カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

昔の人は幼稚で面白い   ゲームの規則

2017-08-23 | 映画

ゲームの規則/ジャン・ルノワール監督

 フランスの貴族社会。貴族同士のつながりや、その複雑な人間関係を、風刺のきいたドタバタ喜劇として描いている。また、今の時代ではとても映画的には撮れない実際の狩りの場面などもあり、バタバタとウサギやキジが撃たれて殺されていく。後に人間も殺される訳だが、今の常識からするとかなり飛んでいる異常性が、実に楽しくさらりと描かれている。
 また複雑な人間関係を形作っているのは他ならぬ男女間の恋愛で、重層的に皆が不倫をしていて、さらに新たに恋が生まれたりする。自由と言えばそうかもしれないが、そんなに簡単にそんなことになって、さらにそういうものが発覚して、激しく争い合ったりする上に、友情が芽生えたりする。お前らは幼稚園生か! と思わず突っ込みを入れたくなるような幼稚な人間関係が、過去のフランスにはあったらしい。
 しかしながらこれがまた面白いのも確かで、浮気がばれてドキドキしていると、お互いがそのことを直接話し合ったり、銃で撃ちあったり、又は協力し合ったりするのが、なんとなく通ってしまうような展開であるし、納得もさせられたりする。最後のどんでん返しには素直に驚いてしまったけれど、まあ、それが貴族という人間なのかもしれない。
 当時も興業的には失敗し、後に発掘されて名作に格上げされた作品という。娯楽作として現代的に面白いし、トリックも見事だと思う。しかしながら名作かといわれると、多少頭をひねるところもある。最初のところはやや退屈だけど、物語が複雑化すると俄然お話が面白くなっていく。今となっては却って作られにくい作品だろうし、古典としての堅苦しさもそんなに無い。娯楽作品として素直に観られ続けていい物語ではないだろうか。まあ、現代人はカマトトだから、狩りのシーンだけで、成人映画指定を受けそうな気もするけどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする