Jさんブログ~つれづれなるままに~

糸の切れたタコのように日々ふわりふわりしているJさんの、ふわりふわりな出来事を書いてみました。

風の吹くまま、気の向くままの旅…

2005年11月20日 | つれづれ旅行記
ふと目が覚めたのは、この季節だと陽の出るか出ないか微妙な6時頃。なんか体調が悪く、頭が重かったので、このままベッドを出ずにもうひと休みすることにしてみた。
次に目が覚めたのは11時頃。ちょうどその時間になると、この時期、天気のよい日は私のベッドを全体を包むように、陽が差し込んでくる。
相変わらず頭は重いままだけど、そうなっては、体が勝手に旅仕度をはじめてしまうので、仕方なく体の言うままに家を出てみた。
…とは言っても、まだ全くどこへ行くかも検討つけていないので、とりあえずお昼も近いので、おなかとどこでお昼を食べたいか相談してみることに。
おなかの出したリクエストは横浜ポルタの一風堂のラーメン。なんか喉越しと、わざと固めにゆでてもらった際の、あの麺の独特の噛み応えがたまらなく好きで、ここ最近と言わず、ここ数年のブーム。本当に好きなのは、秋葉原のじゃんがらラーメンの味噌味。だけど秋葉原へ出てしまうと、風の向くまま気の向くままがしにくいので、今日は一風堂で満足することに。

行列を並んで食べ終わったのは13時過ぎ。
「さぁ次はどこへ?」と聞いたところ、着いた先は東横線のホーム。入ってきた各駅停車に飛び乗り、そのまま降りたい気分になるまで乗り続けることに。
菊名で後から来た急行に抜かれ、日吉で日比谷線直通の電車を横に見て、武蔵小杉で今ドアが閉まろうかと言うところで、なんか降りてみようという気分になったのでドア閉まりかけで慌てて下車。
なんか心の中で目的地がどうやら決まった様子です。

乗り換えたのは南武線。
会社に入社して以来、南武線と言えば稲田堤や調布で呑んだ帰りか、永山で呑んだ後、なんかいつもと違う電車に乗りたくなって乗るくらいなので、昼間に乗るのは久しぶり。もう季節は冬も近いので、武蔵小杉を出るとすぐ、車窓左手に丹沢連峰がくっきり見えています。確か今日は大山で紅葉祭りをやっている筈。この休みと次の祝日は夜のライトアップもやってるんだっけな…。

武蔵溝ノ口、登戸、稲田堤と乗換駅を過ぎ、降りたのは南多摩という、多摩のはずれにある小さな駅で下車。ここから多摩川を渡って、川沿いにある是政という駅を徒歩で目指します。
この辺は、昔大学時代に、調布に住んでいる友人の家に泊まった際、昼間その家の主に自転車を借りて、多摩川沿いを走り来た場所。そのちょっと先で、多摩川は浅川と分岐ところがその時のゴール地点。ちょうど多摩川を渡る時、その時は川の横から見上げた大きな橋(是政橋)の上から、その来た7年前を思い出しながら、暫くぼんやり風景観察。こういう散歩道は、私以外にも、スローなテンポで歩く人たちが沢山いて、心がなんか落ち着きます。
目指す是政駅は橋を渡ってちょっと先。ここから西武多摩川線に乗り、武蔵境まで行きます。

