カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

落語だと難解な展開になるが、マンガは違う   ちはやふる(上の句)

2017-08-15 | 映画

ちはやふる(上の句)/古泉徳宏監督

 原作は漫画。未読。アニメもあるらしい。もちろん未見。上の句とあるが下の句(続編)あり。さらに結びとしての続編も現在制作中という。キャストも違うらしい。
 小学生の頃に競技かるたをしていた仲間たちだったが、その後バラバラに。高校入学を機に再度競技かるた部を作るところから話が始まる。徐々に過去のいきさつも分かる。若者のかるたにかける情熱を描くとともに、恋心も賭けてお話は展開するわけだ。
 百人一首で遊ぶかるたは、一般的になじみのあるものだと思われるが、競技かるたとなると話は別だろう。いや、お正月の年中行事としてそういうものがあるような報道は見たことがあるような気がする程度で、そのスピードを競う様は、脅威というか、滑稽にすら感じる人も多いのではないか。読まれる句の全体は決まっているし、置かれている場所においても運不運があろうかと思われる配置なのだが、読まれた音の最初を聞いた瞬間、覚えている配置の札をいかに素早く弾き飛ばしてしまうのかという単純さが、競技の面白さを兼ねているようだ。やっている方も大変だろうが、これに団体戦があったりして、なかなか難しいものだと見ながら感じた。
 子供の頃からやっているので相当なレベルの高さというのは分かるが、しかしそれでもそのレベルにおいて階級があるらしいことも驚かされる。もともと部員がいなかった学校の部員集めでさえ絶望的に大変だったのに、実際に競技に参加してみると、そのレベルは大変なものなのである。遊びのレベルではどうにもならないし、しかしマイナー競技の悲しさもあり、個人のモチベーションの維持においても大変に苦労させられるわけだ。
 原作の漫画はそれなりに長い話を丁寧に描いているものと予想されるが、映画としてコンパクトにまとめられているということかもしれない。それぞれのキャラクターの事情もあるし、全国大会へ向けての競技の盛り上がりもなかなかいい。恋の駆け引きとかけて勝負に賭ける情熱の意味も良く伝わる。かるたの元である歌についてもうんちくが深まる。もちろん下の句も観ることになろうが、さて、肝心の展開も楽しみなところである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする