カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

「元祖」店の味を保証するサインか

2016-10-26 | ことば

 県外の人にカステラの元祖はどこですか、と聞かれる。まあ、長崎の古い店という意味なんだろうから普通は「福砂屋」ということになるんだろう。その後弟子筋で「松翁軒」ということになるんだっけ? まあ、どっちも江戸時代からあるらしいことは間違いないらしくて、古いことは古い。明治かららしい文明堂だって古いが、新参者にされてしまうくらい古い。
 しかしカステラを作っている店というのはずいぶんあって、やはり好みということにはなると思う。人によっては詳しいのがいるから、うるさいのを我慢して聞いてみると良い。僕のような人間には、恐らくその微妙な違いは分からないだろう。運試しでいろいろ買ってみるといいんじゃないでしょうか。
 さらにその人は博多ラーメンの元祖も教えてほしいという。そんなのはググってくれ、ということに尽きるが、長浜ラーメンあたりになると、本家とか元祖とか言う屋号が結構あるように思う。古いからいいのか、という疑問が当然浮かぶが、やはり聞いてくる人がいる以上、魅力的な言葉なんだろう。
 先日テレビを見ていたら、辛子明太子の「ふくや」の元祖説をやっていた。朝鮮の明太子を独自に開発して、それが他店にも広がったという。そのようなまちづくりというか特産品の開発と、さらにそれが拡張しての元祖の称号が、店の繁盛にもつながっていることだろう。
 元祖や本家があるというのは、その亜流が広がったという推測がされる。それなりに古くなっているものは、実は怪しいものもあるらしいが、何しろ古いのだから知っている人や文献などから確かめるよりない。確定するものもあるし、やはり分からんものもあるかもしれない。しかし元祖の称号はこのように魅力的だから、声が大きくなることもあるのかもしれない。
 でももっと古くなってうどんや蕎麦の元祖ということになってくると、もうそんなに誰も気にしなくなるのではないか。もっともこれらの原型は、今のものとは違うらしいが。
 今度は新しいものに元祖がついても、やはりなんとなく貫禄が無い。新商品という響きの方が勝るわけで、他店と競合して、むしろ負けかけた方が元祖を言い出すと、また勝負が盛り返したりするのかもしれない。まあ、そうとも限らないが。
 先日やはり訳あって熊本に行って「紅蘭亭」でタイピーエンを食べた。実は今まで様々な店でタイピーエンは食べたことがあったのだが、元祖といわれるこのお店はまた、格別でありました。聞くところによると、元祖にも複数店あるらしいが。また、震災で二階以上が使えない状態で頑張っておられた。客は当然ものすごく満杯だったので、運が良ければどうぞ。
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