カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

笑うのは人間の特権か

2016-10-04 | 掲示板

 映画を観ていたら、「動物は笑わないのに、どうして人間だけが笑うんだろう」というような科白があった。そういう疑問は過去に何度も聞いたことがあるし、また、そのような考えを書いてある本もけっこうあるようだ。哲学的な考えもあるだろうし、科学的な検証も探せばあることだろう。しかしながらそのような疑問の出発点は、やはり人間の特異性を感覚的に論じたということになるのではないか。
 人間が笑っているのは明確だが、では本当に動物は笑わないのだろうか。僕にとってはその方の疑問の方がかなり引っかかる。実際に多くの論証があろうが、動物が笑うと考えている研究の方が、実際にははるかに多いのではないか。チンパンジーやゴリラなど、人間に近いとされる類人猿が笑うというのは、普通に常識的だ。くすぐっても笑うらしい。彼らのコミュニケーションに笑いが重要だという話も、人間と同じくである。
 一般的には馬も笑うとされる。これは歯を出して匂いを嗅ぐ動作が笑っているように見えるというのはある。馬を飼っていたこともあるので良くそのような表情は見たが、それとは別に感情があるのは確かそうに思った。表情では分かりにくいが、笑うことはあるとは思う。人間の理解力はその程度だとは思うのだが。
 犬や猫はどうだろう。人間のそばで生活している身近な生き物だが、これも実感としては、笑うことがあると普通に考えていいのではないか。笑いながら近づいてくることもあるように思うし、楽しんで笑っていることもあると思う。人間の能力が低いので分かり得ないことが多いだけのことで、感情的には笑っているはずであるというのは普通に感じられる。
 映像でしか知らないが、熊やヤギや鹿なども、笑っていると思う。象やキリンなんかでも笑うのではないだろうか。鳥だって多くの種類が笑いのサインを出しているような気がする。それというのも明らかに感情を持っている。笑いだけが無いと考える根拠が少なすぎると思う。動物の内何処までが笑うのかというのは研究をまたなければならない問題かもしれないが、かなりの種で笑いが認められる日が来るのではあるまいか。
 もちろん人間的には、言語などに反応して笑うというような限定した場面を指して笑いと定義している場合もあるだろう。しかし動物の多くも互いにコミュニケーションをとっていることは明確である。やはり人間の理解力が低いということがあるだけの話で、厳密に共通言語があるわけではないから分かり得ないというだけのことだろう。笑っていると明確に言えない以上に、笑っていないという疑問の方が、はるかに確率的に低い疑問だろう。
 人間だけが笑うと考えている基本には、だからこそそれを受けて、人間はもっと笑うべきではないかという考えがあるのかもしれない。人間が生きている意味なんてものは知らないが(そんなことは自分で考えたらいい)、せっかく人間として生きているのであれば、たくさん笑うに越したことは無かろう。それをしあわせと呼ぶのであれば、笑いの多い選択を、自分なりに模索していけばいい。ただし、動物は笑わないという感性しか持ちえない人が、そのような考えに至ることが出来るのかという疑問は消えないのだが。
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