ごっとさんのブログ

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元気の源 ミトコンドリア

2015-10-04 10:42:01 | 自然
ミトコンドリアというのは、細胞内の器官の名前で、中学か高校の生物で習うものですから、聞いたことあるものと思います。その役割はエネルギーを作りだす、つまりATP産生を担っています。

ところ実際は非常に面白い特徴を持っています。まず分布ですが、微生物から植物細胞、動物細胞に至るあらゆる生物の中に、ほぼ同じような構造で存在しています。進化を考えると、単細胞生物から一方は高等植物になり、一方は多細胞生物である動物へと進化してきました。その過程でいろいろな生物に適合するように、細胞内器官なども進化していったのですが、ミトコンドリアだけはすべてにほぼ共通の構造で存在しています。

その構造も二重膜につつまれ、内部にミトコンドリア特有の遺伝子(mtDNA)を持っています。また細胞内で独自に分裂増殖をするという、まるでウイルスやリケッチアのような、他の生物と類似の行動をします。こういった特徴を考えると、ミトコンドリアというのは細胞の一器官ではなく、他の生物が入り込んだのではないかという疑問が出てくるわけです。

私は昔からこういった点で、ミトコンドリアに興味を持っていました。これは「パラサイト・イヴ」 (新潮文庫) 瀬名 秀明 )というSF小説が出たり、同名のゲームソフトが発売されたりして有名になりました。この本は多分20年前ぐらいですので、内容は忘れてしまいましたが、いわばミトコンドリアの反乱という題材のホラー的な小説でした。この本に書かれていることも、やはりミトコンドリアは他の生物であるという話ですが、現実にもそういった事が裏付けられているようです。

原始生命の時代に、小さな生物がやや大きな生物の中に入り、共生していたものが、その後その生物の一器官となってしまったということは、生命の面白さを表してると思います。それから何億年かかけて、生物は進化していったのですが、ミトコンドリアだけは、ほぼ元の形を保っていたわけです。現在ではこの共生していた微生物は、プロテオバクテリアということが確定されています。

最近このミトコンドリアが、老化とともに減少し、疲労すると減ってくるということがわかってきました。つまりミトコンドリアを増やしてやれば、元気さを保たれるというのです。このミトコンドリアを増やすためには、ややきつめの有酸素運動をすればよいということが言われています。つまりやや速足で歩く程度のようです。これが科学的に証明されているかどうかは別にして、エネルギーを作り出す器官が増加してくれば、元気になるということは確かだと思われます。