花ごよみ

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春を背負って  笹本 稜平

2013-08-27 | 本 さ、た行(作家)

春を背負って
『春を背負って、花泥棒、野晒し、
小屋仕舞い、疑似好天、荷揚げ日和』
これら6編の連作短編集。
山岳小説です。

父の亡き後、脱サラをして、
山小屋を継いだ亨。

その父の友人で、
ホームレスのゴロさん。

山にきて生きる希望を、
なんとか見いだした美由紀。

美しく厳しい、
山の自然の中、
亨、ゴロさん、美由紀、
この3人が登山者達と出会い、
心のふれあいを経て
お互いに心の傷を癒し再生を得る。


話がうまく行き過ぎな感も
なきにしもあらずですが
懸命な生き様と、
温かい人情に心が和らぎます。

6つの短編の中では、
下界では夫が危篤なのに
雪山に閉じ込められてしまい、
下山がままならない『擬似好天』が
印象に残りました。
夫妻の絆と切なさに
じんときました。









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