ごっとさんのブログ

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人はなぜ病気になるのか その3

2015-10-18 10:17:17 | 健康・医療
人間が病気になる原因として、まず第一が微生物による感染症であり、次が老化であると書きました。

この老化については、多くの研究がなされていますが、なぜ老化するのかというメカニズムはどうもはっきりしていないようです。再生という観点からの研究では、再生能力の高い生物がいろいろ研究されています。例えばトカゲのしっぽが切れても再生してきますし、プラナリアは体を2つに切断しても、各々から再生して、元の形に戻ることができます。20年ほど前イモリが注目されましたが、イモリはほとんどの体の部分を再生することができ、不老不死ではと騒がれましたが、その後あまり聞いたことがありません。

最近はテロメアという遺伝子部分が関連しているという研究が増えていますが、このテロメアについては改めて書くつもりです。

さて第3の理由はがんです。がんについてはこのブログでも何回か書いてきましたが、遺伝子の変異による細胞の病気と定義しました。遺伝子の変異はなぜ起こるかについては、発がん物質の作用とかウイルス感染によるとか、言われていますが、私は単純な増殖時の遺伝子複製ミスが最も多いと考えています。こういった複製ミスが起こった時、それを修復する遺伝子や、修復が困難な場合は細胞が死んでしまうという、アポトーシスという機能は非常にしっかりしています。それでもこういった修復機能をすり抜けた場合に、あるものはがんになってしまうわけです。

この修復機能は、年齢によって衰えてきますので、がんも老化の一種と考えられるわけです。極端な言い方をすると、人間が分裂・増殖しながら生きている生物である限り、宿命の様なものとも言えます。これは正しいかどうかわかりませんが、ほとんど増殖しない心臓のような臓器には、がんは発生しないということもこれを裏付けているような気もします。ですから遺伝的な要素も考えにくく、身内にがんに人が多いからといって、がんになりやすいなどいうことはまずありません。但しごくわずかですが、遺伝子的にがん修復能力が低いといったことはあるようです。

病気になる4番目がアレルギー疾患です。これはアトピー性皮膚炎から膠原病のようなものまで様々ですが、明らかに近年増加している病気です。本来人間の体を守るためにある免疫システムが、自分の組織を異物として攻撃してしまったり、それほど重要な異物ではない物に過剰に反応して起きる病気です。この原因ははっきりしていませんが、2歳までぐらいに確立する細菌性免疫システムがしっかりできないのではないかともいわれています。

このアレルギー疾患については次回に続きます。