なぜ高峰さんと思ったかというと、そのしっかりした声質とキビキビした語り口は、長年プロとして修練を積んできた人のものである、と素直に思えたからだ。

そのこともあってか、この 『わたしの渡世日記』 の最終部分、木下恵介監督の助監督をしていた若き松山氏との出会い、そして結婚に至るまでの経緯を読みながら、わたしは自然に目頭が熱くなってきてしまった。

複雑な家庭環境に育ち、子役としても女優としても多忙を極め、心労も多い人生であったことが読み取れるが、その筆致はサバサバとしていて明るく、出会った人たちへの感謝に満ち溢れている。

映画人のみならず、各界の著名人を含むたくさんの人々に愛され、なにより女優として昭和期、ケタ違いに多いファンにずっと愛され続けた人生であった。

高峰秀子。 享年86。 合掌。


♪ 春の日の花と輝く

2011-03-06 | 季節の移ろい

わが家の梅もほぼ咲き揃いました。

朝日に輝く花を見て、 「春の日の花と輝く」 という歌を思い出しました。
よく知らなかったのですが、歌詞を調べてみるとこの歌、とこしえの愛を誓う歌だったのですね。

 ♪ 若き日の頬は清らに
  煩いの影なく
  御身今艶(あで)に麗し

  されど面褪せても
  わが心は変わる日なく
  御身をば慕いて・・・ (歌詞2番より)
                              (アイルランド民謡、作詞トーマス・ムーア、日本語詞堀内敬三)

自分のことを言うのもナンですが、わたしなど若き日は自信なく、数十年経った今は少しはずうずうしくなったものの、面(おも)(あ)せてしまいました。

若き日はもちろん、齢を重ねても、他者の評価を気にしすぎることなく、自分なりに輝いていたいものですね。










晩酌は、梅見酒。