花ごよみ

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絶唱  湊かなえ

2015-09-05 | 本 ま、や行(作家)

絶唱

連作短編になっています。
トンガと阪神淡路震災が
それぞれの物語に絡んできます。

現実から逃避、
不確かな心の中を再確認。

自分という者を見極めたくて、
トンガに訪れた主人公達。

トンガの人達の優しさが、
震災によって心に苦悩を負った
彼女たちを包み込みます。

「楽園」
双子の一人雪絵が震災で亡くなるが
母は毬絵を亡くなった雪絵として育てる。
毬恵は毬恵として生きていくため
トンガにやってくる。

「約束」
トンガを訪れた国際ボランティア隊の女性。
彼女は友人を震災で亡くしていた。

「太陽」
震災ボランティアのトンガ人セミシを探しに
娘、花恋とトンガへ旅行にやってきた
シングルマザーの杏子。
泊まったホテルの経営者の
尚美の亡くなった夫が
セミシだと分かる。

「絶唱」
阪神淡路大震災から20年。
作者自身の体験かと思わせる物語。
ヒリヒリと痛みをもった心の傷口。
主人公の絶唱でした。





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