◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/2月11日~20日

2017-02-12 11:51:53 | Weblog

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
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今週の秀句/2月11日~20日

2017-02-12 11:50:32 | Weblog

2月20日(2句)

★さえずりや和紙につつまる金平糖/小口泰與
「金平糖」は、私にとっても、子供の頃の懐かしいお菓子だ。その形といい、その色といい、懐かしいのだ。上5の「さえずり」、中7の「和紙」、下5の「金平糖」と続く、その取り合わせのイメージも懐かしさをかき立てる。(高橋信之)

★暖かや明るき川に黒き土/廣田洋一
「黒き土」にいきいきとした喜びがある。暖かくなった川の明るさにも長い冬に耐えた心をほっとさせる力がある。
自然はいいものだと思う。(高橋正子)

2月19日(6句)

★産土は良したらの芽と蕗の薹/小口泰與
「たらの芽」と「蕗の薹」は季節のもので、私の好物。見て良し、食べて良し、である。(高橋信之)

★梅が香のなかを通るを日課とす/多田有花
特に詩的だというわけではないが、下五の「日課とす」がいい。「生活の中」であることがいいのだ。(高橋信之)

★綿帽子ちぎって投げて青い空/河野 啓一
上五から中七への作者の行為が下五の「青い空」という大自然とうまく溶け合って一句が完成した。いい句だ。日常のさり気ない行為が大自然の中の一風景となった。いい風景だ。(高橋信之)

★三世代揃いて暮らす枝垂梅/廣田洋一
「三世代」を俳句に詠みこむことは簡単ではないが、いい句だ。下五の季題「枝垂梅」の働きがいい。(高橋信之)

★衒いなき雑木林の野梅かな/桑本栄太郎
季語「野梅」をうまく捉え、作者の想いが表された。(高橋信之)

★朴の芽よ高きをめざせ山よりも/谷口博望(満天星)
中七の「高きをめざせ」はやや大仰なのだが、「大仰」であることも時には良しとされてもいい。(高橋信之)

2月18日(2句)

★枝垂梅動き出したる池の鯉/谷口博望(満天星)
冬の間動きが大変に鈍かった池の鯉は、梅が咲き始めると、水の温みに動き始める。生き生きとした暖かい季節がまた廻って来たことが心よりうれしい。(高橋正子)

★見るたびに移る狭霧や奥丹波/河野啓一
奥丹波の山深さを「見るたびに移る狭霧」に、あきらかに指し示された実感がある。空気の冷涼感と共に狭霧の動きが目に見える。因みに「狭霧」は秋の季語。(高橋正子)

2月17日(1句)

★春一番一つ踏ん張り歩き出す/廣田洋一
17日は3月下旬ごろの暖かさ。いきなりの大風は春一番。風に向かうには、一つ踏ん張って歩き出さねばならない。髪は乱され、足元も掬われそうになる。けじめの春一番に踏ん張って歩み出す。ここがいい。(高橋正子)

2月16日(3句)

★あけぼのの山は紫紺や揚雲雀/小口泰與
日常の生活で発見した美しい風景だ。生活を詠んで、佳句となった。(高橋信之)

★パンジーや新しき庭を際立てり/廣田洋一
嬉しい言葉が並んだ。「パンジー」、「新しき」、「際立てり」と嬉しい言葉が並び、春を讃えた。(高橋信之)

★少女らの縄跳び興ず風光る/桑本栄太郎
素直な句だ。下五の季題「風光る」が効いた。俳句の命は、やはり季題だ。季題を下五に置き、一句を力強く終えた。「少女ら」がひ弱でなく、生き生きとしているのが嬉しい。春の「風光る」季節だ。(高橋信之)

2月15日(2句)

★菜の花や並び咲きたる線路際/廣田洋一
線路際の枯れた草々にまじり、明るく菜の花が並んで咲いている。伸びる鉄路と菜の花の取り合わせの景色がいい。(高橋正子)

★探梅や川の流れと歩を合わせ/上島祥子
探梅の頃は、川は遠い山々の雪解けの水を集めて流れている。水量を増やしている川の流れに沿って行けば、ほちほちと梅が咲き始めている。川の流れがあって、探梅の季節がより大きく捉えられている。(高橋正子)

2月14日(1句)

