花ごよみ

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怒り(上)(下) 吉田修一

2016-03-30 | 本 ま、や行(作家)
 
怒り(上) (中公文庫) 怒り(下) (中公文庫)

映画化を知り読みました。

配役は槙洋平-渡辺謙、槙愛子ー宮崎あおい、
田代哲也ー松山ケンイチ(千葉)

藤田優馬-妻夫木聡、大西直人ー綾野剛(東京)

田中信吾ー森山未來、小宮山泉-広瀬すず(波照間)

そして犯人を追う刑事は三浦貴大ということです。


ある事件が起こり犯人は逃走。

その事件を基にして千葉、東京、波照間と
三つの物語は平行しながら進行していきます。

各物語に前歴不明の男が3人登場。
田代と直人と田中があやしい男です。

事件の犯人かもと疑い始める周囲の人達。
その周囲の人達の揺れ動く
心の動きが秀逸です。

犯人の一人を除きみんな弱くて
哀しくて愛しい人達でした。

結局、不明のまま終わってしまった
刑事と交際していた美佳を加えて
前歴が不詳の4人。
その4人の周りにいる人々が、
不安と猜疑心を持ってしまい
悩みながらも結局は
彼らを傷つけることになってしまい、
周りの人達も同じく傷つきます。

心が痛くなる小説でしたが
少しは希望の光が見えてくるのが救いです。
登場人物が多いですが
読みやすい小説でした。







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2 コメント

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Unknown (しんちゃん)
2016-03-30 23:21:53
 実は私、島の訪問者、漁港の男、ゲイの男・・・みんな同一人物かな?なんて思って読んでました(笑)
 すなわち3箇所同時進行に見せかけて、実は時間軸が違うんじゃないかな?って(笑)

 それにしても人を信じること、信じきることの難しさを通関させるお話でしたね。
返信する
しんちゃんへ (kazu)
2016-03-30 23:41:46
こんばんは

同一人物だと思っていたんですね。
私は映画の出演者を見て読んだので
それはなかったです(笑)

やっぱり人が素直に
人を信じるということは
結構むずかしいことなんですね。
返信する

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