西武多摩川線は西武に普段乗っている人でもたぶん知らないんじゃないかと個人的に思っている、非常にマイナーな路線。西武の沿線とは全然離れたところにある路線で、他の西武の路線とも全くつながっていません。でもなぜ西武が運行しているのか?
…それは大正時代の話しに遡ります。その当時、舗装材料や建築材料に使われるコンクリートに欠かすことの出来ない砕石は、川にある砂利を原料としていました。なので大きな川の横には必ず砂利を採取する会社があり、その砂利を各地へ運搬するため、いろいろなところに鉄道が敷かれました。西武多摩川線もそのひとつ。その他、さっき乗ってきた南武線も、近くを走る武蔵野線の一部も、この砂利を運ぶために敷かれた線路。しかし戦後の高度経済成長期、経済の発展と共に川砂利が乱獲され、河川環境を悪化させたのを期に採取禁止となり、その砂利を目的とした鉄道は、旅客線に転換するか、廃線になるかどちらかの運命を辿りました。
ゆえ西武多摩川線に乗っていると、その貨物が走っていたらしき面影が、路線のあちこちで見られたりします。

しかし車窓は至ってのどか。また沿線に野川公園という大きな公園の間を走ることちもあり、全線乗ってたったの12分という線路は、終始とても東京都とは思えないのどかな景色に包まれ走ります。
でもそんなのどかな景色の反面、車内は大混雑。ただ乗っている人は全然普段着の人ばかりだし、どっと混んできた多磨駅は、特に競馬場などの施設が近い訳でもないので、この姿が本来の姿なのかな?
とは言っても終点までたったの12分。あっという間に終点・武蔵境に到着します。

さて時計はまだ15時過ぎ。まだ帰るには早いです。
新宿16:00発の湘南新宿ライン特別快速を目指す!?という心の声も聞こえてくるも、朝から続く頭痛がやめとけやめとけとブレーキ。でも帰りたくないという微妙な気持ちと相談した結果、次に向かうは調布に決定。
西武の改札口を出ると目の前がバスターミナル。初めて降り立つ駅なので、どんな駅か眺めていると、調布駅経由狛江駅行のバスが到着。それに飛び乗った次第です。
さっき走った線路を右手の車窓に眺め、暫くすると大渋滞に巻き込まれ、距離的にはそんなでもないのに、調布駅までは50分弱の旅。途中渋滞にハマっていた間は、ひたすら寝ていたから、あんま時間掛かった気はしてないんだけどね。

「次は調布駅北口、調布駅北口。京王線ご利用の方はお乗換えです」というので、とりあえず降車ボタンを押すも、まだ行先の決まっていない人。どうしようかと思っていたら、目に飛び込んできたのは、チョコクロでおなじみサンマルクカフェ。よし、バスを降りたらサンマルクカフェまで戻ってお茶だと決めたら、そのカフェの前がバス停、まさに天のお導きかのような感じです。
私の大好物、サンマルクカフェのチョコクロ。行ったら丁度焼きたて、まさに今目の前でオーブンから焼きたてを出しているので、欲張って2つ購入。左手に後輩から借りて今ハマっているコミック、右手にチョコクロ…。幸せな瞬間♪

日が暮れると京王線の運転台の後ろのカーテンは、全て閉まるので(普通の電車は右端だけは開いていることが多い)、そうなったら帰りましょうの合図。乗り入れてくる都営線の新車が来たら、その電車に乗って橋本でも、本八幡でも行くぞと思いホームに立つも、一向に来る気配もないので、1本待った特急に乗り普通に新宿へ。
そのまま乗換え湘南新宿ラインの出るホームへ着くと、つい3日前、工場でできたてほやほやで整備させていた電車がちょうど入線。まだ新車独特の新しい匂いが車内を包んでいます。でもそんな匂いが残る程ぴかぴかの電車に乗れたのも嬉しかったけど、つい3日前工場で整備を受けていた電車が、ちゃんと動いているんだなってのが、なんか自分で作った工作の作品に、初めてスイッチを入れて、それがちゃんと動いた時のような、なんかよく分からない嬉しさを感じながら帰路に着きました。

風の向くまま、気の向くままでも、いろいろと発見もあるし、小旅行としてもちゃんと完成しているし。時刻表と綿密な調査で決めたスケジュール表通りのお出掛けもいいけど、たまには行先も決めずに、風向きと気分であれこれ旅するのも面白いですね。