  <おかげ横丁>
★赤福餅春の火鉢のかたわらで/多田有花
赤福は伊勢の名物。作り立てはまた格別らしい。春は名のみの寒さに火鉢の暖かさがうれしい。こんなところに幸せがある。(高橋正子)

2月13日(2句)

★御厩の神馬の香り二月早や/多田有花
神馬にも春の訪れがある。二月というのに早やも牧の馬のような香りが神馬にもある。感覚的な句だ。(高橋正子)

★梅の花ひとかたまりに天に伸ぶ/廣田洋一
梅の花が満開となれば、ひとかたまりの白い花となって、青空に伸びている。光も強くなってきたころの梅の花の真白さが印象的だ。(高橋正子)

2月12日(2句)

内宮参拝
★参宮の二月の青空を仰ぐ/多田有花
伊勢神宮参拝の句。私にも、その体験があり、「五十鈴川」の風景も記憶に残っている。私のいい記憶を呼び覚ましていただいた。伊勢神宮参拝の記憶は、今なお鮮明であり、「二月の青空」がいい。「仰ぐ」がいい。中7と下5の破調も効果的で、一句に現実味を与えた。(高橋信之)

★野放図に畑を占め居る野梅かな/桑本栄太郎
いい風景を捉えた。無理がない表現だ。「野放図」がいい。「野梅」がいい。(高橋信之)

2月11日(1句)

★金剛のごとき幹なり梅真白/谷口博望(満天星)
風雪に耐えた梅の幹はごつごつとしてたくましい。その幹や枝からとは思えないほど真っ白ですがすがしい香りの花が開く。梅の花の良さを端的に詠んだ。(高橋正子)
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2月11日~20日

2017-02-12 10:44:51 | Weblog

2月21日(6名)

●小口泰與
千切れ雲触れればやわき猫柳★★★
風走るシャッター街の風車★★★★
巻頭と同人になる春の夢★★★

●多田有花
青空を背景に紅梅を写す★★★★
素直な句だ。その「素直な」写生がいい。「青空」と「紅梅」の唯それだけで、風格を感じさせる句だ。(高橋信之)

梅の咲く寺に響きし人の声★★★
紅白の梅青空に枝交え★★★

●廣田洋一
せせらぎの流れ早まり風光る★★★
女子アナのお腹ふくらみ風光る★★★
風光る初めてできた逆上がり★★★★
写生句であろうか。それとも思い出の句であろうか。いずれにしてもいい句だ。上五に置いた季題の「風光る」は、まさに「季」であり、「題」である。そして、それに続く「初めて」がいい言葉だ。作者の想いを載せた「いい言葉」なのだ。(高橋信之)

●古田敬二
七草になれずひそやかいぬふぐり★★★
猫車いぬのふぐりを踏まぬよう★★★
全身に森の春光俳誌読む★★★★

●桑本栄太郎
窓を開け春の吹雪の躍りけり★★★
蒼天の楽譜となりぬ銀杏芽木★★★
土くれの白き田面や風光る★★★★

●満天星
橡の木の芽吹く枝々体育館★★★
栴檀のひこばえ伸びる遊園地★★★★
碧空へ右往左往の辛夷の芽★★★

2月20日(6名)

●小口泰與
さえずりや和紙につつまる金平糖★★★★
「金平糖」は、私にとっても、子供の頃の懐かしいお菓子だ。その形といい、その色といい、懐かしいのだ。上5の「さえずり」、中7の「和紙」、下5の「金平糖」と続く、その取り合わせのイメージも懐かしさをかき立てる。(高橋信之)

菜の花や園児を乗せしひも電車★★★
梅一輪いちりん程の瀬の流★★★

●廣田洋一
友逝きし斎場の灯の冴え返る★★★
暖かや明るき川に黒き土★★★★
「黒き土」にいきいきとした喜びがある。暖かくなった川の明るさにも長い冬に耐えた心をほっとさせる力がある。
自然はいいものだと思う。(高橋正子)

ぼんやりと居間に座れり暖かき★★★

●多田有花
囀りの音はすれども姿は見えず★★★
冷凍庫の清掃をする雨水かな★★★
人の声遠ざかり梅のまた静か★★★★

●満天星
髭振つて蜷の行く先珍道中★★★
開裂の神通力や藤の莢★★★★
白梅の歓喜の泪蜜光る★★★

●桑本栄太郎
鞍馬嶺の顕となりぬ春の雪★★★★
土くれの白き田面や風光る★★★
控え目に紅を誇るや藪つばき★★★

●川名ますみ
春北風咲くべき花は残りおり★★★
春嵐倒れし鉢に芽の碧し★★★★
春北風に猫の喰む音かさなりぬ★★★

2月19日(6名)

●川名ますみ
寒禽の動かぬほどに真っ直ぐに★★★★
春一番白き紅きの揺れひとし★★★
しらうめの一際白し曇天に★★★

●小口泰與
青柳や蒼深まりて赤城山★★★
産土は良したらの芽と蕗の薹★★★★
「たらの芽」と「蕗の薹」は季節のもので、私の好物。見て良し、食べて良し、である。(高橋信之)

白鷺の瀬尻に居るや犬ふぐり★★★

●多田有花
猪が道掘り返す雨水かな★★★
梅が香のなかを通るを日課とす★★★★
特に詩的だというわけではないが、下五の「日課とす」がいい。「生活の中」であることがいいのだ。(高橋信之)

午後からは何度も雨水の時雨あり★★★

●河野 啓一
綿帽子ちぎって投げて青い空★★★★
上五から中七への作者の行為が下五の「青い空」という大自然とうまく溶け合って一句が完成した。いい句だ。日常のさり気ない行為が大自然の中の一風景となった。いい風景だ。(高橋信之)

箕面山若竹林にスズメの子★★★
稜線に明るさも見え六甲山★★★

●廣田洋一
三世代揃ひて暮らす枝垂梅★★★
「三世代」を俳句に詠みこむことは簡単ではないが、いい句だ。下五の季題「枝垂梅」の働きがいい。(高橋信之)

竹垣に枝垂れ咲きける梅の花★★★
園児らに手を振るごとく枝垂梅★★★

●桑本栄太郎
延々と朝寝の夢のいつまでも★★★
衒いなき雑木林の野梅かな★★★★
季語「野梅」をうまく捉え、作者の想いが表された。(高橋信之)

靴跡にさざ波生まる春の泥★★★

●谷口博望(満天星)
朴の芽よ高きをめざせ山よりも★★★
中七の「高きをめざせ」はやや大仰なのだが、「大仰」であることも時には良しとされてもいい。(高橋信之)

蜷行かば太鼓叩いて珍道中★★★
ぎこちなく鴎の歩く春の川★★★

2月18日(6名)

●谷口博望(満天星)
藤の莢の産みの苦しみ拾ひけり★★★
枝垂梅動き出したる池の鯉★★★★
冬の間動きが大変に鈍かった池の鯉は、梅が咲き始めると、水の温みに動き始める。生き生きとした暖かい季節がまた廻って来たことが心よりうれしい。(高橋正子)

来し方や紆余曲折の蜷の道★★★

●多田有花
小綬鶏の鳴き続けたる日の出前★★★
春きざす頂何度もジャンプする★★★★
一日の雨があがりて雨水かな★★★

●小口泰與
谷川へ掛かる雲梯春霞★★★
淡雪に緊まる砂場や鴉二羽★★★
魔の山の残雪白し鳶の笛★★★★

●河野啓一
見るたびに移る狭霧や奥丹波★★★★
奥丹波の山深さを「見るたびに移る狭霧」に、あきらかに指し示された実感がある。空気の冷涼感と共に狭霧の動きが目に見える。因みに「狭霧」は秋の季語。(高橋正子)

箕面山東へ伊吹伊賀上野★★★
鳥渡る表六甲裏六甲★★★

●桑本栄太郎
「爆発」の母や岡本かの子の忌★★★
歌いつつ小川の流る雨水かな★★★
おそ春の群れて塒へすずめどち★★★★

●廣田洋一
クロッカス黒き土より涌き出でし★★★
日を貯めて土に広げるクロッカス★★★★
白黄色咲き乱れをるクロッカス★★★

2月17日(5名)

