◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/9月1日~10日

2017-09-03 01:36:53 | Weblog

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

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今日の秀句/9月1日~10日

2017-09-03 01:35:19 | Weblog

9月10日(2句)

★とんぼうの朝風を浴び上昇す/小口泰與
朝風のさわやかな軽さがいい。とんぼの軽さは風の軽さ以上。(高橋正子)

★すすきから暮れて彼方に光る雲/多田有花
すすきが暮れ、彼方には、沈んだ夕日の最後の光を受けて光る雲がある。秋の日没の、その時の風景。(高橋正子)

9月9日(2句)

★爽籟や赤城とにかく裾長き/小口泰與
「とにかく」は、実感をもってのことだ。日々仰ぐ赤城山が、秋風が錚々と吹く中、その姿をくっきりと見せている。悠然とした産土の赤城山だ。(高橋正子)

★秋高し祭準備の始まりぬ/多田有花
空が高く晴れ渡り、街では祭りの準備が始まった。秋晴に、祭りが来るとなれば、大人もうきうきする。(高橋正子)

9月8日(2句)

★撫子の白き花飛び立ちさうな/廣田洋一
撫子の白は少しさびしげ。切れ込みのある花弁が羽のようで、どこか遠くへ飛び立つのではと思う。(高橋正子)

★こぼれ落ちし橡の実ひとつポケットに/桑本栄太郎
木の実がこぼれていれば、つい拾ってみたくなる。手のひらに転がし、しばし弄ぶことも。宝物のようにポケットにいれることも。つやつやした大きな橡の実は、ポケットがふさわしい。私は、イギリス旅行をしたとき、カッスルクームの小道で橡の実を拾い、帰国前夜ホテルのごみ箱に捨てるはめになった思い出がある。(高橋正子)

9月7日(3句)

★秋蝉は山の中こそ残りけり/多田有花
今日久しぶりに近所の丘に散歩に出たが、丘の木立の中は、この句の通り。みんみん蝉と法師蝉が盛んに鳴いていた。(高橋正子)

★二階にも灯りのつきて夜長かな/廣田洋一
「二階にも」が効いた。普段はあまり上がらない二階に灯りをつけて、夜長、本を探しているのかもしれない。夜長の灯りは生活感があってあたたかい。(高橋正子)

★蜻蛉の急に増えけり今朝の畦/小口泰與
今朝の畦は急に涼しくなった。蜻蛉が急に増えて元気に飛び交っている。透明な空気感が気持よい。(高橋正子)

9月6日(4句)

★畦道の数多の蜻蛉顔面に/小口泰與
下五に置かれた「顔面に」がいい。読者も肌に直に感じるのだ。(高橋信之)

★萩咲くや山の上へと向かう道/多田有花
作者の「山の上へと」動きがあって、上五の「萩咲く」が生き生きとしてくる。いい写生句だ。(高橋信之)

★幸せの水溢れさせ梨を剥く/廣田洋一
一句の冒頭に置かれた「幸せの水」がいい。作者の率直な「幸せの思い」がいい。(高橋信之)

★綾子忌の草花摘みて食卓へ/桑本栄太郎
上五の「綾子忌」、中七の「草花摘みて」、下五の「食卓へ」、この句のどこをとっても心優しい句だ。(高橋信之)

9月5日(2句)

★溝川の水の調べや稲穂垂る/桑本栄太郎(原句)
★溝川の水の響きや稲穂垂る/桑本栄太郎(正子添削)
私は、大阪生まれで、旧満州の中国大陸育ちなので、幼少の思い出に「稲穂垂る」風景はないが、母の郷里の四国愛媛に中学3年の春に引き揚げて帰り、「稲穂垂る」風景を知った。私にとっても懐かしい風景である。(高橋信之)

★仲秋の月を仰ぎつ氏神へ/廣田洋一
下五の「氏神へ」がいい。生活感の実感があって、生活に根付いた先祖崇拝の宗教がある。(高橋信之)

9月4日(1句)

★運動会荒筵敷き子等を待つ/廣田洋一
小学校の運動会は町内ぐるみの催しといってもよい。家族総出で応援する。荒莚を敷いて場所をとった昔も懐かしいが、今もそうだろうか。「荒莚」が素朴で力強い。(高橋正子)

9月3日(2句)

★陽に翅を光らせ群の赤とんぼ/多田有花
誰の記憶にもある光景だろうが、陽の光に翅を光らせる赤とんぼは、懐かしい、永遠の時間の中の光景のようだ。(高橋正子)

★人影の無き田に光る鳥威し/廣田洋一
誰もいない田の真昼、鳥威しがきらきら光る。陽に恵まれ、風が渡る田に、稲が熟れていく充静かな充実感がある句だ。(高橋正子)

9月2日(2句)

★好きな句を筆もて書けり涼新た/谷口博望(満天星)
「涼新た」を感じる季節。好きな句は読んだだけでは物足りなさを感じ、その句を筆で認める。その句がぐっと自分に近づく。(高橋正子)

★目の前の甲斐駒ケ岳桃啜る/小口泰與
甲斐駒ケ岳を目の前にして、桃を啜る。桃の季語は秋だが、駒ヶ岳の雄姿を眼前にして、季語としての桃がリアルで生きている。(高橋正子)

9月1日(1句)

★漣の如き雲あり二百十日/多田有花
二百十日に何事もないことはありがたい。空には漣のような白い雲があって、秋空の美しさを見せてくれている。(高橋正子)
コメント (18)
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