●多田有花
梅林に帰る日近きじょうびたき★★★★
頂から見やる大霞の播磨灘★★★
頂に春の日差しの溢れおり★★★

●小口泰與
梅が香や赤城榛名の襞定か★★★★
交番の電話鳴りけり春嵐★★★
凍返る空は青きよ醇乎たり★★★

●谷口博望(満天星)
大鯉の浮き上りたる春の池★★★★
かいつぶり川を行くなり山頭火★★★
天窓を駆け行く雲や春疾風★★★

●廣田洋一
春一番頬に刺し込む砂ぼこり★★★
荒ぶとも空の青さよ春一番★★★
春一番一つ踏ん張り歩き出す★★★★
17日は3月下旬ごろの暖かさ。いきなりの大風は春一番。風に向かうには、一つ踏ん張って歩き出さねばならない。髪は乱され、足元も掬われそうになる。けじめの春一番に踏ん張って歩み出す。ここがいい。(高橋正子)

●桑本栄太郎
下萌や雷鳥号の金沢へ★★★★
春寒し群れて塒へすずめどち★★★
春きざすビルの茜の夕日かな★★★

2月16日(5名)

●谷口博望(満天星)
枝垂梅せせらぎ川の水光る★★★
かいつぶり浮かば潜りて一人旅★★★
春浅し声いとけなき四十雀★★★★

●多田有花
<北摂・三草山登山三句>
春雪が遠きビル群を隠す★★★★
春の雪何度も通り過ぎてゆく★★★
茅葺と棚田二月の雪化粧★★★

●小口泰與
淡雪につまずく我の覚束無★★★
洗髪の乾く早さや名残雪★★★
あけぼのの山は紫紺や揚雲雀★★★★
日常の生活で発見した美しい風景だ。生活を詠んで、佳句となった。(高橋信之)

●廣田洋一
庭の隅色鮮やかに三色菫★★★
川べりに薄く光れる菫かな★★★
パンジーや新しき庭を際立てり★★★★
嬉しい言葉が並んだ。「パンジー」、「新しき」、「際立てり」と嬉しい言葉が並び、春を讃えた。(高橋信之)

●桑本栄太郎
若枝の青きしだれや軒の梅★★★
春日射すバスの家路や遠回り★★★
少女らの縄跳び興ず風光る★★★★
素直な句だ。下五の季題「風光る」が効いた。俳句の命は、やはり季題だ。季題を下五に置き、一句を力強く終えた。「少女ら」がひ弱でなく、生き生きとしているのが嬉しい。春の「風光る」季節だ。(高橋信之)

2月15日(6名)

●谷口博望(満天星)
ほつほつと垣根を越えて枝垂梅★★★★
水仙花日向の我へお辞儀して★★★
春の日やロープを揺らす尉鶲★★★

●小口泰與
毎朝の蜆汁とや見事なり★★★
あけぼのの赤城山(アカギ)むらさき揚雲雀★★★★
初虹や父の齢を越えにける★★★

●多田有花
<伊勢>
おはらい町干物焼く香の冴返る★★★
春未明雪降る中を出勤す★★★★
ひっそりと葉陰に咲き初め白椿★★★

●廣田洋一
牡丹雪地を強く打ち砕け散る★★★
菜の花や並び咲きたる線路際★★★★
線路際の枯れた草々にまじり、明るく菜の花が並んで咲いている。伸びる鉄路と菜の花の取り合わせの景色がいい。(高橋正子)

休耕の畑とりまく花菜かな★★★

●桑本栄太郎
冴え返る雲の嶺ゆく日射しかな★★★
芽柳の青きしだれや川風に★★★★
料峭の川に沿いつつ下りけり★★★

●上島祥子
探梅や川の流れと歩を合わせ★★★★
探梅の頃は、川は遠い山々の雪解けの水を集めて流れている。水量を増やしている川の流れに沿って行けば、ほちほちと梅が咲き始めている。川の流れがあって、探梅の季節がより大きく捉えられている。(高橋正子)

手摺より小さな子ばかり春の川★★★
山国の春木まだ遠き県境★★★

2月14日(6名)

●谷口博望(満天星)
曲りたる被爆九輪や春の雲★★★
観音の鯉浮き上る春の池★★★
春の日の道さきざきに鶲かな★★★★

●小口泰與
渓流のごうごうと吠ゆ蕗の薹★★★★
亀鳴くや公共事業遅延せる★★★
為政者の空事人や朧月★★★

●多田有花
<おかげ横丁>
赤福餅春の火鉢のかたわらで★★★★
赤福は伊勢の名物。作り立てはまた格別らしい。春は名のみの寒さに火鉢の暖かさがうれしい。こんなところに幸せがある。(高橋正子)

青空や山の向こうは春の豪雪★★★
慎重に下る凍結春の坂★★★

●廣田洋一
春浅し切られしままの枝の先★★★
春浅し朝の月光白々と★★★
陽だまりに子らの集へり春浅し★★★★

●上島祥子
冷たさを輝き放つ伊吹かな★★★
風花の落ちては解けるウィンドウ★★★
岐阜城を支える春の緑かな★★★★

●桑本栄太郎
いつまでも峡の白きやはだれ嶺★★★
芽柳の青き枝垂れや川風に★★★★
うじうじと一ト日待ち居りバレンタイン★★★

2月13日(5名)

●谷口博望 (満天星)
梅に来て空中ショーの目白かな★★★
蠟梅を花ごと毟る鵯の嘴★★★
料峭や鴎の雄姿上流へ★★★★

●多田有花
<内宮参拝三句>
みな静かに歩む神宮浅き春★★★
金色に鰹木光る春の朝★★★
御厩の神馬の香り二月早や★★★★
神馬にも春の訪れがある。二月というのに早やも牧の馬のような香りが神馬にもある。感覚的な句だ。(高橋正子)

●小口泰與
雛菊や遊具に興ず園児達★★★★
春暁の田川滔滔残る月★★★
さえずりや夜の薪水我知らぬ★★★

●廣田洋一
生垣の上に伸びたる梅の花★★★
梅の花ひとかたまりに天に伸ぶ★★★★
梅の花が満開となれば、ひとかたまりの白い花となって、青空に伸びている。光も強くなってきたころの梅の花の真白さが印象的だ。(高橋正子)

白と紅枝先絡め梅の花★★★

●桑本栄太郎
降り止みて空の青さよ斑雪嶺★★★★
川沿いに下る小路や風光る★★★
春北風の日射しきらめく川面かな★★★

2月12日(5名)

●谷口博望(満天星)
武士道は弱きを助く梅真白★★★
料峭や声もそぞろの四十雀★★★
天窓を流るる雲や春疾風★★★★

●多田有花
<内宮参拝三句>
参宮の二月の青空を仰ぐ★★★★
伊勢神宮参拝の句。私にも、その体験があり、「五十鈴川」の風景も記憶に残っている。私のいい記憶を呼び覚ましていただいた。伊勢神宮参拝の記憶は、今なお鮮明であり、「二月の青空」がいい。「仰ぐ」がいい。(高橋信之)

早春の光を浮かべ五十鈴川★★★
春浅き宇治橋渡り神苑へ★★★

●小口泰與
たんぽぽや榛名山(はるな)は夕日寄せ付けず★★★★
春落葉河原駆けるや夕鴉★★★
遠ざかる人の名遥か梅の花★★★

●廣田洋一
春の雪白く残れる道の端★★★
春の夜や遠回りして散歩せり★★★
公園のベンチ明るし春の夜★★★★

●桑本栄太郎
野放図に畑を占め居る野梅かな★★★★
いい風景を捉えた。無理がない表現だ。「野放図」がいい。「野梅」がいい。(高橋信之)
 
近鉄の路地の小坂や菜の花忌★★★
<田舎の追憶>
海苔掻やはるか果てなる隠岐の島★★★

2月11日(5名)

●小口泰與
蒼空へ長き裾野や暮長し★★★
山裾の寸馬豆人牧開き★★★★
目薬の日日の一滴冴返る★★★

●廣田洋一
顔ほてり体温測る春の風邪★★★
知らぬ間に眠りこけたる春の風邪★★★★
待ちかねし旅を取り消す春の風邪★★★
(お大事に。)

●(満天星)
幹の手は金剛のごと梅真白(原句)
金剛のごとき幹なり梅真白★★★★(正子添削)
俳句では、「ごとき」の使用を嫌うが、この句は、いい。下五の「梅真白」が見事だからだ。(高橋信之)

銀色に輝くジェット風花す(原句)
銀色に輝くジェット機風花す★★★(正子添削)
雛鳥や春動きたる西ノ島★★★

●桑本栄太郎
日もすがら明暗しきりや春の雪
父母の在りて故郷や磯菜摘む
降る注ぐ日射しきらめく建国日

●多田有花
春の宵湯を囲みける伊勢の杜
海山の幸を味わう春の伊勢
春の朝バイキングで食ぶ手こね寿司

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